2019年10月6日。
その日、大阪オックスフォードクラブにいた22名の内21名を震撼させる事件(事件って言っちゃった)は起きた。
正式名称
「大阪オックスフォードクラブにおけるI Love Youの訳し方を課題本とした実験的課題本読書会内寸劇盛況事件」
通称
「I Love You劇盛事件」
なぜ、I Love You劇盛事件は起きたのか?
その原因を一言で言い表す事は出来ない。過去に起きた様々な出来事が経緯としてあり、複雑に絡み合っているのだ。絡まった糸が何本あるのか、事件の背景を知っているはずの私ですらこの時点では把握出来ていない。しかし、私が把握出来ていなければ一体誰が把握出来ているというのか。私は数少ない語り部として、この真相を皆に伝えることが使命だと感じている。このレポートを書きながら、ゆっくりと糸をほどいていくとしよう。
それはさておき、参加していた彼ら彼女らが感じたであろう事をまずは代弁しておきたい。当日の13時40分、企画説明を聞いた21名の彼ら彼女らは皆一様にこう思ったはずである。
「読書会に来ただけなのに・・・・・・」
私もその一人だ。
_人人人人人人人人人人人_
> I Love You劇盛事件 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
チャチャチャチャ、チャチャ、チャーチャー♪
10月6日の午後の部は望月竜馬さんの著書「I Love Youの訳し方」を課題本とした読書会だった。通常の課題本読書会は、一つの作品をあらかじめ読んできて感想や意見交換を行うものである。しかし今回の読書会には何やら「実験的」という不穏な文字が付け加えられていた。一体何をするのか。具体的な内容はお楽しみとして伏せられたまま、皆さんは会場に来られた。総合司会がバトンタッチして企画者が詳しい内容を説明する。「寸劇をしてもらいます」「寸劇!?」「えー!?」どよめきが起こった。
事件当時の詳しい内容については、既にいくつものレポートが上がっている。同じような事を書いて読者を煩わせるのはやめておこう(byガリバー)リンクを貼っておくので、もし良ければこちらを先に読んで頂きたい。参加していなかった方々にも事件の様子が分かるほど、かなり詳しく書かれている。
Aテーブル
・隊長10/6レポ:2019.10.06 彩ふ読書会・実験的課題本読書会「声に声に出したい I Love You 会」レポート
Bテーブル
・ちくわさん10/6レポ②:彩ふ読書会 ~大阪堂島 10月 ②実験的課題本読書会「声に出して読みたい『I love youの訳し方』」
Cテーブル
・ひじきさん10/6レポ①:「彩ふ読書会日誌~10/6大阪・『I Love Youの訳し方』編~」
・ひじきさん10/6レポ②:「彩ふ読書会日誌~10/6大阪・『I Love Youの訳し方』編②~」
しかし、これらのレポートには書かれていない部分がある。それは、この事件の真犯人は一体誰なのか?という点である。企画説明していた人がこの事件を起こした犯人だと思われているかもしれないが、それはちょっとした間違いである。大きくは間違っていないが、ちょっとだけ間違っている。
この事件そのものを語るには約半年前の出来事を語る必要がある。まだ記憶に新しい2019年3月17日、実は京都でも類似事件が発生している。この時の事件に巻き込まれた被害者の一人がダイイングメッセージのように残した言葉が非常に印象的であった。私は「I Love You劇盛事件」の渦中で、どうしてもあの言葉を思い出さざるを得なかった。この記録の冒頭で使用した「読書会に来ただけなのに・・・・・・」という言葉である。あの言葉はこれらの事件に関する全てを集約した絶妙な言い回しであった。
3月17日の事件についても詳細なレポートが上がっているので、同じような事を書いて読者を煩わせるのはやめておこう(byガリバー)リンクを貼っておくので、先に進む前にこちらも読んで頭に入れておいて頂きたい。
▶前日譚(外部リンク)
タカラヅカ「入り待ち」記録ノート(ひじきさん)
▶ヅカ社実行委員会について(外部リンク)
彩ふ読書会日誌~3/17京都『ヅカ社』編・第一幕〜(ひじきさん)
▶当日譚(外部リンク)
読書会に来ただけなのに(ちくわさん)
さて、上記リンク先の記事は全て読んだものとして、先を書いていくとしよう。
この3月17日の事件がなければ、「I Love You劇盛事件」も起こらなかった可能性が高い。いずれ起こってはいたかもしれないが、ずっと先であっただろう。では、「I Love You劇盛事件」の近因である3月17日の事件の方は、一体何故起きたのか?これについては上記リンクにあるように「ヅカ社実行委員会」なる過激派・・・・・・もとい、歌劇派組織が読書会をジャックしたためである。読書会で使用している京都のSAKURA CAFEは読書会が始まる直前に「サクラヅカ大劇場」へと姿を変えた。読書会の終わり際には大劇場内にいる皆で『この愛よ永遠に(TAKARAZUKA FOREVER)』を歌って踊っていた。
このヅカ社実行委員会が組織されたのは、彩読LINEコミュニティにて派生して生まれたブカツ「ヅカ部〜TAKARAZUKA FOREVER」が事前に存在していた事が大きく関わっている。宝塚初心者も大歓迎なこのブカツにおいて、初心者である私も含め数多くの方が宝塚歌劇団に触れる機会を得た。解説付きで鑑賞会を行ったり観劇に行けたことで皆興味が沸いたのだ。ヅカモードに突入した我々が何かヅカ関連の事をしたいと考えていくようになったのは自然の流れに違いない。さらに遡ってみると、2018年9月の漫画限定読書会で紹介された『ZUCCA×ZUCA』と『タクマとハナコ』という宝塚関連の漫画が始まりであった。別のブカツ「図書館部」においてはコミュニティメンバー同士で本の貸し借りも行っており、「2018年貸出回数ナンバーワン作品」はこの『ZUCCA×ZUCA』と『タクマとハナコ』であった(のーさん調べ)
漫画限定読書会でこの宝塚関連本を持ってきたのはヅカ部の部長である。ヅカ部の部長はヅカ部長である。ヅカ部部長が中心となって結成された歌劇派組織がヅカ社実行委員会である。そして、3月17日事件とI Love You劇盛事件両方の担当者もヅカ部長である。こう書くと「あれ?結局ヅカ部長が真犯人じゃね?」と思ったことであろう。書いている私もそんな気がしてきた。あ、いや、そうではない。そういう事が言いたかったわけではない。もう少し先に進めてみよう・・・・・・。
3月17日の課題本は『宝塚ファンの社会学 スターは劇場の外でつくられる』であった。10月6日の課題本は『I Love Youの訳し方』であった。どちらとも、おそらく他の読書会では取り扱うことのない課題本であろう。それらの課題本を選書出来たのは彩ふ読書会ならではの課題本の決め方にある。彩ふ読書会では初期の頃は私が課題本を決めていたが、途中からは話し合いで決めるようになり、最近では投票で課題本を決めたり、サポーターやリピーターさんの推薦で課題本を決めたりするようになっている。投票では「人気だけど読んだことがなくて読んでみたい作品」が選ばれる傾向があるため、その正反対に位置する「たった一人が激推しする本」を選ぶために推薦枠を設けたのだ。この方式が良いのか悪いのかどうかはともかく、この方式を取っていなければそもそも3月17日の事件も起きなかった事は確かだ。
彩読LINEコミュニティも大きな要因としてある。コミュニティが誕生する以前、彩ふ読書会として企画出来るのは読書会だけであった。飲み会などをぽつぽつと企画はしていたものの頻度としては低かった。コミュニティが誕生してからは参加者がそれぞれ企画出来るようになり、ほぼ毎週のようにどこかで誰かが何やかんやと楽しく集まるようになった。その中でいくつもの「こんなことしてみたい」という妄想が膨らみ、実現に至ったものも多くある。ヅカ社実行委員会が組織されたのも、それら集まりの中で始まったものであった。
3月17日にはもう一つ、実現したものがあった。哲学カフェである。この日は彩ふ読書会にとって一つの大きな転換点ともいえる。ヅカ社企画、哲学カフェ企画が実現したのを皮切りに、それぞれが「ならこういう事をしたい!」という思いが膨らみ、企画の実現が格段にスピードアップした。
冒頭で「私もその一人だ」と書いたが、無論何も知らなかったわけではない。最終的な責任は私にあるため、何かしらの提案や報告は届くようになっている。しかし、ほとんどの場合において私から「それはちょっとやめといた方が・・・・・・」なんて野暮な事を言うことはない。やってみたい事ならやったらええんや!というのが私のスタイルである。主催からこうしてください、と一方的なものにするのではなく、様々な方の意見も取り入れて相互に作用して皆で巻き込まれて面白いものを作っていく。それが最も良い形ではないかと私は思っている。今回の実験的課題本読書会についても事前に企画説明をしてもらってはいた。「まあやってみたらだんだん皆さんも分かってくるでしょう!」というノリでGOサインを出した。ただ、私がGOサインを出したからといって、そもそも参加される方がいなければ成り立たないものである。いつもと違うことをすると必ずと言って良いほど何かしらのハプニングは起きるものだ。しかし、そのハプニングすらも楽しもうという方々が沢山いて下さっている。むしろハプニングありきで、なければおそらく逆に不満の声があがるであろうほど会を楽しもうとして下さっている。そんな方々のおかげで、ある意味この先駆的な企画も無事に22名の方が集まり、楽しい時間を過ごすことが出来た。受け入れてくれる土壌があるからこそ、安心して無茶なことも出来るのだ。踊らにゃソンソン!結局は楽しんだもの勝ちなのだ。実際、私も主催という立場ではありながら、ほぼ一参加者としてめちゃくちゃ楽しませて頂いた。その様子はAテーブルのレポートを見ればお分かり頂けるだろう。「言われたいセリフ」をリクエストしてはそのたびに照れていたのであった。高校生か!って言葉は的を得ている。得て過ぎている。いやはや、ごちそうさ・・・・・・間違えた、ありがとうございました!
余談ではあるが、10月6日はお昼休みや夕方にボードゲームを行っていた。「たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。」というゲームで、何度かやっているのだがこれがめちゃくちゃ面白い。配られた言葉を組み合わせて告白の言葉を作るのだが、この言葉を考える過程が楽しい。最後には告白しないといけないのだが、これも作った言葉を読み上げるだけなのであまり照れる事もない。そろそろ自分でも買おうかなと考えている。午後の部の会に合わせて持参してきて下さったとの事で感謝である。このボードゲームのおかげで、午後の部に必要であるテンションを最大限高めて望むことが出来たのは事実である。
・・・・・・さて、複雑に絡み合っていた糸をある程度ほどいていく事は出来ただろう。あとはもう強引に引っ張ればするりとほどけるか、ブチッと切れるかの状態だろう。そろそろ真犯人を書いて終わりにしたい。
この事件はヅカ部部長がいなければそもそも起こることはなかった。昼休みにボードゲームで会場内を盛り上げてくれていなければ、あれほどの盛況っぷりにはならなかったかもしれない。3月17日の事件、彩読LINEコミュニティ・・・・・・そして、この特別な企画を楽しもうという皆さんがいなければ成り立たなかった。それは当日参加した方々ばかりではない。開催レポートを読んで楽しんで下さっている方々もいるからこそ、こうして参加出来なかった方々に向けて是非会の様子を知ってもらいたいといくつものレポートがあがり、私自身もこれだけの文量を書くに至ったのである。
つまり、真犯人は・・・・・・。
我々全員、である。
という所で今回の事件について語るのは終わりとしよう。
この事件はまだ終わったわけではないだろう。
きっと、また半年か三ヶ月か・・・・・・おそらく近いうちにまた再び事件は起きる。そんな予感がしている。その時は、また。以上、最後までお付き合い頂き、感謝感謝!