びーえるという衝撃

あれはもう12、3年以上前になる。

その頃まだウブでかわいげのあった私は、衝撃のジャンルを知った。

そのジャンルを好きな女子は「ふじょし」というらしい。婦女子?お上品な方なのかしらと思ったら違った。腐ると書いて腐女子。腐ってるって貴方ゾンビじゃああるまいし、一体何を言ってるんだいと思ったのを覚えている。

お上品な人?と、友人に聞いたら「とんでもない!」と返ってきた。お前はウブか、天然か、ウブ天然か!小説を書くのに知らんのか!と罵声を浴びせられた。いやだって知らんし!知らんがな!

そのジャンルはBL。

今では些かオープンになっている気がするが、当時はまだ皆さん世間から目につかぬようひっそりと活動をしていた、はずだ。ネットもそこまで普及していなかった。実際、田舎に住んでいた頃の私はBLという言葉は一度も聞いた事がなかった。ただし、コミケも知らなかったほどなので、私だけが情報に疎かっただけなのかもしれない。

関西に来てから一年目。この友人と、小説を書く仲間たちから教えてもらった。どんなジャンルなの?と聞くと、皆目をキラキラとさせてオススメの作品を紹介してくれた。いくつか実際に読んでみて衝撃を受けたのは確かだ。

私は影響を受けやすい性質である。あ、いや、さすがに現実世界でその経験はないが、BLというジャンルを知ってしまってからは「女性は男性をどう見ているんだろうか……」と思い悩む時期に突入してしまった。女性は男性を恋愛目線で見ていると思い込んでいたのだが、どうやらそれだけじゃないみたいだぞ?という事実に気づいてしまったのである。

そこに追い打ちをかけたのが『となりの801ちゃん』という漫画だ。これは、当時私の周辺では爆発的に人気で、腐女子の方々から我々腐女子の生態を知るために「これを読め!」と推されに推された作品であった。その思考は男性からすると非常に恐ろしいものだった。だって、え、あれとあれで妄想できるの?!妄想力かなわねえ!こわい、こわいよ腐女子……。作品自体はかなりライトで面白いので、機会があれば読んで欲しいが、読んだ男性諸君はもれなく一過性女性恐怖症をこじらせるであろう。自己責任でお願いします←

一体誰が腐女子で、誰が腐女子ではないのか……擬態の上手い彼女らは一切明かさない。男友達と楽しく談笑していたら誰が腐女子目線で見てるのか分かったもんじゃないぜ……ひえええ、やめて!私をおかずにしないで!なんて自意識過剰だった当時の私は一人戦慄した。自分がおかずにされるのを恐れて男友達と距離を置いた。それだけの衝撃!それだけの影響!を受けたのである。男友達と距離を置いたことで結果的に周りに誰もいなくなったのは腐女子のせいだと思っている(自分のせい)

仲間たちと疎遠になってしまってからはBLを読む機会はなくなった。年齢を重ねるにつれて恐れることもなくなった。今では腐男子も認知されてきているし、好きなら好きで良いじゃないって思うけれども、実際まだまだオープンにはしづらいだろう。

読書会で推し本紹介するのも、やはりまだ躊躇してしまう面はあるだろう。そういったジャンルこそ、限定読書会をやってみても良いかもしれない。今のところ限定読書会は漫画限定読書会しかやっていないけれども、色々とやりたい限定読書会はある。BL限定読書会も面白そうだ。問題は私が持って来れる作品は数少ないということだ。まあ一冊あれば何とかなるか!

そんなところで今日は終わろう。

ではまた!