ドグラ・マグラ上・下
夢野久作
角川文庫
・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。
「これを書くために生きてきた」と著者自らが語り、構想・執筆に10年以上の歳月をかけて1935年に刊行された夢野久作の代表作。
小栗虫太郎の“黒死館殺人事件”、中井英夫の“虚無への供物”と並んで、日本探偵小説三大奇書に数えられています。
その常軌を逸した作風から一代の奇書と評価されており、「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」とも評されています(角川文庫版の裏表紙の文章より)
横溝正史は1977年に小林信彦との対談で、対談のために読み返して気分がヘンになり夜中に暴れたと述べており、同席した夫人も首肯しているそうです。
夢野久作氏はドグラ・マグラを刊行後、翌1936年3月11日に亡くなっています。
・・・・・・やばくね?
と、思いつつもワタクシ読了いたしました。
感想。
・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。
読まない方が良い。
・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。
読むなよ!
絶対読むなよ!
と、ダチョウ倶楽部の上島風に言っておきます(どっちだ)
文章に影響されやすい性質なので、読み終わるまでの一ヶ月近く、かなり暗ーい人になっておりました。読み終わってからも結構長く気持ち引っ張られてましたよ。
・・・・・・え?どれくらいって?
具体的に?
2日←
影響されやすい方にはおすすめできません。自分は影響されにくいよって方にもおすすめできません。俯瞰して読めている人でもグッと引きずり込まれる何かがありますよ。
って書かれると逆に好奇心をそそられるものですよね、多分。いや、でもマジでやめた方が良いっす。これを読むくらいなら他の本を読んだ方が良いですって。読むなよ!絶対読むなよ!ヤバイヨヤバイヨー。
ぶっちゃけ、原作を読む場合は覚悟した方が良いです。表紙に惹かれて買ってもね、エロい部分はないからね!
・・・・・・推し本を紹介しているブログなのに、なぜ今回おすすめできない本を紹介しているのかといいますと、実は原作を紹介したいわけではないのです。
今回の推し本は・・・・・・これだ!
漫画で読破シリーズ。
これ、めっちゃオススメです!
文章を読むのが辛い・・・・・・けど名作と言われてる本の内容は知っておきたい、という方にはもってこいの漫画。薄いし、すぐ読み終わります。
もちろんこれを読んでも原作の全てを知ることが出来るわけではありませんが、ほぼほぼ大筋はつかめると思います。漫画で情報をある程度仕入れてから原作に挑んでみると、案外挫折しかけていた本も読了出来るのではないかなと思います。
痴人の愛、脱亜論、坊っちゃん、社会契約論、ガリア戦記などなど本当に色ーんな作品が漫画になっています。これ、全シリーズ揃えたいところなんですけど100冊超えてるんですよねー。図書館にもないんだよなあ。でもいつかは全て揃えたい。
・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。
では、ドグラ・マグラの話にまいりましょう。
物語は一人の青年が目覚める所から始まります。
青黒いコンクリートの壁で囲まれた二間四方ばかりの部屋。三方の壁には黒い鉄格子と鉄網で二重に張り詰めた窓が取り付けられています。窓に顔を映してみても自分が誰なのか分からない。何故ここにいるのか分かりません。青年は記憶を喪失していました。
壁の向こう側からは若い女の声が聞こえてきます。
「お兄さま、お兄さま、お兄さま。・・・・・・モウ一度・・・・・・今のお声を・・・聞かしてエーッ・・・・・・お隣のお部屋にいらっしゃるお兄様・・・・・・あたしです。お兄様の許嫁だった・・・・・・あなたの未来の妻でしたあたし・・・・・・あたしです」
青年は返事をしようとして思いとどまります。彼女の言葉が真実かどうか分からないからです。記憶喪失で彼女の顔も思い出せません。
「お兄様の手にかかって死んだあたしです。そうして生き返っているあたしです」
彼女はここが病院で、青年が返事さえすれば二人とも精神病患者ではないことが分かり退院出来ると言います。しかし、それがはたして真実なのかどうか。青年は、自分の過去の真実の記憶として呼び起こし得るものはタッタ今聞いた・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。という時計の音一つしかないのです。
しばらくして若林博士という男性が現れ、「九州帝国大学法医学教授 医学部長 若林鏡太郎」と書かれた名刺を渡されます。
若林博士は一ヶ月前に亡くなられた正木敬之の代わりにやってきたことや、ここが九州大学精神病科の第七号室であること、空前の犯罪事件に青年が関わっていたことなどを教えてくれます。しかし、青年が自分の名前を教えてもらおうとすると口をつぐんでしまいます。青年は新聞記事や論文などを手がかりに自分が何者であるかを探っていくことになります。
漫画版では青年だけの視点ではないため割と全体像がつかみやすくなっていますが、原作の方は青年の視点だけで描かれているため、何が真実なのか分からない状態がずっと続きます。漫画版も一応真実が描かれているように思えますが、これが真実なのかというと解釈が分かれるところだと思います。
というのも、読者は青年と様々な情報を得ていきますが、一度分かった気になったことが覆されることが多々あるのです。情報を得れば得るほど訳が分からなくなっていきます。最初に出会った若林博士が全て真実を語っているかというとそうでもない。記憶喪失な上に密閉された状態では、どんな情報を仕入れようとも何も判断することが出来ないのです。
それこそ、自分の過去の真実の記憶として呼び起こし得るものは時計の・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。という時計の音一つしかないのです。
しばらくして若林博士という男性が現れ、「九州帝国大学法医学教授 医学部長 若林鏡太郎」と書かれた名刺を渡されます。
若林博士は一ヶ月前に亡くなられた正木敬之の代わりにやってきたことや、ここが九州大学精神病科の第七号室であること、空前の犯罪事件に青年が関わっていたことなどを教えてくれます。しかし、青年が自分の名前を教えてもらおうとすると口をつぐんでしまいます。青年は新聞記事や論文などを手がかりに自分が何者であるかを探っていくことになります。
漫画版では青年だけの視点ではないため割と全体像がつかみやすくなっていますが、原作の方は青年の視点だけで描かれているため、何が真実なのか分からない状態がずっと続きます。漫画版も一応真実が描かれているように思えますが、これが真実なのかというと解釈が分かれるところだと思います。
というのも、読者は青年と様々な情報を得ていきますが、一度分かった気になったことが覆されることが多々あるのです。情報を得れば得るほど訳が分からなくなっていきます。最初に出会った若林博士が全て真実を語っているかというとそうでもない。記憶喪失な上に密閉された状態では、どんな情報を仕入れようとも何も判断することが出来ないのです。
それこそ、自分の過去の真実の記憶として呼び起こし得るものは時計の・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。
では、ドグラ・マグラの話にまいりましょう。
物語は一人の青年が目覚める所から始まります。
青黒いコンクリートの壁で囲まれた二間四方ばかりの部屋。三方の壁には黒い鉄格子と鉄網で二重に張り詰めた窓が取り付けられています。窓に顔を映してみても自分が誰なのか分からない。何故ここにいるのか分かりません。青年は記憶を喪失していました。
壁の向こう側からは若い女の声が聞こえてきます。
「お兄さま、お兄さま、お兄さま。・・・・・・モウ一度・・・・・・今のお声を・・・聞かしてエーッ・・・・・・お隣のお部屋にいらっしゃるお兄様・・・・・・あたしです。お兄様の許嫁だった・・・・・・あなたの未来の妻でしたあたし・・・・・・あたしです」
青年は返事をしようとして思いとどまります。彼女の言葉が真実かどうか分からないからです。記憶喪失で彼女の顔も思い出せません。
「お兄様の手にかかって死んだあたしです。そうして生き返っているあたしです」
彼女はここが病院で、青年が返事さえすれば二人とも精神病患者ではないことが分かり退院出来ると言います。しかし、それがはたして真実なのかどうか。青年は、自分の過去の真実の記憶として呼び起こし得るものはタッタ今聞いた・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。
読まない方が良い。
・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。
「これを書くために生きてきた」と著者自らが語り、構想・執筆に10年以上の歳月をかけて1935年に刊行された夢野久作の代表作。
小栗虫太郎の“黒死館殺人事件”、中井英夫の“虚無への供物”と並んで、日本探偵小説三大奇書に数えられています。
その常軌を逸した作風から一代の奇書と評価されており、「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」とも評されています(角川文庫版の裏表紙の文章より)
横溝正史は1977年に小林信彦との対談で、対談のために読み返して気分がヘンになり夜中に暴れたと述べており、同席した夫人も首肯しているそうです。
夢野久作氏はドグラ・マグラを刊行後、翌1936年3月11日に亡くなっています。
・・・・・・やばくね?
と、思いつつもワタクシ読了いたしました。
感想。
・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。
「これを書くために生きてきた」と著者自らが語り、構想・執筆に10年以上の歳月をかけて1935年に刊行された夢野久作の代表作。
小栗虫太郎の“黒死館殺人事件”、中井英夫の“虚無への供物”と並んで、日本探偵小説三大奇書に数えられています。
その常軌を逸した作風から一代の奇書と評価されており、「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」とも評されています(角川文庫版の裏表紙の文章より)
横溝正史は1977年に小林信彦との対談で、対談のために読み返して気分がヘンになり夜中に暴れたと述べており、同席した夫人も首肯しているそうです。
夢野久作氏はドグラ・マグラを刊行後、翌1936年3月11日に亡くなっています。
・・・・・・やばくね?
と、思いつつもワタクシ読了いたしました。
感想。
・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。
読まない方が良い。
・・・・・・・・・ブウウ―――――――ンンン――――――ンンンン・・・・・・・・・・・・・・・。