実験的小説“残像に口紅を”

アメトークの読書芸人でカズレーザーさんが紹介されていた本。

積ん読になってたんですが、東京に行く時に持参していきました。飛行機や電車の中で読んでいたら、ちょうど作品の中でも関西から東京へと行くシーンがあったりして妙に親近感が沸きました(笑)

 

言葉が消えていく世界のお話です。

「あ」が消えると「愛」という言葉も「あなた」という言葉も消えていきます。言葉が消えると存在自体もなくなります。例えば「の」が消えるとワタクシ「ののの」も消えてしまいます。ひえーっ!

物語自体は淡々と進んでいくんですが、これは最初にあの言葉が消えているから?なんて事を考えつつ、逆に淡々としていなかったらこりゃかなり恐ろしい世界だなあとも思ったり。違和感はあっても、消えたことに気づけないんです。

何故そんな世界なのかは作中で説明があるんですが、ここで説明するのは難しいので省略(^_^;)ほうほう、なるほど!と思いました、とだけ書いておきます。

どんどん使える言葉がなくなっているはずなのに物語は滞らず進んでいきます。これ書くのにかなり時間かかったんじゃなかろうか。言葉の言い換えとかしなきゃなりませんし。筒井康隆さんの作品は気になりつつもこれが初めてだったんですが、とにかくすごいなと感じました。

文字がぎっしりな感じだったので読了出来るかちょっと不安だったんですが、読み始めたら一気に読了出来ました。読みやすかったです。気になる作品はいくつかあるので読んでみたいと思います♪

《文:nonono》

 

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