織田作之助の“青春の逆説”

普段はあっけらかんとしているワタクシですが、退職や異動がある今の時期だけは、さすがにたまには気難しい顔をしております。

自分に異動があってもなくても何となーく2月下旬辺りから気持ちがザワザワ・・・・・・っとするんですよねー。職場の皆さんも同様なので全体的にザワザワ・・・・・・っとしてて落ち着きません。

普段ならば「あっはっは」と笑い飛ばしてるような言葉に引っかかってしまったり傷ついてしまったり。自分らしくないなと分かっていながらも自分らしくなれず若干ナイーブな感じ。寝たら忘れる方なんですが、寝ても覚めてもその言葉を思い出してしまったりね(^_^;)

そんな時に限って更に沈んでしまうような本についつい手が伸びてしまいます。今は7SEEDSを読んでおります。ワタクシの今浸っている世界は滅亡してます。しかもちょうど竜宮の所なので「あああああ・・・・・・!」と、やっちまった気分であります!!毎週楽しみにしていたアンナチュラルや99.9%も終わってロス中ですし・・・・・・あ、ダメだこりゃ(笑)

4月になったら、あれしたいこれしたいどこどこ行きたいと気分はノリノリになるのは分かってるんですが、自分でどうすることも出来ないこの時期っていうのは、もうどうしようもないですねー!

どうしようもないんだけど・・・・・・何かこう・・・・・・こういう時に読むと良いよ!って本ありますかね?マンガでも小説でも絵本でも自己啓発でも、あ、映画とかでも何でも良いんですが、こういう気分になった時に読んで落ち着けるような、何か。もしくはパッと開けるようなフレーズとかとか。色々と知っておきたい気分であります!もし何かありましたら是非教えてください♪

 

と、若干暗ーい感じから入ってみましたが、今週は気分も上がったまま何とか平日を過ごし終えました!(^^)何てったって彩ふ読書会のサークル活動がありますからね。読書会以外で集まるのは今回が初めてです。一体どんな感じになるんでしょう?俺にも分かりませーん!!

読書会の時もそうですが、始まるまでどんな感じになるのか分からないというのは多少緊張もあります。が、楽しみの方が10分の9くらいはありますので、結局の所、緊張感は良いスパイスとして働いてくれているといった感じです(^_^)

 

 

さて、前置きが長くなりましたが本の紹介を。

出勤準備中の合間に読む本と、電車の中で読む本と、休みの日に集中して読む本と、だいたいいつも三冊くらい同時進行で読書しているタイプなんですが、電車の中で読んでた本がようやく読み終わりましたので今回はその本の紹介をします。

 

 

織田作之助さんの青春の逆説。

織田作之助さんの作品の中で初めて触れたのは「夫婦善哉」でした。これがもう自分にはドンピシャアで、他の作品も読みたくなって次に手に取ったのが青春の逆説です。なので織田作之助さんの作品の傾向みたいなことはまだ語れないんですけども、この二つの作品に関してはどちらとも登場人物に人情味があるというか、人間臭さみたいな所があって結構好みでした。主人公の男はどうしようもない感じなんですけど何だか憎めない感じで、女性はしっかりしていてこちらはこちらで魅力的。

夫婦善哉についてはまた後日書きたいと思いますので、今回は青春の逆説を。

なぜ二作目にこの本を選んだかというと、「逆説ってどういうこと?」と気になったからであります。日常会話で「逆説」って言葉を使うことはないし、言葉の意味もちょっとよく分からない上に「青春」とついている。こりゃあどういう意味なのかな?とタイトルに惹かれました。

これについては解説に書かれていましたので、そちらを読んで頂けたらと思います。なるほど、そうか、逆説ってこういう意味だったのね、と解説を読んで納得しました。青春の逆説ってどういう事なんだろーって疑問を抱きながら読むのも楽しかったので、ここではあえて書かないことにします(^_^;)

物語は前篇の「二十歳」と後篇の「青春の逆説」に分かれています。主人公・豹一の母、お君が最初に出てくるんですが、後は豹一のお話です。学生時代と社会人時代が描かれています。

豹一は自分の行動に対して何かと理由をつけたがります。恥ずかしい思いをしたら、「この女を口説いてやろう」といった感じで自分ルールを設けて達成することで自尊心を保とうとします。誰に対しても基本トゲトゲしくてプライドが高い感じなんですが、内面が描かれているので豹一の抱く劣等感だったり実は繊細な部分があったりすることを読者は知りながら読み進めます。

これ、内面が分からなければ豹一はものすごーくやばい奴に思えるかもしれないんですが、分かっているとどうしようもなく愛おしいんですよね。豹一はものすごく嫌がるだろうけどハグしてあげたくなる感じ?はいはい分かった分かったと頭をなでたくなるような、そんな感じ。母性本能をくすぐられること必至です。

 

 

 

 

 

・・・・・・あ、ワタクシ男ですけどね!

 

 

 

 

 

オホ、オホホホホ♪

 

 

 

 

 

序盤にお君目線で書かれていたからか、豹一に感情移入するというよりも豹一の親になったような気持ちで読み進めていた気がします。

あと序盤に繰り返し出てくるお君の口癖「私(あて)でっか?私はどないでもよろしおま」もじわじわきます。よろしおまなんて言葉に触れたの枚パー兄さん以来だぜ!前篇のとんとん拍子具合は夫婦善哉と似ていたかも?

解説にも書かれてましたが、戦時に書かれたものとは思えないくらい陽気さを感じさせてくれる作品でした。織田作之助さんの作品は今後も読んでいこうと思います♪

 

《文:nonono》

 

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