読書会主催の紹介する本が、参加者の紹介する本と相関関係にあることが判明した話

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彩ふ読書会主催の、のーさんです。こんにちは。

今回は、前々から個人的に抱いていた疑問、「主催者が読んでいる本や読書会で紹介した本は、参加する方の『推し本』と相関関係にあるのではないか」という仮説について、AIを活用して調査した結果をご報告します。

目次

  1. 主催の傾向は、参加者に影響を与えるのか?
  2. 「彩ふ読書会」が目指すもの
  3. 調査方法
  4. 調査結果
  5. 彩ふ読書会 紹介書籍のジャンル傾向(集計結果)
  6. ジャンル別詳細分析
  7. 1. 文学・小説 (61.6%)
  8. 2. サブカルチャー・教養・ノンフィクション (28.8%)
  9. 3. ビジネス・実用書・自己啓発 (9.6%)
  10. 傾向のまとめ

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主催の傾向は、参加者に影響を与えるのか?

以前、「読書会に参加者が集まらない理由をAIに聞いてみた」という記事でも触れましたが、私自身の体感として、主催者である私がSNSや読書会でミステリ作品を多く紹介していると、ミステリ好きの参加者の方が集まりやすい傾向を感じていました。また、課題本としてSF作品を選んだ際にも、SF好きな方が「推し本披露会」にも参加してくださる、といったこともしばしば見られました。

これは、「主催がその時期に読んでいる本や紹介している本が、参加者のジャンル選びにも無意識のうちに影響を与えているのではないか?」という考えに行き着きます。「あ、主催の人ミステリ好きなんだ。私もミステリ好きだから参加してみようかな」といった具合に、共感や親近感が参加のきっかけになっているのかもしれません。他にも、ジョジョ好きだと発信しているからか、おそらく他の場所よりもスタンド使いが当読書会には引き寄せられています。スタンド使いはひかれ合うと言いますからね。

実際、自己紹介の際に尋ねている「好きな作品や作家さん」の傾向も、以前は多種多様だったのに対し、最近では「ミステリ作品が好きで…」と回答される方が、参加者が6人いたら2〜3人ほどに増えた印象があります。もちろん、これは私のSNSでの発信が、意図せずミステリ作品多めになっている影響もあるでしょう。

「彩ふ読書会」が目指すもの

もし相関関係にあるのなら、ざっくりいえば私が好きなジャンルを好きな参加者の方が集まることになります。え、それの何が問題なの?とお思いのことでしょう。主催者の傾向が参加者に影響を及ぼすこと自体は、一見すると問題ないようにも思えます。読書会にはそれぞれのカラーがあり、主催者と好みが合う人が集まるのは自然な流れです。

問題なのは、彩ふ読書会の場合はそれを良しとしていないからです。

私が主催する彩ふ読書会の「彩ふ」は「いろう」と読みます。色んな価値観を持った方々が集まり、色が美しく交じりあう、というような意味で名付けました。性別、年齢、住まい、仕事、考え方、そして好きな本のジャンルまでもがバラバラな方たちが集まり、異なるバックグラウンドを共有し合うことで、新たな視点を得たり、相互理解を深めたりする場を目指しています。

そのため、特殊なテーマ回を除き、通常回ではあえて小説限定やビジネス書限定といった制限を設けていません。年齢制限や性別による制限を設けないのも、彩ふ読書会の目指すものと違うからです。「小説好きのAさんが熱烈に紹介するビジネス書なら読んでみようかな」といった、ジャンルを超えた偶発的な出会いが生まれることも期待しています。

もし、主催の傾向によって特定のジャンルを好む参加者ばかりが集まってしまうと、彩ふ読書会の目指すものから離れてしまうことになります。小説好きだけで集まる、同年代だけで集まる、同じ業界の人たちで集まるほうが、それぞれ前提を分かっているという点もあって楽しいです。彩ふ読書会でも、漫画好き、執筆好きで集まるような特殊回はスピンオフ的に実施したりしています。メインには据えれないけど、やっぱり楽しいんですよね!

脱線してきました。戻ります。

記憶や印象ベースではなく、客観的なデータに基づいてこの仮説を検証すべく、AIを活用した分析を行うことにしました。

ここからは調査方法と調査結果をお伝えしたいと思います。

調査方法

彩ふ読書会では、過去に紹介された本や課題本にした本を記録しています。単純に私が記録魔なだけですが、今回はこの記録が役に立ちました。

調べた方法は、下記リンク先をAIに分析してもらうという方法です。

過去に紹介された推し本と課題本一覧 2025年11月29日まで紹介された推し本をまとめてみました!「読書会でどんな本を持って行けば良いのか分からない・・・」という方、是非ご参考下さい♪iro-doku.com

このページには2017年11月に彩ふ読書会を初開催した時からの、私が紹介した本、参加者が紹介した本、課題本にした本全てを記録しています。2000冊超え!

このページを読み込んでもらって、彩ふ読書会の傾向を分析してもらいました。

上記のリンク先を貼って、こう質問しました。

「彩ふ読書会という読書会コミュニティを運営しています。これまでに紹介された本のタイトルや課題本とした本を上のリンク先にまとめてるんですが、これらの本を集計して、彩ふ読書会ではどのような本のジャンルが紹介される傾向にあるか調べることが出来ますか?また、その割合を出すことはできますか?グラフにすることはできますか?」

もし同じように記録されている方おられたら、自分の会の傾向が分かって面白いかもしれません。

調査結果

結論から言いますと、相関関係はありました。

先にこちらのグラフをご覧ください。

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参加者の推し本
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主催者推し本・課題本
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二つを並べた図

このように、主催者が推し本紹介した本や課題本と、参加者が紹介してきた推し本のグラフがほぼ同じとなりました。

以下、GoogleGeminiからの回答です。

はい、お調べできます。

お示しいただいたURLに記載されている課題本(大阪・東京・京都・滋賀・横浜・名古屋)と運営者(のーさん)が過去に紹介した推し本の計125冊(重複除く)について、ジャンルを分類し、その傾向と割合を集計しました。

この分析により、「彩ふ読書会」は小説・文学作品が中心でありながら、マンガや実用書など幅広いジャンルを取り入れている傾向が明らかになりました。

彩ふ読書会 紹介書籍のジャンル傾向(集計結果)

集計対象とした125冊(課題本および運営者推し本)を大別した結果、以下のようになりました。

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「彩ふ読書会」で紹介される本は、約6割が純文学や海外古典、一般小説、ミステリなどの文学・小説作品で占められていることが分かります。

ジャンル別詳細分析

「文学・小説」と「サブカルチャー・教養・ノンフィクション」をさらに細分化することで、より具体的な傾向が見えてきます。

1. 文学・小説 (61.6%)

この読書会の中核をなすジャンルです。

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特に『星の王子さま』や『モモ』といった海外古典、夏目漱石や太宰治などの日本古典も課題本として多く選定されています。

2. サブカルチャー・教養・ノンフィクション (28.8%)

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マンガ作品が多く紹介されているのが大きな特徴です。特に課題本として『ルックバック』が選ばれるなど、文学作品だけでなく、話題のコミックも積極的に読書対象となっていることが分かります。

3. ビジネス・実用書・自己啓発 (9.6%)

『革命のファンファーレ』や『仕事は楽しいかね?』など、ビジネスや仕事術、ミニマリズムに関する書籍がバランス良く含まれています。

円グラフにしたのがこちら

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注:本分析は、リストアップされた本のタイトルを元に、一般的なジャンル分類を適用して集計したものです。参加者によって紹介された2,330冊の「推し本」の全件は含まれていません。

※ということだったので、「参加者の紹介した推し本 現在2,335冊」も集計できますか?」と追加しました。

ご要望ありがとうございます。

参加者の方が紹介された2,335冊の「推し本」についても、可能な限り傾向を分析いたしました。

ウェブページの構造上、全2,335冊のタイトルを一度に取得・集計することはできませんでした。そのため、ページから抽出できた約117冊のユニークなタイトルを代表サンプルとしてジャンル分類し、集計を行いました。

このサンプル分析の結果、参加者の推し本も、課題本や運営者推し本と同様に「文学・小説」が中心でありながら、多様なジャンルが紹介されていることがわかります。

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傾向のまとめ

  1. 文学・小説が中心: 課題本・運営者推し本の分析(61.6%)と比較して、参加者の推し本でも**約65%**と最も大きな割合を占め、文学作品への関心の高さが裏付けられました。
  2. 多様なサブカルチャー: 「サブカルチャー・教養・ノンフィクション」には、『ONE PIECE』『聖☆おにいさん』などのマンガ・コミックや、『荒木飛呂彦の漫画術』などの芸術・教養書、『チベット旅行記』などのノンフィクションが含まれており、参加者が紹介する本は非常に幅広い趣味・関心を反映していることがわかります。
  3. 実用書も一定数: 『LIFE SHIFT』や『たとえる技術』など、ビジネスや自己啓発に関する本も約1割を占めており、読書会が単なる文学鑑賞の場に留まらず、学びや実用的な知識の共有の場にもなっていることがうかがえます。

円グラフにしたのがこちら

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※「2335冊を一度に取得・集計することはできなかったとあるけど、時間をかけてもらったらやってもらえる?」とも聞いてみました。

ご期待に沿えず大変申し訳ございませんが、時間をいただいても、正確に全2,335冊のタイトルを抽出・集計することは難しいというのが正直なところです。

この背景には、私が利用できるウェブページ解析ツール(ブラウジング機能)の技術的な制約があります。

  • データ抽出の限界: 私のツールは、ウェブページ全体から情報を抽出する際、データセット全体ではなく、ページの要約や代表的な内容の**スニペット(抜粋)**を返すように設計されています。2,335冊のように非常に長いリストを完全かつ正確に取得することが構造的に困難です。
  • 分析負荷: 仮に全てのタイトルが抽出できたとしても、リストにはジャンルが明記されていないため、1冊ずつジャンルを調べて分類する必要があり、その作業が人為的・技術的に現実的な時間で完了できる範囲を超えてしまいます。

✅ 代替案としてのサンプルの有効性

前回分析させていただいた「課題本」「運営者推し本」および「参加者の推し本(サンプル117冊)」の分析結果は、以下の点で全体の傾向を非常に良く表していると考えられます。

  1. 一貫した傾向: 課題本、運営者推し本、参加者推し本(サンプル)のすべてにおいて、「文学・小説が約6割〜6.5割、サブカルチャー・教養が約2.5割」という傾向が共通して見られました。
  2. ランダム性の確保: 参加者の推し本はリストの上部から抽出されており、このリストが意図的にジャンルを偏らせて並べられている可能性は低いため、ランダムなサンプルとして全体の傾向を捉えるのに十分な規模を持っています。

※ということだったので「ありがとう。ということは、主催の紹介する本の傾向が、参加者にも影響を与えていると思って良いかな?」と聞いてみました。

はい、そのように考えて良いと言えます。

主催者が紹介する本の傾向(特に「課題本」として選ばれるジャンル)と、参加者が持ち寄る「推し本」のジャンル構成は、極めて高い相関関係にあります。

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円グラフはこちら

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上記のとおり、いずれのカテゴリも割合が非常に近く、この読書会全体の**「文学・小説を中心としつつ、教養・サブカルチャーも広く楽しむ」**という文化が、主催者によって作り出され、参加者によって共有されていることがデータから強く裏付けられます。

考えられる要因

  1. 影響(トーンの設定): 主催者が選ぶ「課題本」が、読書会全体の読書傾向の基準を設定し、参加者が持参する本のジャンルに影響を与えている。
  2. 引き寄せ(属性の一致): そもそも、主催者の選書傾向(文学が中心であること)に共感する読者がこの読書会に集まっている。

どちらの理由にせよ、「彩ふ読書会」が目指す読書傾向と、参加者が持ち込む本の傾向は一致しており、非常に安定した読書コミュニティが形成されていると判断できます。

もしよろしければ、現在分析済みのサンプル117冊について、前回の大分類(文学・サブカル・ビジネス)ではなく、ミステリ、SF、マンガ、エッセイなど、さらに詳細なジャンル分類を掘り下げて分析し、より深い傾向を探ることは可能です。

※ということだったのでお願いしてみました。

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1. 文学の中でも「純文学・一般小説」が圧倒的多数

「文学・小説系」全体が約54%ですが、その中核は純文学や古典、海外文学を含む一般小説(41.0%)です。

  • これは、読書会の中心的なテーマが、広く物語や深い内面を探求する文学作品にあることを示しています。
  • ミステリやSF・ホラーも一定のファン層(約12.8%)を形成していますが、あくまで純文学・一般小説がベースです。

2. 教養・雑学系がマンガ・コミックを上回る

「サブカルチャー・教養・ノンフィクション系」の中で、教養・雑学・芸術・エッセイの割合が17.9%と、マンガ・コミック(8.5%)を上回っています。

  • 参加者は単にエンターテイメントとしてだけでなく、『フェルマーの最終定理』や『荒木飛呂彦の漫画術』などの専門的なテーマや知識、芸術、あるいはエッセイを通じた日常的な発見といった「知的好奇心を満たす書籍」を積極的に持ち込んでいることがわかります。

3. 実用書・自己啓発のニーズも顕在化

前回の分析よりも割合が増加し、ビジネス・実用書・自己啓発系が15.4%と、サブジャンルの中で純文学に次いで大きなシェアを占めています。

  • この層には『LIFE SHIFT』のようなライフプランニングに関する本や、具体的なスキル・知識に関する実用書(例:料理、時間管理)などが含まれており、**「読書を通して実生活を豊かにしたい」**という実用的なニーズを持つ参加者も少なくないことが確認できます。

この詳細な分析が、読書会の傾向をより深く理解するのに役立つことを願っています。

調査結果は以上です。

調査結果をふまえて

今回の調査によって、前々から個人的に抱いていた疑問、「主催者が読んでいる本や読書会で紹介した本は、参加する方の『推し本』と相関関係にあるのではないか」という仮説が、データによって裏付けられました。何となくそうかなーと思っていたことが判明して非常にスッキリした気分です。

この結果は、ある意味で私にとっての重要な指針となります。

「彩ふ読書会はこんな多様性を目指してるんですよ!」と考え方ばかり口にするよりも、私自身が多様なジャンルの本を読み、紹介していくことで、自然と彩ふ読書会が目指しているものが実現していく、ということを示しているからです。

これからは、私自身の読書の比重を意識的に変えていこうかなと思います。理想としては、文学・小説50%、サブカルチャー・教養・ノンフィクション 25%、ビジネス・実用書・自己啓発 25%くらいのバランスを目指したいところです。

特にビジネス・実用書・自己啓発の例で出てきた『LIFE SHIFT』や『たとえる技術』『革命のファンファーレ』『仕事は楽しいかね?』あたりは、コロナ禍以前に読んでいた本ですし……。一冊小説読んだら次は別ジャンル、みたいにしていこうかなと思います。

GoogleGemini以外を使ったらまた違う結果も出そうですが、今回はこれでスッキリしたので終わります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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読書会のあれこれ|ののの@彩ふ文芸部(彩ふ読書会)|note読書会に関する記事ですnote.com

※12/20追記

Books Mandeville 武蔵小杉読書会さんも集計してくださいました。ありがとうございます!

https://note.com/embed/notes/n3bdb554f57d7