《京都》2024年9月28日(土) 『夜は短し歩けよ乙女』課題本読書会レポート

2024年9月28日、京都で森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』を課題本とした読書会を開催しました。

今回は主催含め10名(女性4名、男性6名)で読書会を開きました。初参加の方が2名でした。お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。

このレポートが初見の方もいらっしゃると思いますので、まずは「読書会について」と「彩ふ読書会の目的」についてご説明させて頂きます。

読書会って何?

読書会とは、ざっくりいうと本が好きな方が集まっておしゃべりをする会です。

「本をたくさん読んでいる人の集まりなんじゃないか……」「かなり知識が必要なんじゃないか……」と思っちゃうかもしれませんが、そんなことはありません。読書量も知識量も必要はなく、必要なのは本が好きであるということだけです。読書好きの交流会=略して読書会と考えてみたら、少しハードルが下がりますでしょうか。

読書会は、本が好きな方にはオススメな会です。

自分一人では手に取らなかったであろう本との出会いがあったり、本の話題を通じて普段接点のない方とお話することが出来ます。

課題本読書会とは?

事前に読了しておいた課題本について語り合う形式の読書会です。
課題本を読書してる最中に感じたこと、読後に感じたこと等を自由に発言しあいます。参加条件は「課題本の読了」のみです。
推し本披露会が「これまで」を共有する機会とするならば、課題本読書会は「これから」を共有する機会となります。同じ本を読了したという体験こそが、まずは大きな意味を持ちます。「これはさすがに読了は厳しいだろう・・・・・・」といった本が選書されるかもしれません。何とか読了したけど、当日特に意見が出ずに沈黙してしまったり話が脱線してしまう可能性もあります。ですが、本を読んでいる間や読書会中の瞬間瞬間を共有していくことが大切だと考えております。

彩ふ読書会の目的

簡単に言えば、関わって下さる方々の「第三の居場所作り」です。

家庭でもない。

職場でもない。

貴方にとっての、第三の場所。

居心地の良い場所。集まれば何だかほっこり出来るような場所。色々脱ぎ捨てられるような空間。そんな「居場所」を作っていきたいなあと思っています。

教養を深めたり、読書の幅を広げるといった事も目的ではありますが、何より一番は集まること。時間や空間を共有していくこと。

集まって顔と顔を合わせれば何か新しいことが生まれてくる事もあるでしょう。新たに興味を持ち始めることや、やりたい事、今までやってみたかったけどやれなかった事に挑戦したくなるかもしれません。まだまだ理想を語るだけになってしまう段階ではありますが、貴方自身のやりたい事が叶う場にもしていきたい。

「彩ふ」は「いろう」と読みます。
色んな価値観を持った方々が集まり、色が美しく交じりあう、というような意味で名付けました。読書会は本関連の集まりではありますが、それは一つのキッカケとして捉えて頂けたらなと思っています。目的としては以上です。

読書会レポート

では、読書会のレポートに戻ります。

読書会に参加する方法はいくつかあります。参加申込方法のページからご確認ください。

お申し込み頂いた方には一週間前に最終確認メッセージが届きます。内容を確認し、当日は受付時間内に会場までお越し下さい。

会場に到着したら受付をしていただきます。PassMarket以外の方は当日現金払いとなりますので、受付時にお支払いをお願いいたします。グループ分けも受付時にお伝えしています。

開始時刻になったら読書会開始です。

まずは司会の私のーさんがご挨拶させて頂きます。その後、皆さんに自己紹介をして頂きます。お名前、普段読まれている本だったり好きな作品や作家さんなど、簡単なもので構いません。

自己紹介が終わりましたら、本の感想に移ります。

今回の課題本は森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』でした。

皆さん会が始まるまでには読了しておられますので、ネタバレを気にする必要なくお話することが出来ます。それぞれ感じることは違いますが、どの意見が正しいとか間違っているという事はありません。同じ作品を読んでも気になる点や印象に残るところというものは違うものです。こういう視点もあるのだ、といった部分をあえて楽しんでみると、この会は楽しむ事が出来るのではないかと思います。

難しい事を言う必要はありませんし、お喋りするのは苦手だと感じる方もいらっしゃると思いますので、無理して発言する必要もありません。

まずはお一人ずつ読んで感じたことを話して頂いて、そのあとはフリートークとなります。時間になりましたら終了です。

当日の流れは以上です。

当日出た意見はこちらです。

・これまでにペンギンハイウェイや恋文の技術、有頂天家族などを読んできたが、実は最初に読もうとしたのはこの本だった。初めて読んだときには挫折してしまっていたが、今回読んでみたらめちゃくちゃ面白かった。先斗町で酒を飲むエピソードが楽しかったし学園祭でのわちゃわちゃ感が好き。

・森見登美彦さんの本はペンギンハイウェイを読んで、次が今回の夜は短し歩けよ乙女なので2冊目。独特な言い回しで読みにくそうとも思ったが、ぐさっと刺さる場面もあって大笑いして思ったより楽しめた。2章の「忙しい~」の部分は刺さる。印象的な言葉を皆さんにも聞いてみたい。

・何冊目かは覚えてないが夜は短し歩けよ乙女を最初に手に取ったのはアニメ化したとき。今回久しぶりに読んだが、映像のインパクトも薄れてきていて原作とよく向き合えた気がする。自分が誰と重ねて読んでいたか。昔は先輩だったが、今は樋口さんに近づいている。4つの話のテイストが違っているが3章あたりはするっと読める方だった。ラストの先輩と乙女が出会う場面のシーンがどういうことだったのかイメージがしにくかった。

・中学生のころに初めて読んだが最初30ページくらいは抵抗があった。あまりにも暇だったので読んだら面白くてはまった。自分自身の人生を変えた一冊。京都のまち全体が森見さんの世界みたいだと感じた。

・太陽の塔をはじめに読んだ。2章の古本買うの好き。本との出会いは一期一会だと思うのは名言。神様は本当にいると思う。出会いたい本とは必ず出会う。

・京都はあこがれのまちという印象がある。言い回しが特殊で入りづらかったが、夜は短し歩けよ乙女は一気読みした。大学生ってこんなんやったなと思い出しながら読んだ。4章275ページあたりのように、内面ぐるぐるしてしまうのは大学生にはよくあるなと。京都を舞台にしながら颯爽としすぎないのが良かった。

・偏屈王の構成が面白い。ゲリラ的なのを即興でやるとか。のりこさんの恋愛良かった。虚実入り混じっている感じが面白いなと思う。羽海野チカさんのイラストの樋口さんを見て樋口さんってこれなの!?と思った。

・森見登美彦さんの本は7冊ほど読んでいる。安定した着地とリズム感が良く臨場感もあった。オタク心をくすぐるシーンもあり、ハッピーエンドは甘ったるいが良い。

・初読み。点字で読んでいたときには入りづらかったが、オーディブルに切り替えたら女の人が朗読しててテンポあってリズムもあって読みやすかった。李白さんの電車のシーンで周囲が騒がしいのとゆったり同居しているのが良かった。糺の森など知ってる場所が出てくるのも読みやすかった。

・中学時代に表紙買いしたが、あ、無理かもと一回やめて、悔しくて読んだ。四畳半を読んで意外と面白いかもとなって色々読むように。何度か読み返している。300ページの樋口さんの「地に足をつけない」が印象的。大学生きらきらしているなと思った。

と、このあたりはお一人お一人にまずお聞きしたことでした。一巡してからはフリートークで時間まで話をします。フリートークではがちがちに話す内容を決めているわけではありませんので、ここまでに出てきた意見を掘り下げたり、新たな疑問、皆に聞いてみたいことなどを話します。

私個人として印象的だったのは、私もそうでしたが意外と最初は抵抗感があったという点。フリートークでも真っ先に話題となりましたが、慣れた今では森見登美彦さんの文章は気にならずに読んでますが、確かになんか一度挫折しちゃったんですよね。特に『夜は短し歩けよ乙女』は有名ですし、皆さん森見登美彦さんの作品を読んでみようと思ったら真っ先に手に取ろうとするんじゃないでしょうか。そして挫折するという流れはもったいないですね。なぜ挫折するのかでは、「頭が良い人が書いた文章」というご友人の意見を教えてくださる方もおられました。参加者の方も仰られてましたが、「流れに身を任せながら」読むのが読み方としては合っているような気がします。内田百閒さんの話や進々堂の話なども印象的でした。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

さて、百聞は一見に如かずですので、ぜひ会場に足を運んで実際にご自身で会を体験して頂けたら幸いです。いやいや、もっと事前に調べておきたい!という方は、下のリンク先に詳しいことを書いていますので、宜しければチェックしてみてください。

課題本読書会は、普段手に取らない作品に挑戦できる機会となります。読んだことがある作品の時に参加するのももちろん大歓迎ですが、「読んでみたいと思っていたけど……」と積読状態になっている本、全くタイトルも知らなかった本にも挑戦してみていただけたら幸いです。締め切り効果がありますので、挫折していた本も意外と読めたりしますよ!

お会いできるのを楽しみにしております。

参加者からのレポート

SNSアカウントをお持ちの方は、ハッシュタグ「#彩ふ読書会」で感想をひとことでも書いて頂けると嬉しく思います。読書会を続けていく上での励みになります。
どうぞよろしくお願いいたします。

最後に

上の方にも書きましたが、主催含め10名(女性4名、男性6名)で読書会を開きました。初参加の方が2名でした。お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。

初参加の方や女性が安心して参加できる空間、男性も楽しめる空間作りに今後も努めてまいりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

毎月参加して下さる方はもちろんのこと、久しぶりに参加したよ~という方々との再会も非常に嬉しいものです。本が好きな方々の第三の居場所作りが目的ですので、「また参加して良いのかな?」「久しぶりだけど大丈夫だろうか?」「前回体調不良でキャンセルしてしまったけど…」といった事はお気になさらず、「あ、この日予定空いてる!参加しよう!」くらいの気持ちで、是非お気軽にご参加ください。

初めて読書会に参加して下さる方々にも「参加してよかった!」「楽しかった」「また参加したい!」と思って頂けるよう努めてまいりますので、宜しくお願い致します。

次回京都での読書会は12/21です。

11月頃に募集開始予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。次回も第1部は推し本披露会、第2部は課題本読書会を予定しています。課題本はアンケートをもとに決めることもありますが、今回は私の独断と偏見で決めさせていただきました。こちらです。

太陽の塔
森見登美彦

内容
彼女はあろうことか、この私を袖にしたのである。巨大な妄想力以外、何も持たぬフラレ大学生が京都の街を無闇に駆け巡る。失恋に枕を濡らした全ての男たちに捧ぐ、爆笑青春巨篇!
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

 横断検索はこちら(外部サイトに移動します)
http://book.tsuhankensaku.com/hon/isbn/9784101290515

また、1月下旬、山科か大津か草津あたりでの読書会開催を目指して、「京滋での読書会開催を考える会(仮)」が発足。既に動き出しております。良ければぜひ下記リンク先をチェックしてみてください。
▶《山科か大津か草津》1月25日(土)か2月1日(土) “読書会” 開催のお知らせ@彩ふ読書会+京滋での読書会開催を考える会(仮)

初参加の方が楽しむコツは「読書会は初めてです」「彩ふ読書会は初めてです」と自己紹介の際に言っていただくことです。私のーさんはお申し込みいただいた時点で分かっていますが、他の参加者の方は知りません。「初めてです」と言っていただけると「よっしゃ!フォローしたろ!」と思ってくださる方ばかりですので、遠慮なく仰っていただけますと幸いです。

以上です。

ありがとうございました!