《東京》2023年5月13日(土) 推し本披露会(読書会)レポート

2023年5月13日、東京で読書会を開催しました。

今回は主催含め9名(女性3名、男性6名)で読書会を開きました。初参加の方が4名、2回目の参加の方が1名でした。お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。

このレポートが初見の方もいらっしゃると思いますので、まずは「読書会について」と「彩ふ読書会の目的」についてご説明させて頂きます。

読書会って何?

読書会とは、ざっくりいうと本が好きな方が集まっておしゃべりをする会です。

「本をたくさん読んでいる人の集まりなんじゃないか……」「かなり知識が必要なんじゃないか……」と思っちゃうかもしれませんが、そんなことはありません。読書量も知識量も必要はなく、必要なのは本が好きであるということだけです。読書好きの交流会=略して読書会と考えてみたら、少しハードルが下がりますでしょうか。

読書会は、本が好きな方にはオススメな会です。

自分一人では手に取らなかったであろう本との出会いがあったり、本の話題を通じて普段接点のない方とお話することが出来ます。

彩ふ読書会の目的

簡単に言えば、関わって下さる方々の「第三の居場所作り」です。

家庭でもない。

職場でもない。

貴方にとっての、第三の場所。

居心地の良い場所。集まれば何だかほっこり出来るような場所。色々脱ぎ捨てられるような空間。そんな「居場所」を作っていきたいなあと思っています。

教養を深めたり、読書の幅を広げるといった事も目的ではありますが、何より一番は集まること。時間や空間を共有していくこと。

集まって顔と顔を合わせれば何か新しいことが生まれてくる事もあるでしょう。新たに興味を持ち始めることや、やりたい事、今までやってみたかったけどやれなかった事に挑戦したくなるかもしれません。まだまだ理想を語るだけになってしまう段階ではありますが、貴方自身のやりたい事が叶う場にもしていきたい。

「彩ふ」は「いろう」と読みます。
色んな価値観を持った方々が集まり、色が美しく交じりあう、というような意味で名付けました。読書会は本関連の集まりではありますが、それは一つのキッカケとして捉えて頂けたらなと思っています。目的としては以上です。

読書会レポート

では、読書会のレポートに戻ります。

読書会に参加する方法はいくつかあります。参加申込方法のページからご確認ください。

お申し込み頂いた方には一週間前に最終確認メッセージが届きます。内容を確認し、当日は受付時間内に会場までお越し下さい。

会場に到着したら受付をしていただきます。PassMarket以外の方は当日現金払いとなりますので、受付時にお支払いをお願いいたします。グループ分けも受付時にお伝えしています。

開始時刻になったら読書会開始です。

まずは司会の私のーさんがご挨拶させて頂きます。その後、皆さんに自己紹介をして頂きます。お名前、普段読まれている本だったり好きな作品や作家さんなど、簡単なもので構いません。

自己紹介が終わりましたら、それぞれ持ってきた本について紹介を行っていきます。

上手く紹介しないと!と思わなくて大丈夫ですし、噛んだ!と不安にならなくても大丈夫です。他の方が紹介している間も、気になる点があったら自由に質問して下さい。まずはお一人一冊ずつの紹介です。時間の目安としては質問等も含め7、8分です。一巡して時間が余れば二巡目に移るか、フリートークとなります。時間になりましたら終了です。

当日の流れは以上になります。

今回紹介して頂いた推し本はこちらです。

推し本タイトル一覧

★岸辺露伴は叫ばない 短編小説集

★奴隷のしつけ方

★羆嵐

★ぼくのメジャースプーン

★まず牛を球とします。

★万延元年のフットボール

★用具係 入来祐作 ~僕には野球しかない~

★女肉男食 ジェンダーの怖い話

★雲のうえ

参加される皆さんには受付時間中にメッセージカードを書いて頂いてます。毎回、メッセージカードを読むだけでも面白くって、読みたい本が増えていきます!下記に一冊ずつアップしますので、ぜひメッセージカードを読んでみてください♪

私のーさんの推し本です。
『ジョジョの奇妙な冒険』第四部に登場する人気漫画家・岸辺露伴を主人公にしたスピンオフ作品。漫画版もありますが、こちらは短編小説集です。くしゃがら、ブラックスター、血栞塗、検閲方程式、オカミサマの5つが収録されてます。どれもジョジョの雰囲気を纏っていて、露伴先生がどう危機を乗り越えるのかハラハラドキドキしながら読んだんですが、私はこの中では「くしゃがら」が一番好きです。

ジョジョは絵柄が濃くて読まず嫌いの方もいらっしゃると思うんですが、こちらは小説ですのでそこは大丈夫です。そしてあれです。実写ドラマ化もしてて高橋一生さんが岸辺露伴を演じておられますので!もし良ければ高橋一生さんVerの岸辺露伴で脳内補完して読んでみても面白いと思います。

そしてそして!

5月26日には映画も公開されますので!ぜひ劇場でご覧ください!(これが言いたくてもってきた説が有力です)

初参加の方からの推し本。
古代ローマで奴隷をどう扱っていたかをまとめた本。私が初っ端に作り出した妙な空気感を見事に粉砕してくれた救済の本でもあります(非常に盛り上げてくださいました!ありがとうございます!)
奴隷と聞くと鞭で打って従わせるようなイメージしかなかったんですが、奴隷のしつけ方も奥が深いということを面白く解説してくださいました。現代の人事や採用にも繋がる考え方もあるとのことで私も興味深く聞いておりましたが、参加者の方からも沢山の質問が飛び交っていました。素敵な推し本の紹介、ありがとうございました(^^)

初参加の方からの推し本。
ChatGPTって最近よく耳にすることが多いと思うのですが、それらのテクノロジーについて考えさせられたとのことで今回ご紹介頂きました。『羆嵐』は実際にあった三毛別羆事件をモデルにした作品のようなのですが、ヒグマを討伐するために5丁の銃を持った男たちは5丁あるのに4丁がメンテナンス不足で不発、1丁は撃てたものの変な方向に。そこから「他力本願」と「テクノロジーに頼りすぎ」という点について考えさせられたとのことです。お仕事の関係上、タブレット教材を導入された時に起こったのが、エラーと誤作動やパスワードが分からなくなったという問い合わせの嵐!そのため通常業務が滞るという事態に陥ってしまったそうです。

『羆嵐』とあわせて、朝井リョウさんの『ままならないから私とあなた』もご紹介頂きました。ChatGPTなど最新の人工知能ツールがどんどんこれからも出てくると思いますが、この『ままならないから私とあなた』では主人公のゆっこはAI懐疑派、友達のかおるは推進派とも見れるそうです。私も読んだことはありますが、その視点で読んだことはなかったので新鮮でした!!

紹介中、他の参加者の方から「ガートナーのハイプ・サイクル」というものを教えて頂きました。ちゃんと説明できるかどうか自信はありませんが、ざっくりいうと……ChatGPTなど新しいテクノロジーが出てきたときには、様々な時期があるそうです。まずは一般には知られていない黎明期、そこから過度に期待される時期があり多くの人が使うけど、使いこなせなくて幻滅期がやってくる。そしてそれから安定していくそうです。ガートナーのハイプ・サイクルという言葉を知ることが出来たので、あれですね、私なんかは黎明期のあたりのものに手をつけて、世間的に「過度に期待される時期」に来た頃にはもう使いこなしちゃってて優越感に浸るってのをやりたいなと思いました。完全に余談に走ってますね!素敵な推し本の紹介、ありがとうございました(^^)

初参加の方からの推し本。
紹介者の方は映画がお好きで、『ハケンアニメ!』を観た時に原作が気になって読み、それから辻村深月さんが気になるようになったそうです。こちらの『ぼくのメジャースプーン』は小学四年生の男の子が主人公なんですが、ある日学校で事件が起きて、幼なじみのふみちゃんがショックを受けて喋れなくなります。主人公は犯人に対して復讐をしたいと思うようになりますが、物語で描かれていた「何のために復讐をしたいのか?」「命の重さ」というところについて、考えさせられたそうです。他の参加者の方からは辻村深月さんが復讐についてどんな風に描いているのか気になる、辻村深月さんの書く登場人物には不自然さがない、といったご意見も出ていました。素敵な推し本を紹介して頂き、ありがとうございました!(^^)

初参加の方からの推し本。
著者の方のお名前なんか見たことあるぞ!と思っていたら『横浜駅SF』の方でした。実はコロナ前に横浜で読書会を開催していたころ、『横浜駅SF』は課題本候補となっていたのでした。残念ながらコロナで中止になってしまったので読むタイミングを完全に逃してしまっていたのですが、我が家の本棚に眠っております。紹介者の方によると、著者の方はアイデア力がすごくてアイロニーさもあるとのことなんですが、『横浜駅SF』の頃よりもブラッシュアップされている短篇集だとのことです。素敵な推し本の紹介、ありがとうございました(^^)

前回『泥棒日記』を紹介してくださった方の推し本。
彩ふ読書会のサポーターもしてくださってます。いつもありがとうございます。
今年3月にお亡くなりになった大江健三郎さんの代表作。タイトルは気になりつつも全く手つかずの作品でしたが、このレポートを書くにあたって来歴や作品のあらすじを読むうちに「すげえ…」ってなりました(語彙力)読んでおきたい作品は数多い……課題本か、課題本で締切効果発動すれば良いのか!?なんてことを思う日々。素敵な推し本を紹介して頂き、ありがとうございました!(^^)

前回『九つの、物語』を紹介してくださった方の推し本。
彩ふ読書会のサポーターもしてくださってます。いつもありがとうございます。
プロ野球選手として活躍されていた入来祐作さんの現役引退後が書かれた本。やはり選手の方が注目されますし、元々選手として活躍されていた方ですから悩みや葛藤も大きかったのではないかなと思いました。BOSSのCMにも出てたんですね!入来さんは用具係を2010年から2014年まで用具係を担当した後、2015年から福岡ソフトバンクホークスの三軍投手コーチへ就任。2021年からはオリックス・バファローズの投手コーチをされているようです。素敵な推し本を紹介して頂き、ありがとうございました!(^^)

前回『笙野頼子発禁小説集』を紹介してくださった方の推し本。
三島由紀夫賞、芥川龍之介賞、泉鏡花文学賞、野間文芸賞など様々な文学賞を受賞されている笙野頼子さん。今年の4月に出版された本で、LGBT法案の問題について書かれているようです。素敵な推し本を紹介して頂き、ありがとうございました!(^^)

前回『死者の書・身毒丸』を紹介してくださった方の推し本。
北九州市のにぎわいづくり推進の一環として、作られている情報誌。行政が関わるフリーペーパーなのにファンクラブの会報誌が存在するようです(な、なんだってー!)すごい。公式サイトを覗いてみたら特集のみちらりと閲覧することが出来ました。素敵な推し本を紹介して頂き、ありがとうございました!(^^)

これにて読書会レポートは終了です。

参加者からのレポート

読書会に参加していただいた方からのレポートやつぶやきなどです。いつもありがとうございます!

最後に

上の方にも書きましたが、今回は主催含め9名(女性3名、男性6名)で読書会を開きました。初参加の方が4名、2回目の参加の方が1名でした。お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。

初参加の方や女性が安心して参加できる空間、男性も楽しめる空間作りに今後も努めてまいりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

毎月参加して下さる方はもちろんのこと、久しぶりに参加したよ~という方々との再会も非常に嬉しいものです。本が好きな方々の第三の居場所作りが目的ですので、「また参加して良いのかな?」「久しぶりだけど大丈夫だろうか?」「前回体調不良でキャンセルしてしまったけど…」といった事はお気になさらず、「あ、この日予定空いてる!参加しよう!」くらいの気持ちで、是非お気軽にご参加ください。

初めて読書会に参加して下さる方々にも「参加してよかった!」「楽しかった」「また参加したい!」と思って頂けるよう努めてまいりますので、宜しくお願い致します。

次回の東京での読書会は6/11です。ぜひご参加くださいませ!

▶《東京》6/11(日) 推し本披露会 開催のお知らせ

▶《東京》6/11(日) 推し映画紹介会 開催のお知らせ

▶《東京》6/11(日) 『春琴抄』課題本読書会 開催のお知らせ

次回は初の試みとして推し映画紹介会を行います!ぜひ参加ご検討ください。

以上です。

ありがとうございました!