ページをめくる手がとまらない韓国ミステリー!推し本『誘拐の日』

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以前読書会で紹介されて気になっていた本です。読みたーいとなって手に取ったら期待以上に面白かったので推し本紹介します。

誘拐の日
チョン ヘヨン
ハーパーBOOKS

娘の手術費用のため、やむなく誘拐を決意したミョンジュン。
ところが目的の豪邸から飛び出してきた少女ロヒをうっかり車ではね、その衝撃でロヒは記憶を失ってしまう。
ミョンジュンはとっさに父親を名乗るものの、天才児と評判のロヒに口で敵わずこき使われる。
そんななかロヒの家から両親の死体が発見され、ミョンジュンは殺人の容疑者に――。
韓国で話題沸騰、巻き込まれ型ミステリー!

あらすじは上に引用させていただいたとおりなので、私からは「何が良かったか」を書いていきたいと思います。

あとがきも含めて495ページあるんですが、「どうなるの?これからどうなるの?」と先の展開が気になりすぎて、ページをめくる手が止まりませんでした!というのも、シーンが切り替わる毎、章が変わる毎に最後の一文が毎回気になる一文で終わってるんですよね。「え…?どういうこと?」となって、なかなか一区切りつけにくいくらい、一度読み出したら止めるのが難しい作品でした。引きがうまいってやつですね!!

私が韓国ドラマをいくつか観てることもあるかもしれませんが、文章も読みやすく、舞台や登場人物もイメージがしやすかったです。ドラマになったら面白そうーと思ったら、実際もうありました。まだ観てないですが、12話あるようなのでじっくりまた観たいと思います。

キャラクターが魅力的なのも良かった点です。

主人公のミョンジュンは、あらすじにも「うっかり」と書かれているように、誘拐犯らしくない誘拐犯です。誘拐した相手・ロヒの尻に敷かれるくらいです。ちょっと頼りないお父さんといった感じ。ミョンジュンには小児白血病の娘のヒエがおり溺愛していて、子どもが大好き。誘拐せざるを得ない状況に追い込まれているので、誘拐はダメですがどこかミョンジュンを憎めません。

誘拐された子・ロヒも良いキャラクターをしています。記憶を失ってしまったロヒはミョンジュンを父親だと認識しますが、どこかやはり違和感があって、このバレそうバレないよう取り繕う二人のやりとりが滑稽で面白いです。ロヒはとにかくツンデレ!というか、天才児と言われるだけあって賢いところも見せつつも、時折子どもっぽいところも見せてくれるので、もうなんか可愛い~ってなっちゃいます。

余談ですが、ミョンジュンの娘がヒエで誘拐した子がロヒなので、ここはちょっと混乱しました(笑)

冒頭はミョンジュンとロヒのほのぼのとしたやりとりが続きますが、そのあと警察官サンユンの視点での物語が始まります。ここからぐっと、これは単なる誘拐事件ではなく奇怪な事件であることが分かってきます。というのも、ロヒの家から両親の死体が発見されるからです。ミョンジュンは誘拐しただけなのに殺人容疑もかかってしまいます。

そこから先どう展開していくのかは、ぜひ読んでいただけたらと思いますが、最後に一点だけ、読者としては「ロヒってこの事件が解決しても(両親も死んでいるし)決して元の生活には戻れないんだよな……」というところが、ずっと頭の片隅にあるかと思います。さらに色んな謎が散りばめられていくので、本当どうなるの?どうなるのー!?と思いながら読めると思います。これが本じゃなく、ドラマで毎週放送とかだったら、考察が盛り上がりそうな感じでした。ので、自分で推理しながら読んでみると面白いかもしれません。

以上!!

おすすめです!!