2023年3月25日、大阪で読書会を開催しました。
今回は主催含め6名(女性3名、男性3名)で読書会を開きました。初参加の方が2名でした。お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。
このレポートが初見の方もいらっしゃると思いますので、まずは「読書会について」と「彩ふ読書会の目的」についてご説明させて頂きます。
目次
読書会って何?
読書会とは、ざっくりいうと本が好きな方が集まっておしゃべりをする会です。
「本をたくさん読んでいる人の集まりなんじゃないか……」「かなり知識が必要なんじゃないか……」と思っちゃうかもしれませんが、そんなことはありません。読書量も知識量も必要はなく、必要なのは本が好きであるということだけです。読書好きの交流会=略して読書会と考えてみたら、少しハードルが下がりますでしょうか。
読書会は、本が好きな方にはオススメな会です。
自分一人では手に取らなかったであろう本との出会いがあったり、本の話題を通じて普段接点のない方とお話することが出来ます。
彩ふ読書会の目的
簡単に言えば、関わって下さる方々の「第三の居場所作り」です。
家庭でもない。
職場でもない。
貴方にとっての、第三の場所。
居心地の良い場所。集まれば何だかほっこり出来るような場所。色々脱ぎ捨てられるような空間。そんな「居場所」を作っていきたいなあと思っています。
教養を深めたり、読書の幅を広げるといった事も目的ではありますが、何より一番は集まること。時間や空間を共有していくこと。
集まって顔と顔を合わせれば何か新しいことが生まれてくる事もあるでしょう。新たに興味を持ち始めることや、やりたい事、今までやってみたかったけどやれなかった事に挑戦したくなるかもしれません。まだまだ理想を語るだけになってしまう段階ではありますが、貴方自身のやりたい事が叶う場にもしていきたい。
「彩ふ」は「いろう」と読みます。
色んな価値観を持った方々が集まり、色が美しく交じりあう、というような意味で名付けました。読書会は本関連の集まりではありますが、それは一つのキッカケとして捉えて頂けたらなと思っています。目的としては以上です。
読書会レポート
では、読書会のレポートに戻ります。
読書会に参加する方法はいくつかあります。参加申込方法のページからご確認ください。
お申し込み頂いた方には一週間前に最終確認メッセージが届きます。内容を確認し、当日は受付時間内に会場までお越し下さい。
会場に到着したら受付をしていただきます。PassMarket以外の方は当日現金払いとなりますので、受付時にお支払いをお願いいたします。グループ分けも受付時にお伝えしています。
開始時刻になったら読書会開始です。
まずは司会の私のーさんがご挨拶させて頂きます。その後、皆さんに自己紹介をして頂きます。お名前、普段読まれている本だったり好きな作品や作家さんなど、簡単なもので構いません。
自己紹介が終わりましたら、本の感想に移ります。
皆さん会が始まるまでには読了しておられますので、ネタバレを気にする必要なくお話することが出来ます。それぞれ感じることは違いますが、どの意見が正しいとか間違っているという事はありません。同じ作品を読んでも気になる点や印象に残るところというものは違うものです。こういう視点もあるのだ、といった部分をあえて楽しんでみると、この会は楽しむ事が出来るのではないかと思います。
難しい事を言う必要はありませんし、お喋りするのは苦手だと感じる方もいらっしゃると思いますので、無理して発言する必要もありません。一応皆さんにお話を振らせては頂きますが、何も浮かばなかったら「パス!」と叫んで下さい!あ、パスは三回までOKです。
まずはお一人ずつ読んで感じたことを話して頂いて、そのあとはフリートークとなります。時間になりましたら終了です。
当日の流れは以上になります。
ここからは『あしながおじさん』の話をしていきますので、ネタバレしています。これから読む方はご注意くださいませ。
今回の課題本はジーン ウェブスターの『あしながおじさん』でした。
私が読んでメモしていた感想はこちらです(メモなので結構雑です…)
子どもの頃に読まれた方も多いかと思いますが、私はつい最近初めて読みました。
手に取った経緯としましてはいくつか流れがありまして、まずは妻が上白石萌音さんの舞台配信を観ていたこと。そのときに面白い!と教えてもらっていたこと。「あしながおじさんってタイトルは知ってるけど読んだことないなー。面白いのかそうか~」とその時初めて興味を覚えました。しかーし!私の中には「妻からオススメされたものは手に取らない」という、世間の皆さまからは到底理解できないであろうポリシーがありまして、横目でちらちらと見つつ興味ないそぶりをする始末。そんな折、Twitterでも『あしながおじさん』についてつぶやかれている方がいて、この新潮文庫の表紙を見たときに「あ、かわいい…」と流れるようにポチっと表紙買いしてました。
それから数ヶ月後。ハッピーエンドな本が読みたーい!!まだ読んだことないものでハッピーエンドだともう分かってるやつが読みたーい!!という気分になった瞬間がありまして、裏表紙にもハッピーエンドって書いてるし妻もオススメしていたしTwitterでもおすすめされていたしという全ての伏線が回収された瞬間!ようやく手に取ったのでした(前置きが長い)
読んだら期待通りのハッピーエンドでほくほく気分でした。これは課題本として語りたい!という思いにもなり、このたび課題本とさせて頂きました。
主人公はジェルーシャ・アボット
院長ミセス・リペット
評議員
聖歌隊トミー・ディロン
7ページ。屋敷のポーチから先へは空想が進まない。知らないところは想像できない?
10ページ。あしながおじさんの由来。影が巨大なアシナガグモに似ていた。そこからアダ名をつけるジェルーシャのセンスすごい。あしながおじさんからは光輝いてジェルーシャが見えている?(位置的に)
あしながおじさんはどのタイミングでジェルーシャが気になってきたんだろう
16ページ。請求書に支払いをするような気持ちで→説明長い。院長としては、気が気でなかったんだろうな。
21ページ。でもジョン・スミスなんてありきたりの名前で呼んでほしいというかたな、どうすれば大きな尊敬を抱けるのでしょう→早速ふっかけてきてる。支援してもらってる立場で自分なら出来ない
24ページ。3人の女の子
最上級生
サリー・マクブライド
ジュリア・ラトレッジ・ペンドルトン
25ページ。7限目まであるのか。
26ページ。マイケル・アンジェロ、聞き間違いをあしながおじさんは訂正したくならなかったんだろうか
27ページ。モーリス・メーテルリンク
30ページ。ジュディに改名
31ページ。孤児院の目標、みなしごをふたごにする。さらっと流してたけど、分かるようで分からない。どういうこと?同じような人間にするってこと?
31ページ。ジュディも自覚してるが、あしながおじさんのほうが強い立場
32ページ。遊びのほうが大変。遊び方とか冗談って確かに学ばない気がした
サリー結構でてくるので、続・あしながおじさんも気になってくる
32ページ。思いやり深そうな子が嫌い。わかる気がする。ジュディは孤児院の看板を外して皆と同じでありたい
36ページ。ジュリア、バスケチームに入れない。ばんざい!って正直
38ページ。慈善箱
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーにも出てきたような
39ページ。返事をもとめる。はげていますか
40ページ。仕返しのイラスト。笑った
42ページ。自然に吸収して知っているようなこと
43ページ。本を4冊並行して読む。私も場面変えて並行して読んでいる。親近感
51ページ。リペット院長を愛するのは無理ですので。はっきり
59ページ。返事がほしくなる
60ページ。体調が悪かった
66ページ。ムカデ退治でわたしのヘアブラシの背で叩く。二度と使う気にならない分かる。使うたびに思い出してしまう
67ページの詩はどういう意味?
エミリ・ディキンソンの詩と注釈がある
論評するの楽しそう
69ページ。ザブリスキ名前だったら印象変わってそう
71ページ。フランス語で書いてる。原文だったらどう書いてるんだろう?かたこと?
74ページ。ジャービス・ペンドルトン。ジュリアの叔父。ジュディは知らずに会っている。ジャービスはどんな気持ちだったのかな
76ページ。再読したらジャービス=おじさまに似ているとまで書いてる。読み手はここで気づく?私は気づかなかった!
78ページ。えくぼできてた。細かいことまで教えてくれる
78ページ。試験が終わり、農場へ行く話
83ページ。ミステリー好きならジャービス=あしながおじさんだとあきらかに分かりそうなヒントだが、私は分からなかった!ミステリーだと思って読んでなかったから
85ページ。ジュリアの扱いがひどい
86ページ。追伸が4つもあるのはフフッてなった。あしながおじさん気分で私は読んでる?牛はうまくかけません
88ページ。シュロの葉の扇子良いな
93ページ。二年生に
改めてジーン・ウェブスターすごい。これを書けるなんて
95ページ。サリーが学年の代表委員に立候補
97ページ。議論3つ、あなたはどっち派?
サリーが当選
100ページ。クリスマス休暇サリーの家に招待される
この手紙は期限が来たら書いてるってことか。
102ページ。サリーの家で過ごす
少女小説、手紙形式の金字塔ということはこれまでには確立されてなかったってこと?
104ページ。もし私が〜不安があらわれている?
113ページ。キツネと猟師のゲーム
117ページ。マンスリー主催の短編小説コンテストで優勝
120ページ。ニューヨークへ
123ページ。一日の苦労は、その日一日で十分だ。良い言葉。つい過去を引きずりがち
124ページ。小切手のやりとり
130ページ。ジェイン・エア。色々出てくるので読みたくなってくる
131ページ。想像力があるからこそ、人はほかの人の立場になって考えることができる。読書が一役買っている
135ページ。いつもとテイストが違ってて面白い。8おやすみなさい
136ページ。マクブライドから保養地への誘い→だめといわれる→なぜだったのか?あしながおじさん側の気持ち。人間味のない指示は焦っていたから?
あしながおじさんは手紙を書くのが嫌い?
149ページ。ペンドルトンが来ると連絡
153ページ。ジャーニー来る
158ページ。スティーブンソンのいっせつ良い。これのために読みたい
163ページ。表現好き
165ページ。短編掲載決定。前の文を見るとジャービスが口利きしてる?わけではないか
奨学金が出る
167ページ。奨学金を受け取ってはいけないと連絡がある
169ページ。おじさまを罵倒。おじさまはこの時点ではもうジュディ好き。ジュディが好きでなかったら奨学金はオッケーしてた気がする
171ページ。辞退することを拒否する
172ページ。ジュリアに招かれる
174ページ。トマス・ハクスリーの生涯と書簡
184ページ。楽しんでるときは今は楽しんでいるのだと自覚しようと→無理じゃない?わーっとなるんだが私…。やがてふと気付くと〜この一文、好き
ジュディ最初はたまたま手に入れた幸福。馴染んでくると手放したくなくなってくるのでは
187ページ。学長の講演で言われたことを真面目に受け取らないの好き
198ページ。おじさんとしてヨーロッパ誘う。断られるとジャービスとしてヨーロッパに誘う。家庭教師することに
女性の自立の物語
207ページ。あしながおじさんボロがではじまる
221ページ。そういえば文学部ってどんなふうに授業してるんだろう?資料として小説を読む?
221ページ。これだけ影響受けてるサミュエルピープス気になる
227ページ。ある場所がある人に結びつく。確かにある
240ページ。ジャービーから結婚の申込
245ページ。ついに会う
250ページ。ジュディはここで気付く。私も。みなさんはいつ気づいた?
アルジャーノンもちょっと思い出した
上白石萌音の観た
あしながおじさん側の解釈もある。名乗らずに出た理由。手紙を書こうとしてた。人見知りで人付き合いが嫌いで親族を毛嫌いしている。親戚のおじさんとしてそのまま会おうと
井上芳雄がやるとめっちゃお茶目
257ページ。パティの作品も気になる
淡々としていたのにジュディを好きになってからは振り回されるおじさん
読書会で参加者の方から出た話題はこちらです。
・タイトルは知っていたが読んだことはなかった。ネタバレせずに読めたので、おじさん誰やと思いながら読んだ。主人公はつらつとしてて飛びぬけている。明るい大学生活。ジュディはしっかりしてるな。シンデレラストーリー。きらきらしている。おじさんと再会してから急転直下。時代も感じる。孤児院の思い出が悪いが昔の孤児院は暗く寂しいイメージもある?
・タイトルは知っていたが手に取ることはない本だった。続もあるんや。ジュディは好奇心いっぱい。メッセージ性はない?楽しかったが、他の方がどう感じたのかを知りたい。
・年齢とともにきた。学生の中高生の時に読んだ。ネタバレしてるが読んで面白いかなと今回思ったが、ネタバレしてるなりの面白さがある。暗いイメージあるが言葉遣いなんかも孤児院で鍛えられたおかげ。ジュリアとの比較で出ている。男性社会の中での自立。コントロールされることに反発するのは自分もそうすると思う。自由意志と実行力がある主人公。年齢重ねていくと自分の意志で動いているようで周りに動かされている感覚がある。
・課題本読書会に参加したかったが、あしながおじさんは読みたくなかった。あしなが「おじさん」だから。あしなが育英会とかのイメージもあった。読んでみたらこんな話だったんだ!と面白かった。日本の朝ドラ主人公みたい。日本人が好む人柄。19世紀のアメリカ人も好ましく思うということは、国が違っても変わらないんだなと思った。ジャービーぼっちゃまと大人になっても呼ぶのはひっかかった。最後じゃじゃーん。
・初めて読んだ。朝ドラのよう。ドストレートなキャラは良いなと思った。メッセージ性はないが主人公好きで読める。絵もへたくそだが面白い。
というところが、一巡してお一人お一人に聞いて出てきた感想等でした。ここからはフリートークとなります。
フリートークでは、一巡して出た感想から掘り下げることもあれば新たな疑問について話すこともあります。今回は「あしながおじさんはいつからジュディのことが好きになったのか?」という話題があったり、手紙の間隔がおじさんと喧嘩すると日数が空いたり、アメリカ資本主義の中の社会主義の話だったりと色んなお話をしました。出版社も新潮文庫の方もいらっしゃれば角川文庫、旺文社の本もあり、解説や翻訳の違いなども話題に出来ました。
あっという間に時間となり、読書会は一旦締めてお知らせをしました。
これにて読書会レポートは終了です。
最後に
上の方にも書きましたが、主催含め6名(女性3名、男性3名)で読書会を開きました。初参加の方が2名でした。お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。
初参加の方や女性が安心して参加できる空間、男性も楽しめる空間作りに今後も努めてまいりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
毎月参加して下さる方はもちろんのこと、久しぶりに参加したよ~という方々との再会も非常に嬉しいものです。本が好きな方々の第三の居場所作りが目的ですので、「また参加して良いのかな?」「久しぶりだけど大丈夫だろうか?」「前回体調不良でキャンセルしてしまったけど…」といった事はお気になさらず、「あ、この日予定空いてる!参加しよう!」くらいの気持ちで、是非お気軽にご参加ください。
初めて読書会に参加して下さる方々にも「参加してよかった!」「楽しかった」「また参加したい!」と思って頂けるよう努めてまいりますので、宜しくお願い致します。
次回の大阪での読書会は4/23です。久しぶりの日曜開催!!ぜひご参加くださいませ!
▶《大阪》4/23(日) 推し本披露会(第1部) 開催のお知らせ ※満席となりましたので募集終了してます
▶《大阪》4/23(日) 推し本披露会(第1部) 開催のお知らせ(本を紹介しない枠)
▶《大阪》4/23(日) 『坊っちゃん』課題本読書会 開催のお知らせ
▶《大阪》4/23(日) 推し本披露会(第3部) 開催のお知らせ
読書会が終わってからは『あしながおじさん』の話も挟みつつ、フリートークをしてました。
その中で「課題本はどういう基準で選んでるんですか?」という質問をいただきました。
基準としては、まず書店や図書館で手に取りやすい作品であることが前提です。
ジャンルとしては小説が多いですが、限定しているわけではありません。最終的には私が決めてますが、参加者の方やサポーターの方から候補本をあげてもらうこともよくあります。これまで課題本としてきた本の半分以上は、あげていただいた候補本から選んでいます。ですので、「これ課題本にどうですか?」と提案してくださるのは大変ありがたく、いつでも大歓迎です!
ちなみに東京会場では投票で決める時もあります。あらかじめあげて頂いた候補本の中から7作ほど私がピックアップしておいて、当日も候補本を追加して、投票で決める方式です。
ついこないだもこんな感じで決めました。
▶【東京】2023年2月4日(土) スピンオフ企画レポート“スイーツ会&課題本決定会”
7、8月は夏に読みたい本が沢山あるので、大阪会場でも投票制で決めてみても面白いかなーと思ったり。
あと、理想としては何かしらの季節や記念に合った本ですね。
前回の『モモ』は4年前に何度か課題本にしてた作品ですが、今年は出版されてから50年だったこともあり、改めて課題本とさせて頂きました。
実はこの読書会の2日後、3月27日は遠藤周作生誕100周年でした。以前『沈黙』を課題本としていたこともあり、何か他の作品を課題本としようかなともふと思ったのですが、こちらは気づくのが遅すぎました。
『はてしない物語』も勢いにのって一度課題本に選んでたんですが、上下巻2冊であることと、今回の『あしながおじさん』が満席とはならなかったので一旦見送りました。推し本レポートの方の「最後に」にも書きましたが、胃がキリキリ舞いする日々になりそうでしたので、それはなるべく避けたかったもんでして……。「この課題本だったら参加するよ!」といったお言葉を頂けると、よしそれならやってみるか!と私の原動力になりますので、じゃんじゃん提案をして頂けましたら幸いです。
フリートークでは『続あしながおじさん』の話題にもなりました。主人公がジュディからサリーに変わるということで読むか迷ってたんですが、お一人読まれていた方がいて、お話を聞いていると興味がわいてきました!本も貸していただいたので、また読もうと思います。
以上です。
ありがとうございました!