婚活?

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2019年9月1日、山内マリコさんの著書「あのこは貴族」を課題本にして読書会を行いました。

今日はその時に感じた事、その後に感じた事などを書いていこうと思います。

テーマとしては「恋愛、婚活」あたりでしょうか。宜しければ最後までどうぞお付き合い下さいませ。

 

 

あのこは貴族
山内マリコ
東京生まれの箱入り娘VS地方生まれの雑草系女子!?「上流階級」を舞台に、アラサー女子たちの葛藤と成長を描く傑作長編。(「BOOK」データベースより)

 

課題本となって初めて山内マリコさんの事を知りました。

課題本はサポーターさんの選書や投票等で決めているため、読んだ事のない作品が課題本になる事も多いです。というかほとんどです(^_^;)ゆえに、私自身も毎回「一体どんな作品なんだろう?読書会ではどんな話になるんかな?」と非常に楽しみにさせてもらいながら、読書会までに読了出来るかなと焦りながら(笑)読ませてもらっています。

今回の「あのこは貴族」も非常に面白い作品でした!読書会で話題になりそうなシーンやテーマが分かりやすく、語りやすい課題本だったと思います。女性としての意見、男性としての意見を聞く事の出来る貴重な機会だったのではないでしょうか。これが当事者同士だったら逆に踏み込んだ話って出来ませんものね。課題本って、偉大!

 

 

以下、ネタバレありで書いていきますので、ご了承下さい・・・・・・。

 

 

 

 

―――――――――――ネタバレ含む――――――――――――

 

 

 

 

幸一郎に共感出来てしまう自分がいる・・・…。

 

はいい!女の敵ー!

 

すみませんでしたー!訂正します。幸一郎はクズだと思います←

 

いやはや、幸一郎を擁護すれば一発で女の敵認定されてしまうなと感じた読書会でした。お昼休み中に課題本を再読し始めるっていう付け焼き刃な行為をし、あ、無理だと諦観の構えで挑みました。地雷を踏まず、いかに幸一郎をフォローしていくか・・・・・・いや、フォローする必要があるのだろうか?もう敵って事で良いんじゃね?何てったって私はレディーファーストですからね。あ、いや、このレディーファーストですら男性優位の発言だ、男尊女卑だと捉えられかねない恐ろしさ・・・・・・。もうなんか男に生まれてすみませんって気分。ドキドキハラハラワクワクな読書会でした(ただの被害妄想です←)

以下、色々と書いていきますが、これは読書会後に思いついた事であります。読書会に備えて色々と用意していれば良かったんですが、大体いつも終わってから「あ、これ言ったら盛り上がってたかも」って気づく事が多いです(笑)なので、読書会中に発言出来なかったからここに書いているわけではない、と先にお伝えしておきます!読書会が面白かったからこれだけ想像が膨らんだ、という事ですので!

 

 

 

1.華子とミキティ、付き合うならどちらが良いか?

私の答えは「どっちとも付き合いたい!」

てめえは青木幸一郎か!

と野次が飛んで来そうな発言ですね!申し訳ございません!

華子さんもミキティもものすごく魅力的だと思うんですよねー。

華子さんは物語の中で成長著しい方なので、婚活実施前と婚活後、そして一年後でだいぶ内面が変わっていると思うんですが、どの時の華子さんも魅力的だと思います。

婚活をやる前の華子さんは周りに振り回されてばっかり。実年齢に比べ精神年齢が幼い印象はありました。頭は良いし教養豊かなんだけども、何せ経験が足りない。けれど、付き合ってからすぐに飽きられてしまうのは華子さん自身に問題があるわけではなく、付き合ってきた男が悪かっただけなんじゃないでしょうか。上手く自分を出せないのではなく、華子さんが遠慮なく自分を出せるようにしなかった男どもが悪い。例えば華子さんは彼氏の前で屁をこけなかったんじゃないでしょうか。彼氏が先陣切って屁をこいていたら華子さんも遠慮なく屁を・・・・・・あ、いや、卒倒しそうですね!それはさすがに荒療治な気がしてきました←

何せ華子さんは悪くない!教養豊かな方ですので、色んな分野で彼氏の視野も広げてくれそうですし、庶民的な娯楽は逆にご存知ないでしょうから、彼氏が庶民男子だったら庶民的な娯楽を教えて楽しむ事が出来そう。互いに知らない世界を共有して良い感じになるんじゃないかなーと。

ミキティは上京組という事で、地元と東京の違いを知っていたり、色んな人生経験を経た事で割りと何でも受け入れてくれそうなイメージがありました。自分よりも人生経験豊富な女性を男性側が受け入れられるのか。力量が試される所だとは思いますが、逆にそんなん知るかと突っ走れる年下男子とかと相性良さそう。

華子さんもミキティもどちらとも、互いに言いたい事を言い合えるような関係になれれば、一緒にいて楽しいんじゃないかなーと思います。表面上でしか付き合わなかった幸一郎が悪かったのであって、華子さんもミキティも既に魅力十分であることは間違いない。相楽さんも魅力的!

 

 

 

2.恋愛と結婚は違う?

さて、次の話題。付き合うなら華子とミキティどちらとも!と青木幸一郎ばりの回答をしましたが、「結婚するならどっち?」という質問になるとまた話は変わってきます。恋人同士であれば許される部分であっても、結婚して家族となると許せなくなる部分は互いに沢山出てきます。良い面だけを見てれば良かった恋人時代。しかし、夫婦となるとそうはいきません。面倒な事も多いし、親や兄弟も含めた家族ぐるみの付き合いとなるので「別れよう」「そうしましょう」で簡単に縁を切ることは出来ません。それまで別々の家で暮らしてきた二人が一緒になるわけですから、面倒臭いことばかり。私は数々の地雷を踏み倒した結果、ようやく現在に至りました(笑)

別の作品にはなりますが、東京すみっこごはんの第四話「アラ還おやじのパスタ」で、同棲相手がなかなか結婚してくれない女性のブログが登場します。彼女は早く結婚したいのだけど、彼氏の脳内では「結婚制度など実態にそぐわぬ負の遺産」ということになっています。同棲も公的な関係として扱われているフランスを絶賛。しかし、彼氏の耳には入ってきません。同棲関係を続けるカップル達が恒常的な不安感を抱えているということに。大好きな相手といっしょにいるはずなのに、彼女は恒常的な不安感が拭えないのでした。私自身も結婚前の同棲期間が長かったのでこの話に「ぐおお・・・!!」と抉られました。同棲してた時も結婚してからも、特に何か変わったわけでもなかったと思ってましたが、お互いの関係性に「夫婦」という明確な名称がついた事で、恒常的な不安感がなくなったんだなと今更ながら気づきました。ほら、役所とかで書く時に「妻」「夫」って書けるじゃないですか。最初は違和感が拭えなくって「妻ですってよ」「うふふ」みたいな感じでしたけれども、そういうちょっとした事を繰り返す内に夫婦なんだなーと互いに自覚し、不安感も消えていったのではないかなと思います。後述しますが、この恒常的な不安感は女性側だけが持つものであるような気がしてます。男性側は特に不安感はないのではないかなーと。そしてこの不安感や焦りこそが、男女の結婚観の違いにも大きく関係しているんじゃあないかと壮大な事を書いておきます。

ちなみに東京すみっこごはんには第二話「婚活ハンバーグ」というお話も入ってまして、婚活サイトでのやりとりなども妙にリアリティがありました!写真を送ったら返信来なくなるとかね・・・・・・。もし良ければこちらも合わせてお読み頂けたら!

「ピンとくる」といえば、読書会の時にも話題となりましたが辻村深月さんの「傲慢と善良」もオススメです!あのこは貴族の婚活シーンと同様、婚活についての話が描かれていまして、「婚活と就活が似ている」という描写もそこに書いてありました。オススメです!

 

 

 

3.恒常的な不安感

大好きな相手といっしょにいるはずなのに抱いてしまう恒常的な不安感。何度確かめ合っても、形としての何かが欲しい所。なのでしょうか?(女性への急な問いかけ)

女性と男性では結婚観の違いはやはりあると思います。周囲の状況や年齢的な事もあって焦る女性に対して、男性はそこまで焦ることがありません。あのこは貴族にも書いてましたが、男性にとって結婚は優先順位が低い、というのは確かにそうだなと。20代、30代といえば仕事真っ盛りで、仕事への比重が大きい方が多いんではないでしょうか(そうじゃない人ももちろんいるとは思いますが)そんな時期に結婚も考えるのは若干難しい部分も。40代や50代以上になっても結婚の可能性はありますし、ある意味「次があるはず、次があるはず」と、ずっと希望を捨てきれない所があるんじゃないかなと思います。男性は恒常的な不安感は抱かないけれども、ずっと希望を捨てきれない。まあ結論を言えば人それぞれだと思いますが←

 

 

 

4.女性同士の友情は成り立つのか?

一つ気になったのは、後半相楽さんのセッティングで華子さんとミキティが邂逅を遂げるシーン。女の義理、女性同士の友情って成り立つのかな?なんて思いました。結果オーライではありましたが、相楽さんかなり紙一重だった気が(^_^;)ミキティの人柄が大きかったのと、それを見抜いた上での相楽さんのアクションなので、特に物語上で不自然さは感じなかったんですが、これが現実だったならば?

 

 

 

5.父親目線

実はこの著書を読んでいる時、ワタクシこの目線で読む自分自身に苦しめられておりました。物語に登場する父親に感情移入したわけではないんですが(むしろ出来なかった笑)、私自身にライフステージの変化が起きている最中なので、三つの視点で読んでいました。結婚前の自分、現在の自分、そして父親目線の自分。この父親目線の自分はまだリアリティーがあまりないのですが、最近徐々に思考が変化してきていることを自覚しています。非常に不思議な感じ!!

この父親目線、何をどう見ているかっていうと、華子さんやミキティが自分の娘だったら?という目線で見てしまうのであります。作品だけでなく現実世界でもなんですが、年上とか関係なく全ての女性が我が娘のような感覚に最近なってしまっていまして何これパパ活?(違う)

 

 

 

6.空白の一年に何があったのか?

いよいよ最後となりました(疲れたともいう←)

ここからは満を持して青木幸一郎擁護論を展開したいと思います!

冒頭に「幸一郎に共感出来てしまう自分がいる・・・…」と書きましたが、実際、幸一郎のような人はめちゃくちゃ多いと思います。以前の私も幸一郎のような思考回路だった時期があります(貴族ではありませんヨ)

自分中心に世界が回っている状態。自分の思うように事が進んでいく世界。そこに何の違和感も抱かない自分。

そんな人間が多いから何だって話ではありますが、幸一郎には加えて青木家の事情も絡んできます。元々優先順位の低い結婚。逃げられない運命。幸一郎は誰と付き合おうが、結婚を意識することは出来なかったんじゃないでしょうか。

読書会中にあった男性参加者からの意見で「確かに!」と思ったものがありました。終盤、空白の一年間があるんですが、そこを読みたかったという意見です。この記事を書いている内にぼんやりと考えていたんですが、私なりの解釈としては「あえて書かなかったのではないか?」と思いました。

空白の一年間、華子とミキティの視点だけで見れば特に大きな内面の変化はありません。相楽さんの仕事のお手伝いを始めているので華子さんは変化してますが、物語としては離婚がピークかなと思います。華子やミキティの視点から見れば、一年後に話が飛ぶのは特に不自然さもありませんでした。

しかし、この期間に多分成長を遂げている人がいます。

それが、青木幸一郎です。

自己のなかった幸一郎でしたが、彼は華子さんとの離婚によって初めて大きな挫折を味わいました。政治家としての仕事にも振り回され、この一年間で飛躍的に成長したのは間違いありません。男性読者からすれば、この幸一郎の成長具合を見たかった!ってなるんじゃないでしょうか。がむしゃらに仕事をして、ふとした時なんかに華子さんの事を思い出して。後悔したり感傷に浸るような描写があれば男性読者は幸一郎に感情移入出来たかも?そんな想像をしながら、一年後の華子さんとの再会シーンを見てみるとまた違った感想を抱きそうな気がします。酷い結婚の責任の半分は幸一郎にもあると華子に言われて「え? 俺? 半分も?」とはなっていますが、こういったやりとりを出来る事自体、幸一郎側にも受け入れる事の出来る素地が出来てたって事なんじゃないかなーとかなんとか。華子さんが自分を出せるようになった事ももちろんありますが、それだけだったら幸一郎は軽くかわして話題を変えたりしていたような気もします。

とはいえ、幸一郎の成長までも描いてしまったらこの作品の刺々しさが一気にまろやかになってしまうような気もします。この作品は女性を主軸にして幸一郎を女の敵として描いているからこそ、面白いのではないかなーと。成長したといっても、全てを捨ててまで華子と再婚しようなんて考えはないと思いますし、家族が許さないでしょうし、駆け落ちとか……は無理でしょう。幸一郎のために空白の一年間を描いても、物語としては面白くない。

 

あ、全然擁護出来てない←

 

まあ、もう良いや面倒くせい!!

 

 

結論!

 

 

青木幸一郎=女の敵。

 

 

以上です!!