ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(推し本紹介)

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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ブレイディみかこ
新潮社

課題本候補としてあげて頂いた本。以前他の方も推し本披露会で紹介されていて、非常に気になっていた一冊でした。私は基本文庫で購入派なので、「単行本か~。文庫版になるのは2、3年後かな?」なんて購入を躊躇していたのですが、楽天ブックスを眺めていたら6月24日に文庫版が出ることを知り、もう躊躇する理由なんかない!とポチりました!そして読んでみて……なんでもっと早く読まなかったのか!と自分を往復ビンタしたくなりました!

とにかく読んでほしい!そして語り合いたい!日常生活ではなかなか話題になりにくいような内容で話が出来そうで、これは課題本として語り合ったらめちゃくちゃ盛り上がりそうだと思いました。

さて、ここからは作品の内容について触れていきたいところなのです……が!今回ワタクシやっちまいました。普段なら推し本紹介記事を書くまでは読まないようにしてるのですが……ついAmazonのレビューを読んでしまいました。だって、気になったんだもの。概ね絶賛されているし11冠獲得しているので面白さは間違いないんだけれども、そうなると逆に「あかん!」と言われているところを探したくなっちゃうのが性ですよね。そう、つまり私はAmazonで粗探しをしちゃったのであります!なんてやつだ!個人的には大絶賛の本だったんですけれども、そうか、そういう視点で読んでいる方もいるのか、とレビューを読んでいたら勉強になりました。これから私自身が感じたことを書いていきますが、レビューに影響されていないことを祈ります。では行ってみましょう!

さて、この本は主に母親と息子さんとが対話する形で進んでいきます。ブレイディみかこさん(母親)の息子さんが通うことにしたのは元底辺中学校なのですが、そこで起きたことや友人関係について息子さんが相談するという流れです。様々な出来事を通して、英国の貧困、差別、格差、分断……といった問題が身近な問題として迫ってきます。それらの問題に対し、母親が明確な答えをババーンと教えてズバッと解決!みたいな話では……ありません!ブレイディみかこさんもご自身で書かれていますが、

「まるで社会の分断を写したような事件について聞かされるたび、差別や格差で複雑化したトリッキーな友人関係について相談されるたび、わたしは彼の悩みについて何の答えも持っていないことに気づかされるのだった(p7引用)」

常に何かを解決するわけでもありませんし、常に明確な答えが出てくるわけでもありません。正解なんて分からない。けれど、親が考え込んでいる間にも息子さんはぐんぐんぐんと前に進んでいく。息子さんの投げかけた問いに、母親と一緒に読者もハッとすることが多いと思います。ぶっちゃけ、そこまで深く考えてなかった……!ということをバチーンと後ろからはたかれる感じです(ちょっと何言ってるかよく分からない)

多分、同じテーマを取り扱っていても、違う本だったら最後まで読めていなかったと思います。けれど、親子のやりとりという形で書かれているので身近な感じでスラスラと読めました。個人的には親目線で読んでいました。息子さん、めちゃくちゃ考えてるわっ!自分の子どもが同じくらいの年になって色々と聞かれた時、私自身はちゃんと向き合えるかな?と不安になりました(笑)読んでいると、親と子という感じはあまりしなくて、二人の大人が喋ってるという感じにも思えました。それは、ブレイディみかこさんが彼のことを「子ども」とか「自分の息子」という見方で向き合っていないからではないかなーと思いました。一人の人間として向き合っている感じですかね。

個人的に印象的だったエピソードは、息子さんとダニエルとのやりとりでした。ダニエルはレイシスト発言が目立ち、息子さんも最初は衝突しますが、ミュージカルで主要な役を演じた二人はある出来事をきっかけに仲良くなります。(ここら辺の流れはBEASTARSを思い出しました)しかし、やはり発言が目立つため、周囲からはいじめの対象になります。とはいっても、息子さんと同じようにダニエルと直接衝突した人たちは友人として残っています。彼をいじめているのは「彼から何も言われたことも、されたこともない、関係のない人たち」だということです。あー、うん、なんか分かるって感じでした。ここらへんは本を読んで頂いた方とじっくり語り合いたい感じですね。

あとは『エンパシー』という言葉。89ページからの『誰かの靴を履いてみること』という章に出てくるのですが、エンパシーって初めて聞きました。シンパシーとちょっと似てますよね。シンパシーは分かるけど、エンパシーってなんだ?と思ったら、息子さんは試験の問題に「誰かの靴を履いてみること」と答えたと。

シンパシーは「1.誰かをかわいそうだと思う感情、誰かの問題を理解して気にかけていることを示すこと」「2.ある考え、理念、組織などへの支持や同意を示す行為」「3.同じような意見や関心を持っている人々の間の友情や理解」一方、エンパシーは「他人の感情や経験などを理解する能力」だそうです(オックスフォード英英辞典のサイト)ケンブリッジ英英辞典サイトでは「自分がその人の立場だったらどうだろうと想像することによって誰かの感情や経験を分かち合う能力」とのこと。

いつものごとくうまくまとめれませんが、この89~106ページの話はとても印象的で、読めて良かった!と感じる部分でした。なんせ「誰かの靴を履いてみること」っていう表現が良いな~と!

表現が良い~つながりでいうと、239ページに出てくるやりとりも好きでした。ブレイディみかこさんと女性が話をしていて、去り際にいう「またどこかで、お会いしましょう」「ええ、きっとどこかで。あなたとお話ができて本当によかった」というやりとり。英語の挨拶としてはスタンダードな挨拶だということですが、すごく素敵だなあと。仮にもう会うことはなさそうな人と分かっていたとしても「さようなら」っていうよりも「またどこかで」って言いたいですね。実際意外なところでまた会うかもしれませんしね(^^)

……以上です!

とにかく読みやすくて面白いのでオススメです!

まとめとして……この本の良いところは、社会で起きている様々な問題に対して、もう無関心ではいられなくなることですね。それも「無関心でいてはならない……」というネガティブなニュアンスではなく、ポジティブに「もっと知りたい!」と思えること。実際、EU離脱についてもあのあとどうなったかって気になって調べちゃったりしましたからね。もっと知りたい!と思ったからといってすぐに知識が身につくわけではありませんが、気になったことを色々と調べていきたいなと感じました。

そんなこんなで今日は終わります。長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

それでは、またどこかでお会いしましょう!(^^)