花のレクイエム

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花のレクイエム
辻邦夫
山本容子(銅版画)
新潮文庫

 

随分と昔の話ですが、梅田を歩いていて好きな香水の匂いに出会ったことがあります。

 

つけすぎているわけでもなく、横を通り過ぎた瞬間にだけ、ふわっと香ってきた感じ。その女性がつけてた香水が、自分にとってドンピシャアな香りでした。

 

女性が通りすぎて男性が思わず振り向くみたいなCMってありますよね。あれをまさに体験した瞬間でした。

 

思わず「それ何て香水ですか!?」って声をかけそうになったくらい、めちゃくちゃビンゴ!あ、それナンパですやん・・・・・・と理性が働き自制しましたが(ただの臆病)、思わず声をかけたくなってしまうくらい、好きな匂いでした。

 

その香水の名前は分かりません。香水だったのかも今ではあやふやです。もしかすると柔軟剤の香りだったのかもしれません(^_^;)

 

あと、他のエピソードなんですが、坂と音楽の思い出があります。学校に行く時に長ーい橋を渡るのですが、渡った先は結構急な坂になっていて、そこを自転車で一気に駆け下りるのが当時の日課でした。その時に聞いていた音楽は今でも覚えていたりします。自転車こいでるのにサラブレンドの「夕暮電車」を聴いてるっていうね(笑)

 

こういった昔の記憶って、普段は奥底に眠っているのに何かの拍子に急に思い出したりしますよね。梅田の同じ道を通った時にはまた思い出すでしょうし、もし同じ香水の匂いを見つけた時にはまた思い出すでしょうし、坂を下りる時にも音楽を思い出すでしょう。

 

読書会で紹介して頂いた本も同じですね。名前、お顔、プラス推し本なので、「あの本を紹介してくれた人!・・・あ!あの人!」ってな感じで、結構覚えています。2回以上参加して下さっている方々のことはもちろんのこと、まだ一度しかお会いしていない方のことも全員覚えています(断言)

 

匂いで感じたこととその時の景色、耳で感じたこととその時の景色、何かと何かが結びついた瞬間、その時のコトって強烈な記憶になって、頭の中の引き出しに収納されて何かの拍子に引き出される。

 

花のレクイエムを読んでいると、そんな昔の思い出が色々と蘇ってきました。どこか懐かしさを感じさせてくれる作品。何とも不思議な体験でした。

 

花のレクイエムでは、短い物語が12編収録されています。一月は山茶花、二月はアネモネ、三月はすみれ・・・・・・といった風に、それぞれの月に合わせた花、文学、版画が物語を構成しています。

 

自分自身に花の知識がないのが悔しい点でした。名前と花の形がはっきりと分かったのは紫陽花、百合、向日葵だけという何とも知識不足な悔しさ。でも、その三つの花を題材としたお話は特に綺麗だなあと感じる事が出来ましたので、花に詳しければ詳しいほど、より一つ一つの物語を堪能出来るのではないかなあと思います。オススメです♪

 

あ!ただ今買うことは出来ないかも?ネットでは在庫切れになっていて入手できなかったので、図書館で借りて読みました(ご参考までに)