《東京》2023年4月15日(土) 『キップをなくして』課題本読書会レポート

2023年4月15日、東京で読書会を開催しました。

今回は主催含め14名(女性3名、男性11名)で読書会を開きました。初参加の方が2名、第2部初参加でそのまま第3部も参加された方が1名、2回目の参加の方が2名でした。お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。

このレポートが初見の方もいらっしゃると思いますので、まずは「読書会について」と「彩ふ読書会の目的」についてご説明させて頂きます。

読書会って何?

読書会とは、ざっくりいうと本が好きな方が集まっておしゃべりをする会です。

「本をたくさん読んでいる人の集まりなんじゃないか……」「かなり知識が必要なんじゃないか……」と思っちゃうかもしれませんが、そんなことはありません。読書量も知識量も必要はなく、必要なのは本が好きであるということだけです。読書好きの交流会=略して読書会と考えてみたら、少しハードルが下がりますでしょうか。

読書会は、本が好きな方にはオススメな会です。

自分一人では手に取らなかったであろう本との出会いがあったり、本の話題を通じて普段接点のない方とお話することが出来ます。

彩ふ読書会の目的

簡単に言えば、関わって下さる方々の「第三の居場所作り」です。

家庭でもない。

職場でもない。

貴方にとっての、第三の場所。

居心地の良い場所。集まれば何だかほっこり出来るような場所。色々脱ぎ捨てられるような空間。そんな「居場所」を作っていきたいなあと思っています。

教養を深めたり、読書の幅を広げるといった事も目的ではありますが、何より一番は集まること。時間や空間を共有していくこと。

集まって顔と顔を合わせれば何か新しいことが生まれてくる事もあるでしょう。新たに興味を持ち始めることや、やりたい事、今までやってみたかったけどやれなかった事に挑戦したくなるかもしれません。まだまだ理想を語るだけになってしまう段階ではありますが、貴方自身のやりたい事が叶う場にもしていきたい。

「彩ふ」は「いろう」と読みます。
色んな価値観を持った方々が集まり、色が美しく交じりあう、というような意味で名付けました。読書会は本関連の集まりではありますが、それは一つのキッカケとして捉えて頂けたらなと思っています。目的としては以上です。

読書会レポート

では、読書会のレポートに戻ります。

読書会に参加する方法はいくつかあります。参加申込方法のページからご確認ください。

お申し込み頂いた方には一週間前に最終確認メッセージが届きます。内容を確認し、当日は受付時間内に会場までお越し下さい。

会場に到着したら受付をしていただきます。PassMarket以外の方は当日現金払いとなりますので、受付時にお支払いをお願いいたします。グループ分けも受付時にお伝えしています。

開始時刻になったら読書会開始です。

まずは司会の私のーさんがご挨拶させて頂きます。その後、皆さんに自己紹介をして頂きます。お名前、普段読まれている本だったり好きな作品や作家さんなど、簡単なもので構いません。

自己紹介が終わりましたら、本の感想に移ります。

皆さん会が始まるまでには読了しておられますので、ネタバレを気にする必要なくお話することが出来ます。それぞれ感じることは違いますが、どの意見が正しいとか間違っているという事はありません。同じ作品を読んでも気になる点や印象に残るところというものは違うものです。こういう視点もあるのだ、といった部分をあえて楽しんでみると、この会は楽しむ事が出来るのではないかと思います。

難しい事を言う必要はありませんし、お喋りするのは苦手だと感じる方もいらっしゃると思いますので、無理して発言する必要もありません。一応皆さんにお話を振らせては頂きますが、何も浮かばなかったら「パス!」と叫んで下さい!あ、パスは三回までOKです。

まずはお一人ずつ読んで感じたことを話して頂いて、一旦休憩し、そのあとはフリートークとなります。時間になりましたら終了です。

当日の流れは以上になります。

ここからは『キップをなくして』の話をしていきますので、ネタバレしています。これから読む方はご注意くださいませ。

今回の課題本は池澤夏樹さんの『キップをなくして』でした。

私が読んでメモしていた感想はこちらです(メモなので結構雑です…)

キップをなくして

7ページ。電車どこに立つ?座る?

8ページ。浜松町と有楽町の間に新橋。町が続けばすっきりするのに確かに

10ページ。中学生の女の子?登場。駅の人に言って外へ出してもらうつもりが。

13ページ。駅員の武井さん

15ページ。 5人ほどの子供がいる。主人公はイタル

16ページ。 中学生の女の子はフタバコ

17ページ。キミタケ、ミン、ユータ

19ページ。イタル、ガム吐き出す。そりゃあかん。太田さん誰?

21ページ。ロックとポック

24ページ。フタバコさんがいるならいっか、と思ってしまうイタル

26ページ。家族にはちゃんと連絡が行ってる。どうやって?

28ページ。職員食堂が7つある。言われてみればそうか。考えたことなかった。

30ページ。ポックは特別に見えない。なんで?といった感じで気になって続きが気になる

31ページ。着替えは遺失物で保管期限が切れたものから選べる。駅でものなくすことある。傘とか。着替えもある?

38ページ。電車通学の生徒を守る仕事

42ページ。全員が時を止めれるのか

48ページ。速くて駅名読めない分かる。たまに居眠りしてどこやって見るけど駅名分からないときがある

49ページ。甲州焼肉弁当食べたい。東京からはどこでも行けるなあ

50ページ。駅員や売店のお姉さん、駅の子と分かる。元駅の子だったとか?

ミンちゃん何も食べてない。何かありそう

51ページ。四ツ谷に行く。行き方たくさん。泉と緑と馨詳しい。私知らん

61ページ。実体験があるから頭に入りやすいのはある

67ページ。ごはんを食べないミンちゃん。死んだ子だと判明

ミンちゃんの話

77ページ。ザ・ステーション・マスター

80ページ。D51をデゴイチ読みかっこいい。なんかくすぐられる。ニコイチとはまた違うな

「たくさんキッテ持っててもキップなくしちゃダメじゃないか」痛いとこ突かれる

82ページ。黙なポック

85ページ。手のひらがじっとり汗ばんでいる。そういえば東野圭吾の作品には脇汗のことよくかかれてる

88ページ。ポックにも何かありそう。一人だけ気配が消せる

94ページ。タカギタミオ

96ページ。キップじゃない。定期だ!繰り返してる

103ページ。駅名全然読めない。大阪にもある。十三、放出とか

そういえば環状線もある。

110ページ。キミタケさんがここを出ることに。それぞれのお家に事情がある?

113ページ。田町でも読書会やったような。新富は出てくるかな?

115ページ。日暮里のこと。イタルの甲州焼肉弁当のときのように、タカギタミオにとってハッとなった瞬間かな?

118ページ。山手線読書良いな。電車で読書会とか楽しそう。迷惑か!

119ページ。中学生フクシマケン

結構登場人物多いはずなのに結構覚えてる

127ページ。キップをなくした場合の出る方法。そうか、みんな知らなかったのか。
タカギタミオやフクシマケン入ってきてキミタケさん抜けて、以前の秩序とは違う感じ

138ページ。フクシマケンはこの集団にとっては余計なことを言ってしまったんだな…

154ページ。皇族専用の待合室とかあったんだ!

155ページ。駅長は殉職者

168まで駅長が質問に答える。このくだり好きだなあ

176ページ。親にはどう伝わってるんだろう?

ミンちゃん天国に行くかどうか決めるのってめっちゃ決断いる気がするなあ。自分だったら考える暇もなく行きたい

186ページ。ミンちゃんがママに会いに行く

193ページ。赤ちゃんのくだりは泣ける

201ページ。天国に行く決心して駅長さんに言うミンちゃん

207ページ。みんなで春立へ

220ページ。キミタケさんと再開。フタバコさんは気が張ってたんだろうなあ

223ページ。東京駅にラーメン屋は今もない?確かに蕎麦とうどんのイメージ

227ページ。五稜郭ときくとゴールデンカムイが出てくる

247ページ。SLって乗ったことないなあ

253ページ。グランマ登場

254ページ。死ぬのには準備がいる

256ページ。人の心は小さな心の集まりからできている。コロッコ。集合体という考え方

259ページ。八年の生命を八年分として受け取って。自分にできるかな

死ぬのが怖いという意識。薄れてきた感覚がある。
妻は子供が生まれてからはむしろ死ぬのが怖くなった

264ページ。ミンちゃんとの別れ

270ページ。ここらへんの路線は分からぬ

274ページ。解決の冒頭好き。読者は多様な読み方をしていく自由がある

275ページ。昭和で書かれてることが怪しいと書かれてる。気づかなかったが発行は平成21年

277ページ。時代設定。最後の夏休みに北海道旅行がくるように設定されてた!なるほど!

解説面白かった!もっと読みたかったな

読書会で参加者の方から出た話題はこちらです(今回2グループに分かれましたので、私のグループで出た意見です)

・初めて読む作家さん。この手触りの本は久しぶり。子どもが主役の本は小学生以来?色んな意味で優しい本だなと思った。ミンちゃんの「今は私を忘れて、でも私のことを忘れないで」が印象的だった。

・名前は知っていたが読んだことはなかった。家に帰れないなんて嫌だと思うと思う。つっこまれそうなところだが触れていないのが気になった。

・親や家庭のことが書かれていないので何でだろうと思った。未来への希望とかのメタファーか?DVなどが絡んでいる?フクシマケンは自ら駅の子になった。絶望の中の子どもがコミュニティかな。

・もっと制約があっても良かった。道筋を飛ばしちゃってる。ただ、自分が子どもだった時に読んでいたら、あまり詳しく書かれてないからこそワクワクするなと思った。大人になると引っかかっちゃうんだろうな。

・池澤作品は初。ファンタジーやノスタルジー。今はない路線が出てくる。駅長がやり始めて30年ということは900人ほど駅の子はこれまでいたことになる。どう説明しているのか。

・タカギタミオとフクシマケンの関係がトトロにあったメイちゃんみたいな。タカギタミオが知らないうちにフクシマケンに心を開いている。駅の子になっていく過程が、イタルの場合は分かりにくかったが、最初は知ったかぶりをしていたけど後半はにっぽりってなんですか?と聞いたりしている。

というところが、一巡してお一人お一人に聞いて出てきた感想等でした。ここからはフリートークとなります。

フリートークでは、一巡して出た感想から掘り下げることもあれば新たな疑問について話すこともあります。今回は私自身ハッとなった「駅の子は過去に900人いる」という部分から。なるほど、こういう風に計算はしなかったので、これだけいたら都市伝説か何かになっていそうな感じもしますね!描かれていない部分について考察するのも面白そうでした。

あとはフクシマケンについて。彼はキミタケさんが抜けたあとに新たに駅の子に自らなった男子ですが、ここらへんから駅の子のコミュニティの空気がちょっと変わります。フクシマケンは、キップをなくした場合の出る方法をさらっと皆に伝えます。それまで触れてこなかった部分に事実や正論を突きつけてくる彼は、他の人物とはちょっと印象が違います。けれど、彼が入ってきたことによって「客観的な視点で見れるようになった」とコメントされた方もいて、なるほど、そのために物語に登場してきたのかなとも思いました。リアリティ(フクシマケン)vsファンタジー(みんな)の構造があって、フクシマケンは正しいことを言っているけれどファンタジーに敵わない。会社だったら活躍しそうだけど、学校の風土においてはいじめられてたのは分かる…というご意見もあって、確かに分かってしまう部分でもありました。頭良いから「こうしたら良いじゃん」とつい言ってしまうけど、キャッチボールにならなくて「なんだあいつ」ってなっちゃう的な感じ。

お葬式は生きている人のためにある、というご意見も頷くばかりでした。

ミンちゃんについても、駅の子になって一年も経っていないのに決断できるのはすごいという話にもなりました。実際、私自身だったら駅の子にならず、死んだらすっと天国に行きたかったなと思いました。駅の子になってしまったら、もうずっとこのままでいたいと思ってしまいそうです。ミンちゃんは小さいから決断出来たのかな?というご意見もありました。

あとフタバコさんがキミタケさんに抱きつくシーン。これについてはバイトにたとえたお話があって、バイトリーダー(キミタケさん)が忙しいのに抜けて次期バイトリーダー(フタバコさん)は相当大変だっただろう……そこから駅の子をバイトに例えた話で盛り上がりました。

映画化したら面白そうというご意見もありました。キヨスクとキオスクの違い。現代に駅の子になったら楽しそうなんてご意見もありました。

あっという間に時間となり、読書会は一旦締めてお知らせをしました。

これにて読書会レポートは終了です。

参加者からのレポート

読書会に参加していただいた方からのレポートやつぶやきなどです。いつもありがとうございます!

最後に

上の方にも書きましたが、主催含め14名(女性3名、男性11名)で読書会を開きました。初参加の方が2名、第2部初参加でそのまま第3部も参加された方が1名、2回目の参加の方が2名でした。お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。

初参加の方や女性が安心して参加できる空間、男性も楽しめる空間作りに今後も努めてまいりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

毎月参加して下さる方はもちろんのこと、久しぶりに参加したよ~という方々との再会も非常に嬉しいものです。本が好きな方々の第三の居場所作りが目的ですので、「また参加して良いのかな?」「久しぶりだけど大丈夫だろうか?」「前回体調不良でキャンセルしてしまったけど…」といった事はお気になさらず、「あ、この日予定空いてる!参加しよう!」くらいの気持ちで、是非お気軽にご参加ください。

初めて読書会に参加して下さる方々にも「参加してよかった!」「楽しかった」「また参加したい!」と思って頂けるよう努めてまいりますので、宜しくお願い致します。

次回の東京での読書会は5/13です。ぜひご参加くださいませ!

▶《東京》5/13(土) 推し本披露会 開催のお知らせ

▶《東京》5/13(土) ミステリー限定読書会 開催のお知らせ

▶《東京》5/13(土) 『車輪の下』課題本読書会 開催のお知らせ

次回は初の試みとしてミステリー限定読書会を行います!ミステリー小説だけでなく「小説ではないけどミステリー要素もある本」でもOKですので、ぜひご検討ください。

あと、5/13分からは読書メーターからのお申込みも可能となります。参加申込方法は8種類ありますので、使いやすいものでぜひお申込みください。

▶参加申込方法のご案内

以上です。

ありがとうございました!