記録用『あの三島由紀夫が様々な作家の文章を語っている贅沢な本『文章読本』』

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子育て世代になってからというもの、なかなか自分の時間を持つことが出来ません。持つには妻との緻密なスケジュール調整が必要となります。私か妻、どちらかが子どもと一緒にいなければなりませんからね。

本屋自体にはよく行ってますが、あらかじめ買う本を決めておいて、制限時間内にパパパッと周って次に買う本の目星をつけておく感じです。ふらっと本屋に立ち寄って時間を気にせず過ごすような時間は、私にとってとても贅沢な時間となりました。

そんな状況ではありますが、年に数回くらいは完全に自由な時間があります。空いた時間どうしよーと考えたときに行きたくなったのはブックオフでした。図書館も選択肢にあがりましたが、期限内に読めないことと返却の必要がでることを考えてしまい、ブックオフに軍配があがりました。ブックオフは中古で安いので、書店と比べて本を買うハードルはぐっと下がります。書店では目星をつけるだけだった本も、ブックオフで見つけたらそくざにカゴにイン、です。久しぶりに寄ったブックオフでは、レジに行く頃にはカゴがいっぱいになるくらい本を買ってました。

去年ブックオフで見つけたのが、今回ご紹介する『文章読本』です。

『文章読本』はシリーズ化してまして、三島由紀夫版の他にも谷崎潤一郎版、丸谷才一版、中条省平版があります。ブックオフには三島由紀夫版と谷崎潤一郎版がありました。どちらも買ったのですが、谷崎潤一郎版は文字が小さくてしかもびっしりだったので、そっと閉じて本棚にインしました。三島由紀夫版もだいぶ寝かしていたのですが、先日文藝賞用に小説を書き上げたこともあり、ついに読もうという気持ちになったのであります。読み始めたらこれが面白くて面白くて!書き上げる前に読んでおけば良かったなと思いましたが、書き上げる前に読んでしまっていたら自分の文章の拙さが気になりすぎて書き上げることが出来なくなっていた気がします。タイミングとしては今がちょうど良い時期だったかもしれません。三島由紀夫版が面白かったので次は谷崎潤一郎版も読んでみようと思います。

2020年に公開された『三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜』という映画がありまして、たまたまNetflixで配信されていたのを発見して観ました。東大全共闘が待ち構える駒場キャンパスに三島由紀夫が乗り込み、討論を繰り広げます。伝説の討論会と呼ばれるもので、私はまだ生まれてもいない時代ですが熱量の凄さに圧倒されました。

『美しい星』を課題本とした読書会も昨年開きました。様々な意見が飛び交い、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。他の作品にはまだ手をつけることが出来ていませんが、これから先読むことは必ずあるでしょう。

三島由紀夫を語るには私自身の知識はとても拙いものです。「三島由紀夫はなんかすごい人」という認識です(この認識だけで拙さはもうお分かりでしょう!)この記事を書くにあたって少しだけ調べはしましたが、書きたくなったから書くというスタイルでやってますので、ご容赦いただければ幸いです。

さて、この『文章読本』は三島由紀夫自身が、小説や戯曲、評論、翻訳の文章について語っています。後半には文章技巧という章もあり、人物や自然、心理、行動等の描写についても詳しく書かれています。

志賀直哉や森鴎外、泉鏡花、尾崎紅葉、梶井基次郎など国内の作家だけでなく、モーパッサンやスタンダール、プルースト、ラディゲ、モーリヤックなど海外の作家にも触れています。勉強になるなあと思うのと同時に、名前のあがった作家の作品を読みたくなりました。積読がマウンテンになりそうです。

一番印象的だったのは、30ページあたりにあった「文章美学の史的変遷」のところでした。二葉亭四迷以後の革命的変化、文章は刻々と変化していくものであること、翻訳的な文章を日本語で書くようになったことで海外の概念が日常生活のなかに入ってきてうんたらかんたら。その中で、戦前ならば翻訳調の文章と思ったものが、今は(三島由紀夫がこの本を書いた時代は)さほど翻訳調の文章と感じないということ。

ここらへんを読んでいて、私はChatGPTの文章を思い浮かべました。芥川賞を受賞された九段理江さんが「全体の5%ぐらいは生成AIの文章をそのまま使っている」と発言したことで話題ともなりましたね。私は職場でChatGPTを使っているのですが、今のところまだChatGPTの作る文章には違和感を持っています。他人の文章を読んでいても「あ、ここChatGPT使ってるな」と、使っている身からすると分かっちゃうのです。ですが、これからChatGPTなどの生成AIで作られた文章がより精度を上げ一般にも普及してくると、違和感を持つこともなくなるのだろうなと思いました。もしかすると文章に対する美の基準も変わっていって、「生成AI文章以前のものはとてもじゃないが読めない」という域にまで達するかもしれません。『幼年期の終わり』なんかも浮かんできましたが、世代が変わるにつれて、この感覚はより違っていきそうな気がします。ちなみに、私以上に文章にこだわりを持つ人が職場にはいるのですが、その人はChatGPTで作った私の文章を読んで「美しい」と表現されてました。『文章読本』を通して、日本語というものを改めて考えさせられる機会となったので、こうして推し本紹介させていただいた次第です。ご興味ありましたらぜひご一読を。

……おやおや、何やらとてもくそ真面目な文章になってしまいましたね。

せっかく読んだし面白かったので推し本紹介したいけど、「三島由紀夫の名前を出す」というプレッシャーが半端なかったのですよ……。ま、たまにはいっか!

そんなところで終わります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!