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今回ご紹介するのは『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』です。
彩ふ読書会では8/18に開催した『暗幕のゲルニカ』課題本読書会のとき、この本が話題となりました。その時のレポートはこちら。
《大阪》2024年8月18日(日) 『暗幕のゲルニカ』課題本読書会レポート
『暗幕のゲルニカ』は原田マハさんの小説です。内容としては現代編と過去編の物語が交錯していくアートサスペンスで、現代編はMoMAのキュレーター八神瑤子、過去編は写真家のドラ・マールの視点で進んでいきます。ドラ・マールはパブロ・ピカソの恋人です。ゲルニカが生み出される前後が描かれています。
『暗幕のゲルニカ』課題本読書会は、原田マハさんやアート好きな方ばかりで集まったわけではなく、読書会で課題本に選ばれたから読んで参加された方もおられます。「アートは分からん……」という人も(私も含めて)半数近くおられました。そのときに「初心者にはこの本が良いですよ〜」とおすすめされたのが『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』でした。
私は美術館に行っても絵画などの下にある解説文を読んでさっと回ってしまう人間でして、前々から苦手意識がありました。おすすめされたときに「これは読もう!」と決心したもののその時は在庫切れで手に入らず、しばらくしてから入手したのでした。
ちなみに、『暗幕のゲルニカ』課題本読書会に参加されていた方で私以外にももうお一人この本を読まれてて、先日の読書会で推し本として紹介されておられました。
《大阪》2024年11月4日(月祝) 推し本披露会(読書会)レポート
リンク先等を貼ったところで内容紹介に移ります。
内容紹介
さて、この『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』という本は、美術教師である末永幸歩さんが行った授業を書籍化したものだそうです。13歳からのとありますが、むしろ大人こそ読むと良い本だと思いました。「13歳からの~」としているのは、13歳前後から美術への苦手意識が生まれるからだそうです。確かに図工は好きでしたが美術になってからは苦手意識があったようななかったような。
本ではプロローグとオリエンテーションから始まり、6つの授業が行われます。
私は上に書いたように美術はさっぱり分からんのですが、この6つの授業はかなり「楽しい!」って思いながら読み進めました。「私には分からん……分かるわけがない」と凝り固まっていた思考をほぐしていってくれる感じで、1つの授業が終わる毎に「続きが読みたい!」となりました。中学生のころにこんな授業を受けれていたら、人生変わってたかもしれません。少なくとも美術館に足を運ぶ機会は激増していたことでしょう。
印象的だった点はいくつもあるのですが、説明が難しい……。なぜかというと、「できるまけ完全なタンポポを思い描いてみてください」といったように著者からの質問があり、読者は一旦ページをめくる手を止めて考え、答える形で進んでいくからです。本を介して授業を受けている感じですね。探せば要約しているサイトなんかもあるでしょうけれども、自分で読んでみなければこの本の魅力は分からない気がします。
良かった点としては、アートに苦手意識を持っていた私が、「もっとアートについて知りたい!」と思えた点です。これは大きいですね。アートに対して興味を持てたわけですから。で、この感覚って以前にも感じたことがあるな〜と読んでる途中から感じ始めまして、何やったっけな〜と考えていたら「読書」だと気づきました。
「アートは分からん…」と同じように、本を読むことに関しても、「読書って難しそう…」という感覚を抱いている方って結構いると思うんですよね。学校や職場を思い浮かべてみてください。周りに本読んでる人っていなくないですか?「趣味は読書です」なんて公言したら勝手に賢い人認定された経験のある方、結構いるかと思います。アートに関しては私が逆をやっちまってたってわけですね。アート好きな人もいる場で「アートは分からん…」と知ろうともしない姿勢を取っていたわけですから。これはいけませんね。
私自身は読書好きですけども、「読書って楽しい!」と思えた瞬間があったから読書にハマったんですよね。今回この本を読んで「アートって楽しい!」と思えたので、今後間違いなくハマっていくでしょう。
AI生成についての記載がなかったので、ぜひ2で扱ってほしいなと思ったりしました。が、多分もう5、6の授業で答えは出ちゃってるんですよね。これからAI以外にも色んなツール等が出てくると思いますが、アート思考から見ると「その問題は既に通り過ぎている」といえそうです。
とにかく面白かった!!
おすすめです!!