黒と茶の幻想 上・下
恩田陸
講談社文庫
読書会で紹介して頂いた本。
恩田陸さん、ドミノを読んで面白い作家さんだ!と思っていたんですが、めちゃくちゃ作品が多くてどれを読んだら良いやらと迷っておりました(^_^;)1年半くらい←
次に読むとしたら「蜜蜂と遠雷」かなーと思ってはいたのです。直木賞と本屋大賞をW受賞されてますし。しかし、なかなか分厚い・・・W受賞だしアメトークの読書芸人でもオススメされてたし、面白いのは分かる。が、何せ分厚い・・・・・・。
他の作品でオススメないかなー。
あと一押し欲しい!誰かに後押しされたい!
恩田陸さんの作品に触れるキッカケが欲しい!
…・・・と、ぼんやりと思っていた所コメントを頂きまして、さらには読書会でも紹介して頂きまして、よし!これは読むぞ!と決意しました。
読んだのは黒と茶の幻想!
学生時代に同窓生だった男女四人のお話です。思慮深い利枝子と蒔生、おしゃべりな彰彦と節子。四人の視点で物語は描かれています。
Y島に旅行に来た四人。昔話に花を咲かせたり、過去にあった小さな事件や美しい謎を追究したりしながら伝説の桜を探します。森の中を歩きながら四人がお喋りするんですが、本当に仲の良い友達でお喋りしてる感じがあって素敵でした。何気ない会話なんですが、すごくイイんです。心理描写も素敵なフレーズのオンパレードでぐいぐいと引き込まれていきます。
恩田陸さんって男性女性どっちだと思います?
名前だけだとどっちなのか判断つきませんよね、たぶん。
この記事を書く前にちょろっと調べてどちらなのか知りましたが、作品を読んでいる間はどっちなのか分かりませんでした。作家名でも分からないし文章でも分からないし、本当「どっちだ?」って感じでした。
もし恩田陸さんが男性か女性かまだ知らない方は、調べる前に作品を読んでみるのも面白いと思いますよ♪調べるのはいつでも出来ますからね。
男性作家が書かれる女性、女性作家が書かれる男性って何となく分かる時があるんですが、男女四人とも見事に書き分けられておられます。違和感がない。男女どちらの目線でも書けるのってすごい。
自分は男なので彰彦と蒔生に感情移入したんですが、ワイは……彰彦や!蒔生や!と(笑)結構共感しつつ読みました。
彰彦が蒔生を責めれない気持ちだったり、蒔生が彰彦に抱く感情、蒔生が利枝子に対して抱く感覚だったりがすごく分かってしまう。表に出す出さない、行動に移す移さないってのはありますけども、やっぱり人間ですからそういった感情を抱く瞬間ってのはどうしたってあるものです。そういった感情を抱く時期だったり一瞬を丁寧に描写されているからこそ、共感出来るのかな?
恩田陸さん、今後も読んでいきたいと思います(^^)
「三月は深き紅の淵を」を買ってるので次はこれかな?あとは解説読んでたら「麦の海に沈む果実」 も読みたくなってきました。あとは蜜蜂と遠雷もやはりそろそろ挑戦しなければなりますまい。
《文:nonono》
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