《大阪》2024年12月1日(日) 『桐島、部活やめるってよ』課題本読書会レポート

2024年12月1日、大阪で朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ』を課題本とした読書会を開催しました。

今回は主催含め8名(女性4名、男性4名)で読書会を開きました。初参加の方は2名でした。お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。

このレポートが初見の方もいらっしゃると思いますので、まずは「読書会について」と「彩ふ読書会の目的」についてご説明させて頂きます。

読書会って何?

読書会とは、ざっくりいうと本が好きな方が集まっておしゃべりをする会です。

「本をたくさん読んでいる人の集まりなんじゃないか……」「かなり知識が必要なんじゃないか……」と思っちゃうかもしれませんが、そんなことはありません。読書量も知識量も必要はなく、必要なのは本が好きであるということだけです。読書好きの交流会=略して読書会と考えてみたら、少しハードルが下がりますでしょうか。

読書会は、本が好きな方にはオススメな会です。

自分一人では手に取らなかったであろう本との出会いがあったり、本の話題を通じて普段接点のない方とお話することが出来ます。

課題本読書会とは?

事前に読了しておいた課題本について語り合う形式の読書会です。
課題本を読書してる最中に感じたこと、読後に感じたこと等を自由に発言しあいます。参加条件は「課題本の読了」のみです。
推し本披露会が「これまで」を共有する機会とするならば、課題本読書会は「これから」を共有する機会となります。同じ本を読了したという体験こそが、まずは大きな意味を持ちます。「これはさすがに読了は厳しいだろう・・・・・・」といった本が選書されるかもしれません。何とか読了したけど、当日特に意見が出ずに沈黙してしまったり話が脱線してしまう可能性もあります。ですが、本を読んでいる間や読書会中の瞬間瞬間を共有していくことが大切だと考えております。

彩ふ読書会の目的

簡単に言えば、関わって下さる方々の「第三の居場所作り」です。

家庭でもない。

職場でもない。

貴方にとっての、第三の場所。

居心地の良い場所。集まれば何だかほっこり出来るような場所。色々脱ぎ捨てられるような空間。そんな「居場所」を作っていきたいなあと思っています。

教養を深めたり、読書の幅を広げるといった事も目的ではありますが、何より一番は集まること。時間や空間を共有していくこと。

集まって顔と顔を合わせれば何か新しいことが生まれてくる事もあるでしょう。新たに興味を持ち始めることや、やりたい事、今までやってみたかったけどやれなかった事に挑戦したくなるかもしれません。まだまだ理想を語るだけになってしまう段階ではありますが、貴方自身のやりたい事が叶う場にもしていきたい。

「彩ふ」は「いろう」と読みます。
色んな価値観を持った方々が集まり、色が美しく交じりあう、というような意味で名付けました。読書会は本関連の集まりではありますが、それは一つのキッカケとして捉えて頂けたらなと思っています。目的としては以上です。

読書会レポート

では、読書会のレポートに戻ります。

読書会に参加する方法はいくつかあります。参加申込方法のページからご確認ください。

お申し込み頂いた方には一週間前に最終確認メッセージが届きます。内容を確認し、当日は受付時間内に会場までお越し下さい。

会場に到着したら受付をしていただきます。PassMarket以外の方は当日現金払いとなりますので、受付時にお支払いをお願いいたします。グループ分けも受付時にお伝えしています。

開始時刻になったら読書会開始です。

まずは司会の私のーさんがご挨拶させて頂きます。その後、皆さんに自己紹介をして頂きます。お名前、普段読まれている本だったり好きな作品や作家さんなど、簡単なもので構いません。

自己紹介が終わりましたら、本の感想に移ります。

今回の課題本は朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ』でした。

皆さん会が始まるまでには読了しておられますので、ネタバレを気にする必要なくお話することが出来ます。それぞれ感じることは違いますが、どの意見が正しいとか間違っているという事はありません。同じ作品を読んでも気になる点や印象に残るところというものは違うものです。こういう視点もあるのだ、といった部分をあえて楽しんでみると、この会は楽しむ事が出来るのではないかと思います。

難しい事を言う必要はありませんし、お喋りするのは苦手だと感じる方もいらっしゃると思いますので、無理して発言する必要もありません。

まずはお一人ずつ読んで感じたことを話して頂いて、そのあとはフリートークとなります。時間になりましたら終了です。

当日の流れは以上です。

当日出た意見はこちらです(ネタバレ含む内容になりますので、これから読む方は前回分のレポートをご参照ください)

・何年かぶりの再読。学生たちのみずみずしさを感じた。

・今年から朝井リョウさんの作品を読み始めて色々と呼んだ。自分と相性良いなと思う作家。構成が上手い。桐島が出てこない。周りの視点から浮き出してくるのかと思いきやそういうわけでもなくメインでもない。男子同士のやりとりの会話などリアル。始まってもいない恋が終わるのには感情移入した。宏樹と前田のやりとり、光を見たというところが抽象的だけど何となく分かるなという気がした。

・2回目。同じところで「うわぁ」となった。どの時代でも多かれ少なかれあると思うが、何でこの人分かってるやろと思いながら読んだ。大人になってもあるが高校ほどじゃない。自分の名前読んでよには心揺さぶられた。

・タイトルが良い。桐島でてくるかと思ったら出てこない。風助の話は青春やなと思った。自分の時代にはスクールカーストという言葉がなかったし、学校楽しかったからショックだった。派手なタイプと地味なタイプはいたが、地味なタイプが派手なタイプに憧れるというようなことはなかった。前田君は卑屈に感じた。

・2回目。桐島の物語の出し方がうまい。のりしろみたいな存在。構成的に面白かった。桐島は出てこないが登場人物によって桐島の存在感が違っていてショックの受け方が違っているのが面白い。風助には部活やめただけなのにと感じた。接点があるわけではないが、ソフト部のうるさいのがあとになって分かったり、空を見るシーンが繋がっていたりしていたのが好き。

・読書会で知って読んだ。期待値高く読んでしまったが、話を聞いてみたらちゃんと読んでなかったなと感じた。なんでみんな卑屈?自分と周りを比べる必要はない。理解しがたいものを感じた。なかなかページが進まなかったが実果のあたりで目覚めて最後の章は良かった。映画は何か違うなと思った。

・課題本じゃなければ読まなかった。青春もので軽め系かなと思ったが読めて良かった。構成がすごく良いなと思った。実果さんにはウルウルきた。手紙を宛名なしで送っていた理由が分かったときにはもう涙。自分の高校時代を思い出したが、上下は感じなかった。

・作者も作品も初めて読んだ。作者はバレーには詳しいが野球の描写はテキトーだった。最初風助の章を読んだとき「やめるってよ」の距離感に違和感があった。「やめるって!」くらいでは。そこから他の人の話を読んでいったらやっぱり「やめるってよ」くらいかなと。感情移入はしなかった。原色をめっちゃ使ってるなと思った。

と、このあたりはお一人お一人にまずお聞きしたことでした。一巡してからはフリートークで時間まで話をします。フリートークではがちがちに話す内容を決めているわけではありませんので、ここまでに出てきた意見を掘り下げたり、新たな疑問、皆に聞いてみたいことなどを話します。

今回も全員が一巡するだけで時間終了間近となっていたので、少し延長してフリートークを行いました。スクールカーストや実果のエピソードの話などが個人的には印象的でした。今回課題本にできて皆さんの意見を聞くことが出来て嬉しかったです。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

さて、百聞は一見に如かずですので、ぜひ会場に足を運んで実際にご自身で会を体験して頂けたら幸いです。いやいや、もっと事前に調べておきたい!という方は、下のリンク先に詳しいことを書いていますので、宜しければチェックしてみてください。

課題本読書会は、普段手に取らない作品に挑戦できる機会となります。読んだことがある作品の時に参加するのももちろん大歓迎ですが、「読んでみたいと思っていたけど……」と積読状態になっている本、全くタイトルも知らなかった本にも挑戦してみていただけたら幸いです。締め切り効果がありますので、挫折していた本も意外と読めたりしますよ!

お会いできるのを楽しみにしております。

参加者からのレポート

▶桐島、部活やめるってよ(レビュー/読書感想文)/シュシュさん(外部サイトに移動します)

ありがとうございます。

SNSアカウントをお持ちの方は、ハッシュタグ「#彩ふ読書会」で感想をひとことでも書いて頂けると嬉しく思います。読書会を続けていく上での励みになります。
どうぞよろしくお願いいたします。

アンケート結果

今回ご参加いただいた方には、2025年3~5月の読書会に関するアンケートにご協力いただきました。投票数の多かったもので課題本が決まります。回答してくださった皆様、ありがとうございました!

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9つの作品に対し、1人3作品に投票をお願いしました。4つ以上回答されていた方の分は無効票とさせて頂いてます。結果はこちらです!

11票 金閣寺
8票 かもめのジョナサン
7票 ミザリー

6票 「ない仕事」の作り方
5票 わたしを離さないで
4票 ドリアン・グレイの肖像
3票 天使の囀り
3票 卍(まんじ)
3票 銀河ヒッチハイク・ガイド

というわけで……2025年3~5月の課題本が決定しました!順番は私のほうで組ませていただいて……

3/2(日)の課題本はスティーヴン・キングの『ミザリー』です!!

内容
両足を骨折した作家ポールは「大ファン」を自称する女に監禁された。狂気に侵された女のもとから脱出することはできるのか――?

横断検索はこちらです(外部サイトへ移動します)
http://book.tsuhankensaku.com/hon/isbn/9784167705657

アンケートで候補にあがった本が選ばれました!スティーヴン・キングは学生のころに流行ってたんですが、そのころ私は読書にハマっていなかったので未読なんですよね。課題本になったら絶対読むので、これから読むのが楽しみです!

 4/13(日)の課題本はリチャード バックの『かもめのジョナサン』です!!

内容
「飛ぶ歓び」「生きる歓び」を追い求め、自分の限界を突破しようとした、かもめのジョナサン。群れから追放された彼は、精神世界の重要さに気づき、見出した真実を仲間に伝える。しかし、ジョナサンが姿を消した後、残された弟子のかもめたちは、彼の神格化を始め、教えは形骸化していく……。新たに加えられた奇跡の最終章。帰ってきた伝説のかもめが自由への扉を開き、あなたを変える!

横断検索はこちらです(外部サイトへ移動します)
http://book.tsuhankensaku.com/hon/isbn/9784102159071

3月の課題本に続き、アンケートで候補にあがった本が選ばれました!198ページとページ数は少な目ですが、読み応えがありそう。まだ未読ですが、私もこれから読むのが楽しみです!

5/11(日)の課題本は三島由紀夫の『金閣寺』です!!

内容
「美は……美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか? 現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。血と炎のイメージで描く〈現象の否定とイデアの肯定〉──三島文学を貫く最大の原理がここにある。

横断検索はこちらです(外部サイトへ移動します)
http://book.tsuhankensaku.com/hon/isbn/9784101050454

何度か候補にはあがっていたものの選ばれずでしたが、今回11票を獲得して1位でした!いつか挑もうと思いつつなかなか手が出ていない作品でしたが、ついに手に取る日が来たようです。こちらもこれから読むのが楽しみです!

※彩ふ読書会+企画「名著『罪と罰』を読んで語る会」が開催決定となりましたので、4月以降の課題本が変更になる可能性があります。決まり次第お知らせをしますので、詳しくは最新情報でご確認ください。

 課題本にしてみたい作品としては以下の回答が集まりました。

『傲慢と善良』辻村深月
『青い壺』有吉佐和子
『テンペスト』シェイクスピア
『リカ』五十嵐貴久
『嵐が丘』エミリー・ブロンテ
『トム・ゴードンに恋した少女』スティーヴン・キング
『蹴りたい背中』綿矢りさ
『破局』遠野遥
『その日の前に』重松清
『みずうみ』シュトルム

次回の候補作にあがるかも?です!ご協力ありがとうございました。

アンケート結果は以上です。

最後に

お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。

初参加の方や女性が安心して参加できる空間、男性も楽しめる空間作りに今後も努めてまいりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

毎月参加して下さる方はもちろんのこと、久しぶりに参加したよ~という方々との再会も非常に嬉しいものです。本が好きな方々の第三の居場所作りが目的ですので、「また参加して良いのかな?」「久しぶりだけど大丈夫だろうか?」「前回体調不良でキャンセルしてしまったけど…」といった事はお気になさらず、「あ、この日予定空いてる!参加しよう!」くらいの気持ちで、是非お気軽にご参加ください。

初めて読書会に参加して下さる方々にも「参加してよかった!」「楽しかった」「また参加したい!」と思って頂けるよう努めてまいりますので、宜しくお願い致します。

参加してくださった皆様、ありがとうございました!!

次回大阪での読書会は2/9です。1月頃に募集開始しますので、またホームページをチェックしていただけますと幸いです。

初参加の方が楽しむコツは「読書会は初めてです」「彩ふ読書会は初めてです」と自己紹介の際に言っていただくことです。私のーさんはお申し込みいただいた時点で分かっていますが、他の参加者の方は知りません。「初めてです」と言っていただけると「よっしゃ!フォローしたろ!」と思ってくださる方ばかりですので、遠慮なく仰っていただけますと幸いです。

以上です。

ありがとうございました!