「市民よ、当たれ!」
カードを引く瞬間、私は心の中でずっとそう念じていた。
人狼をプレイしておきながら、メイン所の人狼にはなりたくない。この気持ち、お分かり頂けるだろうか・・・・・・?
人狼のカードを引いてしまったら人狼であることがバレないように上手く嘘をつかないといけない。しかし、上手く嘘をつけるかどうか全くもって自信がない。何故ならこれまでの人生で一度も嘘をついた事がないからだ。どうやって嘘をつけば良いのか分からない。
我が家の家訓は「嘘をついてはいけません」だった。厳格なお父上と母上様に育てられた私は、これまで二人の目が届かない場所でもきちんと家訓を守り生きてきた。そんな私にとって嘘をつくという行為はお父上と母上様を裏切る行為に等しい。私を大切に育ててくれた二人を裏切ってまで嘘をつくなんて、どうしてそんなひどい事が出来よう。
けれど、人狼はもう始まってしまった。
人狼が当たったら嘘をつかなければならない。
ならば回避する方法はたった一つ。
人狼にならないことだ。
市民よ、当たれ!・・・・・・当たってくれ!!
私は強く念じながら配られたカードをめくった。
3回連続人狼だった。
・・・・・・事の始まりから書くことにしよう。
この人狼が行われた場所は、京都市左京区にあるSAKURA CAFE。
普段はカフェとして営業されているお店だが、営業日以外の日にはレンタルスペースも行っている。彩ふ読書会がレンタルスペースとしてお借りした。
彩ふ読書会は読書会をメインに行っている団体だが、読書会以外にも「サークル活動」と称して様々な活動が行われている。詳しくは下記のページをご覧頂きたい。
そのサークル活動として、今回は京都読書会終了後に「人狼」が行われた。
人狼についても簡単に説明しておこう。
人狼とは、会話型心理ゲームだ。
今回は「人狼DX」というゲームカードを利用してプレイした。
◆遊び方◆(商品説明より)
・“人狼チーム”と“市民チーム”とのチームバトルです。
・昼のターンと夜のターンを繰り返してゲームが進行します。
・【昼のターン】 人狼が人間になりすまして紛れ込んでいるので、プレイヤー全員で「人狼が誰か」を議論して、疑わしい人物を投票で毎回1名ずつ追放していきます。
・【夜のターン】 人狼が暗躍して、毎回1名ずつ人間を襲っていきます。
・最終的に全ての人狼を追放できれば市民チームの勝利、逆に人間を襲い続けて人狼と同数まで減らせれば人狼チームの勝利になります。
・人狼と市民以外にも「予言者」などの様々な“役職”を持つ者が存在し、これらを入れることで更に面白くなります。
ほぼ未経験者の集まりだったので、説明書を読んで内容を確認しながらのプレイ。この間はずっと「市民」が当たったのでほっとしつつ、誰が人狼か推理。なるほどなー、こんな感じかー、と思いながらやっていると途中で一人合流。ゲームマスターになってもらい再びプレイした。
使用したカードは「人狼」「市民」「予言者(占い師)」の三つのみ。他にも色んな役職カードはあるが、今回は未使用だ。
予言者(占い師)は毎晩誰か一人を占って、その人が人狼なのか人狼ではないのかを知る事が出来る能力を持っている。
流れは以下のようにしてプレイした。
1.ゲームマスターがカードを配る。
2.参加者はカードをめくり、自分が「人狼」か「市民」か「予言者(占い師)」かを確認する。
3.参加者は顔を伏せる。
4.ゲームマスターから「人狼の方、顔を上げて下さい」と言われたら人狼は顔を上げる。ゲームマスターが確認する。その間、顔を上げる動作等で誰が人狼か分からなくするため、机をトントンと叩き続ける。
5.ゲームマスターから「占い師の方、顔を上げて下さい」と言われたら占い師は顔を上げる。ゲームマスターが確認する。その間、同じく机をトントン。
6.全員顔を上げる。3分間で人狼が誰かを推理する(一回目は追放なし)
7.3分経ったら、参加者は顔を伏せる。
8.ゲームマスターから「人狼の方、顔を上げて下さい」と言われたら人狼は顔を上げる。誰を襲うかを指定し、顔を伏せる。
9.ゲームマスターから「占い師の方、顔を上げて下さい」と言われたら占い師は顔を上げる。誰を占うかを指定し、カードをめくって確認する。
10.全員顔を上げる。ゲームマスターが「追放されたのは○○です」と結果発表する。その方は以降発言出来なくなる。
11.残ったメンバーで再び人狼が誰かを推理する。3分経ったら誰を追放するかを指さし。一人追放する。
12.人狼の勝利か、市民の勝利か結果発表
ゲームマスター含め5名だったため二夜くらいで終わるのだが、3分間の推理タイムはドキドキする時間だった。市民の時は気軽に参加出来るものの、人狼になった途端、一気に他メンバーの視線が気になり出す。一回目、二回目と人狼になってしまった時、私は途端に挙動不審に陥った。そしてまさかの三回連続人狼の時、腹をくくった。
よし、嘘をついてみよう・・・!
私は人狼でありながら「占い師です」と皆に宣言した。
「のーさんは占い師ではないですね」
すぐバレた。
な、なーにーぃ!!?
慌てて訂正するもあえなく撃沈!
その後何度かやっていたら時間になったので終了となった。その後も何名かの人は近くのレストランで別のカードゲーム「犯人は踊る」をプレイしていたようだった。彩ふ読書会ではカードゲーム・ボードゲームが今後流行りそうな予感がしている。予感しかない。きっと5月のサクラカフェでも同じようにプレイしているだろう。
今から非常に楽しみだ!