そういえば時代小説好きだったと思い出させてくれたミステリ 伊吹亜門『雨と短銃』

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以前読書会でご紹介いただいた『雨と短銃』を読みました。

時は慶応元年。薩長同盟成立に向けて奔走する坂本龍馬は、京でようやく西郷吉之介を説き伏せた。しかしこの重要な時期に、ともに上洛した長州藩士・小此木鶴羽が斬り伏せられ、下手人は逃げ場のない場所から煙のように消え失せるという奇怪な事件が発生する。尾張藩公用人の鹿野師光は、事件の目撃者だという龍馬に呼び出され、下手人の捜索を依頼される。師光が追うべきは、藩を超えて小此木と友誼を結んでいたはずの薩摩藩士だった――デビュー作にして第19回本格ミステリ大賞を受賞した『刀と傘』前日譚にして、著者初となる長編ミステリ。

『刀と傘』の前日譚となる話ですが、『雨と短銃』だけでも楽しめます。

あー、私って時代小説好きだったな〜ということを思い出しました。といっても昔読んでいたのは山田風太郎だけですが。そのあと他の作家さんの時代小説や歴史小説にも手を出してみたんですが、当時は自分に合わず苦手意識が生まれてしまい無縁になってしまいました。読書会でもたびたび紹介していただいていて毎回気になっているものの、この苦手意識のせいで手が出せていませんでした。そんな状況で『刀と傘』を読んでみたらめちゃくちゃ面白くて!お、もしかして今ならいけるのか……?となり、今回『雨と短銃』を読んでみて確信が持てました。時代小説、好きですわ!!

山田風太郎の作品は、全く関係なさそうなところからカチッと史実につながっていくところが好きだったんですよね。はまっていたのは18〜20歳のころでした。そのころは気づいてませんでしたが、今もミステリものが好きなのは、史実への繋げ方とか伏線回収が巧みな山田風太郎がきっかけだったのかもしれません。

『雨と短銃』を読んでみたら何の違和感もなく世界観に没入できました。時代本格推理というジャンルで、坂本龍馬や西郷どんが出てきたりするのですが、よくよく考えたら既に知っている人物たちですもんね。新たに登場人物を覚える必要もなく、またファンタジーもののように世界観を覚える必要もありません。この気楽さは、時代小説や歴史小説の良さなのだと今更ながらに気づきました。しかも!本格推理!私にとって贅沢な作品でした。

『刀と傘』にも繋がっていきますので、ぜひ両方読んでみてください。おすすめです!