「あの時ああしていれば」・・・・・・誰もが一度は考えることじゃないでしょうか。あの時あんな事を言わなければ、あの時いつも通りにしていれば、あの時までにこんな知識を備えていれば・・・・・・あの時あの馬を選んでいれば万馬券!!とかとか(; ・`д・´)
自分にとって一番の分岐点だったなーと思うのは、高校卒業後に大阪に行くか東京に行くかを選んだことです。あの時に東京を選んでいれば全然違う人生を歩んでいたでしょう。住む場所が違ってるわけですからね。出会う人々も違っているし、見た目や考え方も今とは全然違った大人になっていたかもしれません。その方が良かったかもーとかは思わないけれど、どんな自分になっているかは見てみたいですね。パラレルワールドってちょっと惹かれるところがありますであります。
さて、そんな風に「あの時・・・・・・」って想像を膨らませることは誰しも一度はあると思うんですが、その「あの時・・・・・・」を形にしているのがこちら!
森へ行きましょう
川上弘美
日本経済新聞出版社
今回の推し本「森へ行きましょう」です。
読書会で紹介して頂きました。
「るつ」という名前の女性が出てきます。
漢字で「留津」という女性と、カタカナで「ルツ」と呼ぶ女性。二人の女性の生まれた時から約半世紀の人生が交互に描かれています。パラレルワールドなんですが、生まれた時点で少し違う部分があったりします。その環境下の影響があるのか、それとも生まれてから出会う人々との接した度合いなどによるものなのか、一見小さな違いに思えることなのに二人の人生は次第に大きく変わっていきます。けれども微妙に重なり合う部分もあったりして、非常に面白いお話です。
さきほど自分自身の大きな分岐点として「大阪」か「東京」に行くかを選んだことと書きましたが、そこに至るまでにも沢山の分かれ道の中から道を進んできたのだなあと、この本を読んで感じました。その時点で地元に残るって選択肢は除外していたわけですけど、別の分かれ道を選んでいたら、もしかすると「地元に残る」っていう選択肢も存在していたかもしれません。考えて選んでいることもあれば、無意識に選んでいることもありますし、自分自身でどうにか出来ることもあれば、自分ではどうしようもないことで選択が決まってしまうこともある。人生って選択の連続。分岐点だらけ。確かに道は何本にも分かれてる。まさに森の中を歩いているような感じ。
今の自分が自分であるのは小さな選択をし続けてきた結果なのだなあと、「留津」と「ルツ」を通して気づかされます。女性視点ではありますが、男性でも楽しめる一冊。オススメです♪
《文:nonono》
《読書会に参加してみませんか?》
本が好きな人のための読書コミュニティ「彩ふ読書会」に参加しませんか?
本が好きな方ならどなたでも参加出来ます。