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ちょっと前に話題になっていて、映画観に行こうかな〜と思いつつ行けてなかった作品。Netflixで観れるようになっていたので視聴しました。
おおおおお、これは……!定期的に観たくなる映画ッ!そう思ったのはラ・ラ・ランド以来。映画館で上映中に観たかったな〜と思いました。
映画のレビューを見てみると、「良かった」という人もいれば「駄作だ!」という人もいます。
観る人によって変わるのだとは思いますが、私自身には大ヒットしました。今はNetflixでも観れるし是非観てほしい。出来れば倍速はしない方向で。
さて、ここからはネタバレします。これから観るよって方はバックバック!
―ここからネタバレ―
この作品は麦君(菅田将暉)と絹ちゃん(有村架純)の二人が主人公で、男女それぞれの視点からモノローグが入ります。
ある日、終電を逃してしまう麦君と絹ちゃんとその他二人。四人で朝まで時間を潰そうとなります。そこでのやりとりの中で、麦君と絹ちゃんの二人は自分たちの趣味や価値観が似ていることに気づきます(その他二人も意気投合)
その他二人がタクシーで帰り、麦君と絹ちゃんは別々になる流れでしたが、絹ちゃんから話しかけに行きます。話が盛り上がり、二人で深夜を過ごすことになります。
この出会いの一日が結構長く描かれているのですが、二人が徐々に距離を寄せていく様が「ここから始まるんだな〜」という感じがあって良かったです。深夜のレストランで話し合ったり、麦君の家で自主制作のガスタンクの映画を観たり。
2015年の話なので連絡先を交換すれば一旦解散してまた会うことも出来るはずですが、そういったシーンは出てきません。別の日にミイラ博に行ったりもしてるのでどこかのタイミングで連絡先交換してるはずなんですが、交換してるシーンが入っていたら現実に引き戻されてちょっと白けてしまった気もします。描かれないことで二人が今この時この瞬間を大切に共有していることが際立って良かったなと思いました。どちらかが二度と会うまいと思えばすぐに切れてしまうような細い糸を、お互いに必死になって沢山繋げて太くして手繰り寄せていくような感じ。恋愛初期の感じで良いな〜と思えちゃうんですよね。
その後何度かデートを重ねて付き合うことになった二人。
書き忘れてましたが、映画の冒頭は2020年から始まります。既にこの時点で二人が違う恋人と付き合っていることが描かれてるんですよね。なので、付き合うことになって楽しい日々を送る二人のことを「このまま続けばいいのに…なんで別れたんだろう?」という気持ちになりながら観ていました。結末は既に分かっているけども、どうしてそうなったのか、を考えながら観ていく感じです。
楽しい日々を送る二人でしたが、二人はまだ大学生。途中で同棲を始めた二人でしたが、生活を続けていくにはお金が必要となってきます。麦君はイラストレーターの仕事を、絹ちゃんはアイスクリーム屋さんでのバイトをして何とか食いつないでいました。しかし麦君のほうのイラストは単価が下がっていきます。1コマ千円だったのが3コマで千円に。契約が違うのでは、と伝えると「いらすとや使うのでもう良いです」と契約を切られてしまいます。シーンとしてはこのやりとりだけですが、きっとこういうやりとりが複数あったのでしょう。更には親からの仕送りもストップしてしまいます。
麦君は絹ちゃんとの生活を続けるためにちゃんと就職しよう、と決意します。絹ちゃんもアイスクリーム屋さんのバイトは辞めて資格を取って一足早く就職してましたが、麦君も遅れて仕事に就くことになりました。
ここから、麦君と絹ちゃんの距離がどんどん離れていってしまいます。
麦君は仕事に追われて趣味に全く手がつけれなくなってしまいました。好きな漫画も途中の巻で止まってしまうし、ゲームもプレイ出来ません。自分の仕事にしたいと夢にしていたイラストも全く描かなくなってしまいました。
絹ちゃんは仕事が合っていないと思いつつも休日には自分の趣味を楽しむことが出来ていました。
絹ちゃんから何度も舞台や映画に誘われるものの、仕事があって都合がつかない麦君。そんなやりとりが続き、これまでの二人ならさらっと流せそうな言動でも引っかかってしまい、口喧嘩になってしまいます。
この爆発しそうでまだギリとどまっている感じの期間は見ていて辛いものがありました。
イラストの仕事やバイトで生計を立てていたときよりも金銭的な余裕はあるはずなのに、二人の心の距離は離れていきます。
そして別れのシーン。
もう別れよう、と互いに決意した二人はファミレスで話をします。昔話に花を咲かせるものの、全ては過去形。別れよう、とは言葉に出来ず時間が流れます。このシーンもとても良かったです。
そして二人は別れ、冒頭のシーンに戻ります。
同じお店にいることには気づいたものの、互いに話しかけたりはしません。互いに目も合わせてないまま互いの恋人とお店を出ます。
最後、後ろを向いたまま二人は手を振ります。
そんなお話でした。
何が良かったかって、10代20代のときにしか味わえない特有の恋愛模様が描かれているんですよね。仮に私がまた恋愛することになったとしても、決して同じようなことは出来ません。いやまああるかもしれませんが、盲目的にはなれないと思います。
麦君は学生から社会人になり、仕事に追われて社会に取り込まれていきます。学生時代は同じような靴を履いていた二人が、いつしか違う靴を履いていて、靴で表現しているのもうまいなと思いました。
社会に取り込まれたあとの麦君の言ってることは分かるんだけども、すごくステレオタイプ的なことを言い始めてて「おいおいあの頃の君はどこにいっちゃんたんだい……」と悲しくなってきます。冷めてきた関係も結婚すれば何とかなると期待してしまっている姿に、けれどそのあとに語る理想の形もいわゆる一般的な理想とされるものを当てはめようとしていてて、学生時代の麦君だったらこんなことは絶対言わないだろぉぉぉ……とこれまた悲しくなってきます。麦君から見ると絹ちゃんは学生気分が抜けていない、大人になりきれてないと。自分はこれだけ仕事で身を削っているというのに……という明らかな八つ当たりです。けどこの麦君の状態になったことが私もあったので身をつまされる感じでした……。
観終わってから数日経って思い出したことがあります。
ラストシーン、お店を出たあとの麦君が少しだけ描かれているのですが、そこで麦君は絹ちゃんのことを想っているのです。麦君はまた恋に落ちているとも考えられるわけです。
今は別々の恋人と付き合っている麦君と絹ちゃんですが、もしかしたら数年後にはまた付き合っているかもしれない。そんな期待も持てるラストだったのではないか。花束みたいな恋で終わってしまったけれど、次は違う形での恋が始まるんじゃないか。そんなふうにも思ったのでした。
だってあれ、完全に倦怠期だよ!
二人が乗り越えられなかったのは、周りに引き止める人が誰もいなかったからではないかなと思いました。誰か止めなさいよ!
実際、2020年の麦君は少し余裕があるように見えました。映画の途中でも職場の先輩から「5年経ったら楽になるから」と言われてました。同棲していたときは仕事が忙しくてすれ違ってしまいましたが、余裕のできた今ならそんなこともない気がします。
別れてからの空白を埋めることも二人なら出来るでしょうし、また二人には付き合ってもらいたいな、なんて思いました。
そんなところで終わります。また観よーっと。
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