読書会でお話をしていると「実は……○○が好きなんです」とカミングアウトして下さることがあります(読書以外の趣味など)
あるいは「こういう事をやっていきたい~」など。家庭や職場では発信していなかったことの、カミングアウト。
それを聞くのがすごく楽しいし、「カミングアウトしても大丈夫なんだ」と思って頂けたことが嬉しいし、興味が沸くし、やはり印象に残ります。
なんせ好きな事を語る時って目がキラキラしてますからね!目が合った一瞬で惚れ……惚れてまうやろー!←
好きなことが好きと言える空間だったり、自分の仕事や将来のことを思いのままに語れる空間って、とっても貴重なんじゃないかなーと思います。
そんなことをふと思った10/21の課題本読書会でした。
課題本はコンビニ人間。
9/16の飲み会で決まった課題本で、私自身、課題本になるまでは未読でしたが、村田沙耶香さんはここ最近かなり気になっていた作家さんでした。
読めて良かった!
自分にとって普通だと思っていたことが普通じゃないのかもしれない。
「それは本当に普通のことなのか?普通って何だ?」と自問自答し、自分なりの世界観が揺らぎ始める。
30代になってからの私は色んなことを諦めるようになりました。
無論、今からプロ野球選手になれるわけでもないし、サッカー選手になれるわけでもない(そもそもスポーツしてませんからね!)
そういった明らかに今の自分にとって不可能なことではなく、ちょーっとしたこと。ちょっと頑張れば何とかなりそうなことも諦めるようになりました。こうなればこうなる、といった風に先のことを予測出来るようになったからか、行動に移す前に諦める。あるいは負担がかからないように線引きをしながら働く。読書会でもワードとして出た省エネ人間。それはまさに今の自分。
読書会でお会いした方々は「え?そう?」とお思いかもしれませんが、読書会以外の場所では色んなことを諦めております。まあ、逆に言えば目につくものほとんどに興味を持ちすぎて「あれもやりたいこれもやりたい!」となっていた時期を脱したってことなんでしょう。
しかしながら、「世間ってこんなもんさ」と、少しばかり冷めた目線で世の中を捉え始めた途端、自分の周囲はとてつもなくつまらないものになった気がします。そんな諦観な構えが、私にとっての普通であり世界観となりつつあったのですが、その構築していた自分なりの世界観が、再び揺らぎました。良い方向に。
周囲にいる人達にとっての「普通」「常識」「当たり前」「他の職場ではありえない」とかに合わせていって、ある意味自分自身が普通っぽい人間になっていく感覚。なっていく、というよりもなってしまっていく感覚。
今もワタクシ、ぐにゃぐにゃっとした世界観の中に浸っております。すんごく気持ち悪い。胃が。(あ、これは酒のせいですね!)
なんちゅー恐ろしい作品なんや!恐ろしい作家さんなんや!と感じました。けれど、それでいて、そのぐにゃぐにゃっとした感覚が心地良い。
10代、20代の頃に読んでいたら自分はどう感じていたのだろう?
40代、50代になって再読した時、また自分なりの世界観は揺らぐのだろうか?
そんな事が気になりました。
殺人出産や消滅世界など気になるタイトルが沢山あるので、また村田沙耶香さんの作品は読んでみたいなと思います。
さて、そんなぐにゃぐにゃっとした世界観に浸らせてくれるコンビニ人間。
読みながら古倉さんの思考に非常に似た思考を自分もしているなーと感じましたので、以下そこらへんを。
コンビニ人間の古倉さんも周囲にいる人達の言動を吸収して自分を形作っていましたが、あの感覚分かるなーと思いました。
「(福祉の人間)っぽさがないよね」
と言われていた新人一年目。いつしか言われなくなりましたが、働き始めた頃はすんごく周囲を見ていました。ここでの動き方が分からないから。利用者の方々とどう接すれば良いのかが分からないから。他のスタッフがどう関わり、利用者はどんなリアクションをされるのか。
良いと思った部分は真似てみて、いまいちかなーと思った部分は反面教師にして。そうして取り込んでいくうちに職場での「私」が出来ていきました。
細かい所でいうと、Aさんの言動を真似る時はAさんがいない所で。Bさんの言動を真似る時はBさんがいない所で。そうして自分「っぽい」ものを作り上げる。
AさんBさん両方いる時には真似ていることがバレてしまうので……結果無口になるのですが(笑)端から見ると自分なりの付き合い方をしているように見える(バレる人にはバレますけどね!)
意識的に真似ることもあれば、無意識に同じような言動をしてしまってハッとする時もあります。この感覚、自分だけなのかな~なんて思ってました。自分では上手く言語化出来ていなかった感覚でしたが、それを見事に村田沙耶香さんは描写していて、すんげえ!ドッグイヤー!すんげえ!ドッグイヤー!の繰り返しでした!あ、ワタクシはドッグイヤー派です。
あとは、コンビニ店員さんに向かって常連のお客さんが言う「変わらないね」という言葉。あれにはゾワゾワっとしました。何だろう、上手く説明できないのですが、古倉さん視点から見ればコンビニがオープンしてから現在までに色々と「変わっている」のに、お客さんにとっては「変わらない」ままコンビニはあり続けている。
あのお客さんにとって「ここは変わったね」と感じるタイミングっていつなんだろう?んー、いや、違うな……?ここらへんは再読の必要がありそうです。
ところでワタクシ、A型です(唐突に)
A型だとカミングアウトした時の反応は様々。「A型っぽい!」「言われてみれば確かに」「全然A型っぽくないね」などなど。
血液型から始まるやりとり、実はワタクシ大好物ですので、そのやりとりはむしろ自分から仕掛けていくタイプではあるのですが、コンビニ人間を読んだ後だと若干不毛なやりとりな気がしてきました←
いや、でも血液型とかから始まるコミュニケーションも大切だと思います。コミュニケーションは実はコミュニケーションが成立すること自体が目的であるとアナウンサーの吉田尚記さんも言ってますしね!
一見しょーもないように思える内容でも、バサッと切り捨てずに拾ってみれば、何かが生まれる……かもしれませんし、生まれないかもしれません。
何が言いたかったのかやはり再び分からなくなってきましたが(決まり文句)
冒頭のカミングアウトの話に戻りましょう。
カミングアウトして下さった時、それがほぼ初めてのカミングアウトだったとしたら、周りがどう反応するかってすごく気になるのではないかなーと思います。
初カミングアウトした時に、
「えー……(なんかショック)」
って返されると、もうなんか喋らんとこ!ってなるんじゃなかろうか。
ここはやはり、
「おー!(とりあえず詳しく!)」
そんな反応が好ましいんではないかな?実際めちゃめちゃ興味沸きますしね!
そんな……
えー……型人間ではなく、
おー!型人間に私はなりたい。
・・・・・・。
そして。
駄洒落の上手い人間にも、私はなりたい。
しょーもない……と思ったそこの貴方!
さあ、拾ってみるのだ!
バサッと切り捨てずに拾ってみれば、何かが生まれる……かもしれませんし、生まれないかもしれません(多分生まれない)
……さて、伏線回収は無事に終わりました。しかし、実はあと一つだけ謎を残しております。
なぜ、10/21の開催レポート前にこの記事をアップしたのか。
そんな謎を残して、本日は終わります。
おつきあい頂きありがとうございました!
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