ソバニイルヨ
喜多川泰
幻冬舎
東京の読書会で紹介して頂いた本。
読んでみたらオススメしたくなり、前回の大阪の読書会で私も紹介させて頂きました!
勉強が嫌いで、周りからどう思われているかばかりを気にして生活している中学生の物語です。父親はロボットの研究者で、隼人が幼い頃から研究に勤しんでいたため、隼人は父親のことでいじられることもありました。父親に対してちょっと反抗期な感じで、「あんな父親にはなりたくない」と思っています。
ある日、隼人が家に帰ると部屋にロボットがいました。
顔がサッカーボールで出来ていて、頭の上には使い古された銅鍋。胴体の下にはDVDレコーダーといった見た目からしてロボット?なロボット・ユージ。このユージは、長期不在となる父親が隼人のために作ったロボットでした。AIのユージは、最初は喋ることも片言だったんですがテレビを見たりすることで徐々に流暢になっていきます。
このロボット・ユージとの関わりを通して心ほどけていく隼人の姿が描かれています。
印象的だったのは、100ページ以降の「期待しない」というエピソード。
人は無意識のうちに周りの人に期待している。その通りに「動いてほしい」という期待。その通りにいかないとイライラしてしまう。最初から期待していなければ、イライラもしないし、逆に周りには良い人が多いって思える。
「期待しない」という言葉自体は何だかマイナスな印象や諦めの境地みたいな言葉にも感じるかもしれませんが、考え方としてはその通りだなーと思いました。自分自身のことは変えることが出来ても、他者を思うように変えることは出来ませんものね。
他にも140ページの「必要最低限を超える」というエピソード。
読書会で紹介された方が「こうなりたいと思った時に、専門的なことは最低限のこと。プラスアルファ、最低限を超えた先に楽しさがある」と仰っていた部分のエピソードです。勉強って必要?という話から始まるんですが、学生時代自分も勉強って楽しくなくって、やる意味も見出せなかったなーということを思い出しました。むしろ今は日々勉強って感じですが、もったいないことしたな~と(^_^;)最低限を超えた先の楽しさを、学生時代にも味わいたかったものですね!
とまあこんな感じで印象的なエピソードが沢山あり、ラストを迎えます。非常に心に響きますので、オススメです♪