「関西在住なのに東京でも読書会を開催している」という自分でもよく分かっていなかった長年の謎が解けてスッキリした話@『「ない仕事」の作り方』

こんにちは。のーさんです。
2024年からはnoteを本格的に使用しています。
推し本紹介やコラムはあちらで更新していますので、良ければフォローをお願いいたします。こちらの記事は、noteが使えなくなった場合に備えた記録用です。

noteのアカウントはこちらです。

ののの@彩ふ文芸部(彩ふ読書会)
https://note.com/iro_doku

タイトルが長くなってしまいましたが、今日は長年の謎が解けた話をしたいと思います。7年越しに……謎が解けたよ!!

彩ふ読書会は2017年11月に大阪でスタートし、2018年からは東京でも読書会を行うようになりました。コロナ禍となる前には名古屋、横浜、神戸あたりでも開催していました。福岡でも開催しようとしましたが、参加者が集まらず断念しました。京都は不定期開催で続いています。

なぜ、遠方でも読書会を開催しようとするのか?

自分が楽しむだけなら家の近所でやれば良いわけで、わざわざ遠くでやる必要はありません。近所だと人が集まらないから、ということだとしても、関西在住なら真っ先に候補としてあがるのは大阪です。大阪でスタートしましたが、そこからなぜさらに遠方に、しかも東京だったのか。

参加者の方々にとっても私の行動は謎で、たまに「なぜ東京でも読書会を開催しようと思ったんですか?」と聞かれることがあります。

そう聞かれたときの答えは用意してます。

「東京が俺を呼んでいたから(キリッ)」

です!!

「答えになってませんね」とつっこまれたのは記憶に新しいところです。

付け加えると、まずは大阪で開催したときに非常に楽しかったのが大きいです。「自分でもやれるんだ」という手応えもあり、それならどこまでできるのか、と試してみたくて東京で開催してみた部分があります。

住んでいるところによって読書好きに違いはあるのか、なんてのも気になるところでした。結果、微妙に異なる点もあるけれど、関西でも東京でも読書が好きな人に違いはないことが分かったのですが、それはやってみないと実感できない部分でした。

いざ東京で読書会を開催したところ、皆さんが優しく迎え入れてくれたおかげで定期的に開催することができました。予約していた会場がダブルブッキングされていて急遽会場変更するトラブルがあったり、上中下三冊を課題本にするという無謀な回があったり、コロナ禍で休止せざるをえないというピンチがあったりしましたが、それらを乗り越えて、今日があります。

始めたきっかけは「好奇心」で、続けている理由としては、「読書会がきっかけで繋がった人たちと繋がり続けたいから」かなと思います。

とまあ真面目な回答も考えているわけですが、あまりしっくりは来てなかったんですよね。なんか真面目ですし。それで納得されても私真面目な人だと思われちゃうだけですし、なんか面白くないです。そんなわけで大体「東京が俺を呼んでいたから(キリッ)」と答えていたのでした。スベってますけどね!!

4/19、東京でみうらじゅんさんの『「ない仕事」の作り方』を課題本とした読書会を行いました。最近はアンケート投票形式で課題本を決めているので、私も読んだことのない本が選ばれることがあります。当日までに読めるのかというヒリヒリ感も味わいながら、私自身、当日も当日に向けても読書会を楽しんでいます。

課題本は小説が選ばれることが多いのですが、今回は珍しく小説ではありませんでした。しかも投票では1位でした。一応ビジネス書に分類されるようで、一体どんな本なのかしらと読んでみました。みうらじゅんさんが名付けた「ゆるキャラ」や「マイブーム」の話だったり、「アウトドア般若心経」や「いやげもの」なんかの話が書かれていました。誰もが真似できるかというと難しい点もありますし、時代性も感じたりはしましたが、発想の仕方が面白く、あ、みうらじゅんさん好き!となりました。「そこがいいんじゃない!」という視点は常に持っておきたいなとも思いました。重い言葉をポップにする「〇〇プレイ」という考え方も面白かったです。読書会では、職場で使いづらい有給を消化する際に「有給プレイをしている」と考えるようになったという方がおられて、私も参考にして早速4月下旬から使い始めました。

本の中には、「自分を洗脳する」という項目がありまして(46ページ)、みうらじゅんさんは天狗のグッズを必死に集めていた時期のことを語っています。周囲からも天狗好きだと知れ渡り、天狗に関する仕事ももらうようになり、いつしか「膨大な天狗グッズ、邪魔だなあ」という気持ちが消えていたというエピソードです。

そのエピソードに触れているとき、参加者の方から言われました。

「のーさんが東京でも読書会をやってるのって、そういうことなのでは?」と。

……そうか。

そうか!!

そういうことだったのか!!

私の中では長年の謎だったものが、ついに解決した瞬間でした。

そう、私は……自分が読書会好きであるのだと自分で自分を洗脳していたわけであります!!その重たい愛を「距離」という計測可能なもので!神戸で!京都で!名古屋で!横浜で!東京で!福岡で!開催しようとしていたのであります!!

腑に落ちました。

いやー、これだから課題本読書会はやめられませんね!誰かのふとした発言でハッとなる。こういう瞬間がたまにあるんですよねー。スッキリしました。

アイドルを推してる人が遠征に行ったりするじゃないですか。あれと感覚的には近いのかもしれません。私にとって、「読書会」は推し的存在なんですよね。その中でも、自分で立ち上げた「彩ふ読書会」は最推しといいますか、そんな感じです。読書会って面白いんだよ!ということをとにかく主張したい。彩ふ読書会でも良いしどこの読書会でも良いから、とにかく体験してもらいたい!けど、47都道府県どこでもやっているわけじゃないから、そもそも体験してもらえない人もいる。ないの?なら、私が行きますよ、と。最推しの彩ふ読書会とともに行きますよ、と。それが「47都道府県全てで……いや、地球上で、いや、宇宙全土で開催したい!」という発言につながります。ただ、現実的にはそこまでの認知度力がないから、例えばいきなり鳥取でやると言い始めても人が集まらない。福岡でも無理でしたしね。開催実績を積み、主要都市から徐々に輪を広げていけたら良いなと。そんな風に戦略を立ててみるわけです。読書会に参加したことのない人にほど読書会の面白さを体験してもらいたい!そしてどんどん広めていってもらいたい!!そういう思考で当てはめてみると、なぜ初参加の方を常に受け入れ続けているのか、なぜ推し本も課題本もやっているのかなんてことも、全て説明がついちゃいました。なんせ読書会が好きなんですよねー。

読書会に実際に参加するまでに半年かかった経緯とか、関西ではあまり読書会自体がなくて、ようやく「これだ!」という読書会を見つけて参加して実際に体験できた楽しさとか、そういう体験が出来たのは、私がたまたま関西在住だったからですが、もし地元にいたら読書会という存在は知らないまま人生を終えていたかもしれません(田舎なので)。知ったとしても、都会でやってるような会だと思って自分とは縁がないもんだと思って、やっぱり参加できないまま人生を終えていたかもしれません。そして、そういう人はかなり多いだろうなと。そんな風に自分の体験から思うわけです。実際は東京には読書会がたくさんあって読書会文化もありましたし、現在は全国各地で読書会は増えてきた印象があります。ただ、やはりゼロの県もあります(読書メーター調べ)

彩ふ読書会+とか同人誌を作ろう会なんかも行ってはいますが、まずは大元の読書会ありきなわけです。ここが崩れてしまうと、多分、全て崩壊するなと感覚的には思っていましたが、多分崩壊するんだろうなと今回思いました。ビジネスっていう感覚はあまりないですし、何なら発端としてはコミケあたりのほうが感覚としては近いです。同人誌を作るようになってからはややこしいですが、私の中では読書会はコミケに近い感覚なんですよねー。

というわけで、自分で自分を洗脳していっていることが分かったわけですが、それが分かったからといって蛙化現象が起きるわけでもなく、「別に良いじゃん。好きなんだから!」という思考で落ち着いています。あーだこーだと読書会中のことは常に考えてますし、試行錯誤しながらやっていけるのは楽しいですしね。

彩ふ読書会と向き合うときには二種類の私がいまして、一つは一参加者(プレイヤー)としての私です。こちらは情熱タイプとでもいいましょうか。私自身も課題本を読み、推し本を選び、当日も当日に向けても読書会を楽しんでいます。もう一つは主催としての私です。こちらは冷静タイプ。皆さんが楽しめるよう試行錯誤したり準備をしたりしています。情熱と冷静のあいだを行き交う感じでバランスが取れているのかなとも思いますが、片方が欠けてしまったときや片方に偏りすぎたときにどうなるか、というところもあります。なってみないと分かりませんが、一方で、みんな楽しんじゃってよ、という第三の私もいたりします。プレイヤーでもなく主催でもなく、まあどちらかというと主催寄りではありますが、「私のいないところでも読書会関連のことで楽しんでくれている状況」が嬉しいと感じる私もいます。「おう、ややこしいことはやっとくからよ、気にせずみんな楽しんじゃってよ」という精神は自己犠牲でも何でもなかったりはするんですよねー。この書き方だと「気にせず」って部分に若干の構ってほしいアピールを感じてしまうかもしれませんが、全くありません。他人にとってはややこしいとか苦手だと感じてしまう部分が、案外私は得意分野だったりするのだと、彩ふ読書会関連や仕事関連で気づいた次第でして。そういう形で読書会を支援できたら、それはそれで良いかなとか考えたりします。まあまた考え方は変わってるかもしれませんし、第四の私が出てくるのかもしれませんけどね。この先どうなるでしょうね〜。それも含めて楽しみです。

さて、そんなわけで。

長年の謎も解けましたので、もしまた「なぜ東京でも読書会を開催しようと思ったんですか?」と聞かれたら、これからはこう答えようと思います。

「読書会推しの人間による布教活動です!」