時生/東野圭吾

時生
東野圭吾
講談社文庫

読書会で紹介して頂いた本。

東野圭吾さんの作品は好きなので結構読んでいたつもりだったんですが、この時生は読んだことがありませんでした。幻夜、白夜行辺りも家にあるけど手つかずという状態です。「分厚いな~」という気持ちに負けてしまって、ついつい後回しになってしまうのであります(^_^;)

読み始めたら止まらなくなるんですけどね。ハッとする瞬間も結構あったりして読んで良かった!となるのが自分にとっての東野圭吾さん作品。ただ何せ分厚い。

というわけで積ん読状態ではありましたが、読書会で紹介して頂けたことで後押ししてもらいました。やっぱり読んで良かった!!自分の中で東野圭吾さん再燃!!

 

さて、この時生。500ページ超えてます∑(・Д・・)

超えてますが、読み始めたら一気に読んでしまいました。面白かったです♪

宮本拓実という男性が主人公です。

拓実の息子は不治の病で最期のときを迎えようとしていました。拓実はいつかは話さなければならないと思いながらも打ち明けられなかったことを妻・麗子に明かします。

それは「ずっと昔に息子と会ったことがある」ということ。

自分自身でも長い間信じてませんでしたが、今になって自信を持っていえるようになったというのです。そこから20年以上前、拓実が23歳だった頃の話が始まります。

いずれはスケールのでっかいことをやるんだと息巻くものの、仕事は長続きせず、当時付き合っていた千鶴にも愛想を尽かされそうになっている拓実。どうしようもない男だった彼のもとに、トキオと名乗る青年が現れます。

トキオは拓実に真実を打ち明けようとはしませんが、ついついお父さんと呼んでしまったり予言めいたことを言ったりして慌ててはぐらかしたりします。拓実からすれば怪しさ満点な青年なんですが、どこか懐かしいような気持ちになったり、憎めない人柄もあって、気がつけば数日間一緒に過ごしていました。そんな中、拓実の彼女の千鶴が行方不明になり、怪しい男たちも現れ、二人は彼女を探すことになります。その道中、拓実は自分自身の過去とも向き合い・・・・・・というお話です。

自分自身の過去を否定する拓実の姿には胸を締め付けられる思いがしました。意地になってしまっている部分もあるんですが、トキオとの関わり合いを通して少しずつ気持ちに変化が生じてきます。拓実とトキオのやりとりが素敵です。ちょっと不思議なお話。結末はさすが東野圭吾さんって感じですね。同じ東野圭吾さんの作品でいえば、手紙とかさまよう刃が好きな方は多分好きなんじゃないかなーと思いました。オススメです♪

《文:nonono》

 

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