2023年6月11日、東京で読書会を開催しました。
今回は主催含め21名(女性13名、男性8名)で読書会を開きました。初参加の方が8名でした。読書会再開後は初となる20名以上での開催となりました!お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。
このレポートが初見の方もいらっしゃると思いますので、まずは「読書会について」と「彩ふ読書会の目的」についてご説明させて頂きます。
目次
読書会って何?
読書会とは、ざっくりいうと本が好きな方が集まっておしゃべりをする会です。
「本をたくさん読んでいる人の集まりなんじゃないか……」「かなり知識が必要なんじゃないか……」と思っちゃうかもしれませんが、そんなことはありません。読書量も知識量も必要はなく、必要なのは本が好きであるということだけです。読書好きの交流会=略して読書会と考えてみたら、少しハードルが下がりますでしょうか。
読書会は、本が好きな方にはオススメな会です。
自分一人では手に取らなかったであろう本との出会いがあったり、本の話題を通じて普段接点のない方とお話することが出来ます。
彩ふ読書会の目的
簡単に言えば、関わって下さる方々の「第三の居場所作り」です。
家庭でもない。
職場でもない。
貴方にとっての、第三の場所。
居心地の良い場所。集まれば何だかほっこり出来るような場所。色々脱ぎ捨てられるような空間。そんな「居場所」を作っていきたいなあと思っています。
教養を深めたり、読書の幅を広げるといった事も目的ではありますが、何より一番は集まること。時間や空間を共有していくこと。
集まって顔と顔を合わせれば何か新しいことが生まれてくる事もあるでしょう。新たに興味を持ち始めることや、やりたい事、今までやってみたかったけどやれなかった事に挑戦したくなるかもしれません。まだまだ理想を語るだけになってしまう段階ではありますが、貴方自身のやりたい事が叶う場にもしていきたい。
「彩ふ」は「いろう」と読みます。
色んな価値観を持った方々が集まり、色が美しく交じりあう、というような意味で名付けました。読書会は本関連の集まりではありますが、それは一つのキッカケとして捉えて頂けたらなと思っています。目的としては以上です。
読書会レポート
では、読書会のレポートに戻ります。
読書会に参加する方法はいくつかあります。参加申込方法のページからご確認ください。
お申し込み頂いた方には一週間前に最終確認メッセージが届きます。内容を確認し、当日は受付時間内に会場までお越し下さい。
会場に到着したら受付をしていただきます。PassMarket以外の方は当日現金払いとなりますので、受付時にお支払いをお願いいたします。グループ分けも受付時にお伝えしています。
開始時刻になったら読書会開始です。
まずは司会の私のーさんがご挨拶させて頂きます。その後、皆さんに自己紹介をして頂きます。お名前、普段読まれている本だったり好きな作品や作家さんなど、簡単なもので構いません。
自己紹介が終わりましたら、本の感想に移ります。
皆さん会が始まるまでには読了しておられますので、ネタバレを気にする必要なくお話することが出来ます。それぞれ感じることは違いますが、どの意見が正しいとか間違っているという事はありません。同じ作品を読んでも気になる点や印象に残るところというものは違うものです。こういう視点もあるのだ、といった部分をあえて楽しんでみると、この会は楽しむ事が出来るのではないかと思います。
難しい事を言う必要はありませんし、お喋りするのは苦手だと感じる方もいらっしゃると思いますので、無理して発言する必要もありません。一応皆さんにお話を振らせては頂きますが、何も浮かばなかったら「パス!」と叫んで下さい!あ、パスは三回までOKです。
まずはお一人ずつ読んで感じたことを話して頂いて、一旦休憩し、そのあとはフリートークとなります。時間になりましたら終了です。
当日の流れは以上になります。
ここからは『春琴抄』の話をしていきますので、ネタバレしています。これから読む方はご注意くださいませ。
今回の課題本は谷崎潤一郎の『春琴抄』でした。谷崎潤一郎氏の作品を課題本としたのは2019年10月27日に開催した『痴人の愛』以来ですので、約4年ぶりとなりました。何故課題本にしたかというと、私が久しぶりに谷崎潤一郎の作品に触れたかったからであります。語りたかったからであります。『刺青』『富美子の足』『悪魔』『憎念』とかの短編はちょいちょい読んでるんですけどね。中編・長編となるとなかなか手が出せず、課題本にさせて頂きました。待ちに待った回だぜえ!!
ちなみに『痴人の愛』の時のレポートはこちらです。
さて、私が読んでメモしていた感想はこちらです(メモなので結構雑です…)
再読。最初はAudibleで聴いたので、目を刺すシーンなんかは耳から聴くとうわあってなった。再読すると冒頭のお墓のことで何か泣けてくる。宗旨を変えてまで側を離れまいという佐助の殉情。本当に実在していたかのよう。
文章が綺麗。読みにくいようでいて読み始めるとすらすら読める。ただ耳で聴いたときのほうが句点のところで区切ってくれてたのか聴きやすかった。
佐助が盲目になる経緯を知って読んでるけど、知らなかったら冒頭あたりは「なんかあったんかな」くらいであまり気にもとめない。
11ページ。琴女9歳のころに目見えなくなる
読めない漢字が多くて注解交互に読む
15ページ。瞳の光を一度も見なかったことを幸福。印象が変わるかも
利用者さんの声。たまにかわいそうとか辛くないですかと言われるが、私にとっては生まれつきこれが普通や
17ページ。手びき。実際肌に触れると特別感がある。昔レクで相手の顔を触るみたいなのをしたが、その後も印象に残っている。相手男だが。
てびきが佐助に決まる
18ページ。おしゃべりをしないから邪魔にならない→春琴からしたら分かる気もする
19ページ。一人で厠に行かれてもうええ。引き下がらない佐助さすが。私は無理だ!
再読だけど最後春琴ってどうなったっけ……うろ覚え
21ページ。忠実であるあまり彼女の好むものを自分も好む
22ページ。こっそり練習してたがばれはじめる24ばれる
24ページ。皆の前で披露し感心される。黒髪や茶音頭聞いたことないなあ。私に教養があれば……
25ページ。余暇あれば稽古を励むべし。師弟関係になる。
27ページ。体刑を加えることがあったの例で出てきた三代目越路太夫が気になる。注解、ずぼらで三十七回勘当された?!
29ページ。幾分嗜虐性の傾向があったのではないか。一種変態な性欲的快味を享楽していたのではないか。
佐助叱られ泣きまくる
32ページ。母から苦言。春琴聞かぬ。むしろ佐助声を立てなくなる。今なら虐待かなあ。芸事だから当然と捉えるのか。もやもや。いくら美しいかて好きにはなれ……いや、好きなら耐えられるのかしら。
33ページ。佐助の存在が春琴を増長
春琴16、佐助20歳。結婚ほのめかすが断る。春琴妊娠してる
35ページ。相手が佐助で良かった、あれ?違う?いや、そうだ。春琴認めない。このくだり面白い。
36ページ。子どもよそにやるんかーい
37ページ。淀屋橋!検校が亡くなり春琴から再び師事する
38ページ。目下の者は認めぬ春琴
39ページ。潔癖とわがまま
42ページ。ごはんの世話したり体が冷えないよう温めたり佐助大変
43ページ。足の裏で歯痛のはれた頬を冷やそうとする佐助。わらわとても召使いを労わる道を知らざるにあらず…?年若い女弟子に親切にしたり稽古してやったりすると嫉妬。露骨に表さないけど意地の悪い当たり方してくる。佐助好きやん
44ページ。小鳥道楽。声の稽古をつけてもらうのは知らんかった!
46ページ。うぐいすと比較される門弟一同やりきれんなこれは
うぐいすとひばり
48ページ。物好きな痴漢はいつの世にも耐えない
うちづらの悪い春琴
50ページ。お金に厳しくお鉢は奉公人にまわる。待遇悪い。そりゃ陰口言いたくなる。
52ページ。語り手って誰なんやろ。筆者の知っている老芸人に〜とでてくる。
53ページ。門弟に厳しかったのが復讐を受けた原因?
54ページ。天下茶屋!梅見の宴
利太郎のような人間は厄介
56ページ。自分免許の芸って言葉、面白いな。利太郎ばちで眉間の皮を破られる。それきり来なくなる
57ページ。春琴に危害を加えたものは誰か。北の新地辺に住む某少女の父親?
因果応報かなあ。
58ページ。確かにちょっと傷がついたくらいで春琴を一生相好が変わるほどの危害を加えるのはやりすぎ。違うかも。利太郎っぽい
58ページ。しかし佐助も人の恨みを買ってるとは。妬み嫉みっていつ買ってるか分からんから怖い。そういえば読書会関連でもあるなあ。
60ページ。知らず知らずわざわいの種を八方へまいていた
春琴に何者かが鉄瓶を頭上に投げつける。火傷
61ページ。どう湯をわかしたんだろ
64ページ。縫い針で自分の目を刺す。
黒眼は柔かい。いたたたた。次に右目。もうぞわぞわする
64ページ以降ずっとぞわぞわ。それまでは何ともなかったのに。
72ページ。しゅんおうてんとむつのはな聴いてみたい
74ページ。記憶を失わぬ限り故人を夢に見ることができるが、生きている相手を夢でのみ見ていた佐助
74ページ。最後の一文ってどういう意味?
他の谷崎作品も読みたくなった
聞きたいこと
春琴に危害を加えたのは誰か
読書会で参加者の方から出た話題はこちらです(今回3グループに分かれましたので、私のグループで出た意見です)
・初読み。細雪は挫折してる。20、30ページでリズムがつかめた。純愛もののイメージだがそれだけじゃない気も。
・初読み。衝撃が強かった。違う文化の物語を読んでいるようだった。折檻したりは今の世の中なら「ん?」となる。
・目のところはぎゃあとなった。ラノベみたいな展開。格下少年との甘い恋。お湯をかけた犯人は誰だろう。佐助は目をつぶすけど、その前にやることがあるのでは?私には出来ない。ネット社会では無理では?
・句読点がなくてとっつきにくかったが、装飾過多はなく簡潔に書かれているなと感じた。勝敗のないゲームを見せられている感じがした。美しい春琴。佐助は折檻されている自分が好き。幸せじゃないとこが良かったのでは?作者自身(書いてて)楽しかったのでは。
・何回も読んでいる。句読点がないのは気にならずスッと入ってきた。私はこの文章になりたいと思った。裏表紙のあらすじに「マゾヒズム」とあるがそれは違うのではないか。純愛を美しく描いている。目をつぶしたシーンも自然だなと感じた。春琴がいないことは佐助にとって苦痛だと思った。お湯をかけたのは佐助自身では?歪んだ愛。
・初読み。初谷崎。佐助が琴を始めたのは、春琴と同じことがしたい、同化したいという思いがあったからでは。ストレスもたまっている。泣きたいのは春琴では。父と母はしっかりしていると思った。
・目の見えない、生きづらさってこういうこともあるのかなと思った。二人にしか分からない気持ちもある。
というところが、一巡してお一人お一人に聞いて出てきた感想等でした。ここからはフリートークとなります。
フリートークでは、一巡して出た感想から掘り下げることもあれば新たな疑問について話すこともあります。今回は「お湯をかけた犯人は誰なのか」というところや、佐助自身の感情、描かれていない春琴の感情についての話題も出ていました。あと春琴が亡くなってからも佐助は21年間生きていて、その間何をしていたのか、佐助はなんで死んだのかが書かれていないというところに疑問も出てきました。佐助は春琴が亡くなってからも思いを純化させて、彼なりに楽しんでいたのでは、という意見は印象的でした。あと春琴は「佐助が良い」なのか「佐助で良い」なのかどっちなのか、という意見も面白かったです。
あっという間に時間となり、読書会は一旦締めてお知らせをしました。
これにて読書会レポートは終了です。
参加者からのレポート
読書会に参加していただいた方からのレポートやつぶやきなどです。いつもありがとうございます!
最後に
上の方にも書きましたが今回は主催含め21名(女性13名、男性8名)で読書会を開きました。初参加の方が8名でした。読書会再開後は初となる20名以上での開催となりました!お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。
初参加の方や女性が安心して参加できる空間、男性も楽しめる空間作りに今後も努めてまいりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
毎月参加して下さる方はもちろんのこと、久しぶりに参加したよ~という方々との再会も非常に嬉しいものです。本が好きな方々の第三の居場所作りが目的ですので、「また参加して良いのかな?」「久しぶりだけど大丈夫だろうか?」「前回体調不良でキャンセルしてしまったけど…」といった事はお気になさらず、「あ、この日予定空いてる!参加しよう!」くらいの気持ちで、是非お気軽にご参加ください。
初めて読書会に参加して下さる方々にも「参加してよかった!」「楽しかった」「また参加したい!」と思って頂けるよう努めてまいりますので、宜しくお願い致します。
次回の東京での読書会は7/15です。ぜひご参加くださいませ!
▶《東京》7/15(土) 彩ふ俱楽部@初心者ボードゲーム会 開催のお知らせ
次回は初の試みとしてボードゲーム会を行います!ぜひ参加ご検討ください。
以上です。
ありがとうございました!