葉桜
橋本紡
集英社文庫
▼内容(「BOOK」データベースより)
高校三年生の佳奈は、書道教室の先生に長い片思いをしている。けれど、先生には奥さんがいた。叶わない思いを胸に、佳奈は日々教室で文字を書く。先生が見せた、知らなかった一面。美人で天才の妹・紗英が抱える、命のリミット。書道に打ち込む同い年の津田くん。周囲の人々に背中を押されるように佳奈のなかで何かが変わってゆく―。春から夏へ、少女から大人へ。まぶしく切ない青春恋愛小説。
読書会で紹介して頂いた本。
橋本紡さん、恐るべし・・・・・・!
橋本紡さんの作品は初めて読みましたが、こうも繊細に人を描けるものかと驚きました!どれだけ驚いたかというと、「どっひゃー」くらい!いや、「どぅっひぃあー!!」くらい!!(私の語彙力よ・・・←)
異性を描くのってすごーく難しいんじゃないでしょうか。男性作家が女性を描くのは特に難しい気がしてます。しかも主人公に据えてしまうと心理描写も含めて事細かに描写しなければならないし、恋愛ものとくれば尚更その時々の心理描写に少しでも違和感があれば読者は離れてしまうものではないのかな、と。物語の世界観に没頭したいのに男性作家の顔が浮かんでしまうと萎えてしまう気も。
本のそでには橋本紡さんの顔写真も載っていて「あ、こんな人なんやー」と思っていたはずなのに、いざ読み始めるとお顔はどこかへと消えていきました。不自然さは何も感じず物語に没頭する事が出来ました。登場人物達がリアルで、佳奈や先生の思いがひしひしと伝わってきました。書道を通じた先生の言葉もとても響くし、読後感も良い。女性が読んだときにどう感じるのか、気になる作品です!!
改めて言います。
橋本紡さん、恐るべし・・・・・・!