学生時代、ほとんど机に突っ伏して寝息を立てていたワタクシ。勉強って苦手だったんですよねえ。家に帰って早くゲームがやりたいなんて事ばっかり考えてました。
ノストラさんがやってくると信じちゃったものですから勉強する意味を見出せなかったんでしょうね。どうせ死ぬから意味ないじゃん、と。タイムスリップ出来るのであれば過去の自分に延髄蹴りを食らわしたい。
そんな俺でも真面目に聞いていた授業があります。
それは、保健体育。
みんな大好き保健体育。
爛々と目を輝かせ(あるいは血走らせ)、意気揚々と(あるいは鼻息荒く)前屈みに授業に挑む姿勢は、きっと先生の評価も高かったことでしょう。
あとは理科くらいかな?ちゃんと授業を聞いていたのは。他の授業中は、俺の内側で暴れ回る危険なアイツとの戦いに明け暮れていました。全戦全敗でしたけど。あ、睡魔のことです。
さて、そんな授業態度は(一部)真面目な私ですが、アレを挿入することについて詳しく習った記憶がありません。習っていれば絶対覚えているはずなのに。
習いました?
なんでソコに挿入するのか。挿入するようになったのか。挿入する意味、みたいな。
そこまで詳しくは習ってませんよね?
まあ学校ではそこまで教えてはくれなかったよね。かといって、親から教えてもらうことも・・・・・・うーん、ないな!
結構大事なことだと思うんだけどなあ。ズレたら大変ですし。さあ寝るか!と思った時に疑問抱いちゃったら、もう徹夜確定ですよ。
面倒臭いからしないってわけにもいかないですしね。そっちの方が後々大変でしょうし。
学校にも親にも教えてもらえない。友達に聞くのもなんだかなあ。
・・・・・・ならば、ここは本の出番でしょう!
というわけで、こちらの紹介です。
《文科系のための暦読本 古今東西の暦の「謎」を読む 増補・改訂版》
著者 :上田雄
監修 :石原幸男
出版社:言視舎
数理系オンチにも優しい本になってます。まさに文科系のための暦読本。これを読めば、暦についての知識が得られます。中でも面白かったのがアレです、アレ。
閏月の挿入の仕方
・・・・・・え?何ですって?
ワタクシ、耳が遠くって。
おほ、おほほほほ(笑)
物差しやカレンダーは「もともとそこにあるもの」であって、何で今日が今日なのだろうとか、誰が決めたんだろうなんて疑問を抱くことって、あまりないですよね。でも、平成何年ってのが通用するのは日本だけだし、西暦が通用するのもいわゆる西洋文化圏の範囲だけ。日付も各地で違っていたりする。現在日本で使われているのはグレゴリオ暦ですね。その源になった古代ローマの暦はロムルス暦と呼ばれておりますが、このロムルス暦、実は11月と12月がありません。1年が304日。あとは冬眠だったんですってよ。逆に今採用して欲しいシステムですね。冬眠したい(笑)
で、やはり不便だったのか、皇帝ヌマ・ポンピリウスはロムルス暦に2ヶ月加えて日数割り当てを行いました。こうして出来た暦をヌマ暦と呼びます。ヌマ暦は月の朔望によって作る太陰暦だったので、1年が355日。3年で1ヶ月以上季節がずれてしまうのが弱点でした。そこで紀元前400年ころから、2年に一度、閏月を挿入します。第12月の月に22日か23日の閏月をぶち込むのだそうです。
しかし、この挿入の仕方がややこしいのでした。
テルミナリアの祭の次の日(本来なら12月24日)から閏月の1日、2日・・・と数え、22日あるいは23日となった所で、再び12月24日へ戻り、28日で1年が終了。当時のローマでは全ての借金は年末に支払うという慣わしだったので、暦の上での精算も12月だったようです。この後12月フェブルアリウスが2月になるのですが、それが今日まで引き継がれているので閏日が2月に入るようです。
さて、この閏月によって1年に10日余りのズレだったものが1年に1日までに修正出来ました。ただ、やはり挿入の仕方がややこしかったからか実施されないこともあったようです。利権の道具にもなっていたようですね。
その後シーザーが覇権を握るようになる紀元前49年までには100年の年月を経ているので、およそ100日、約3ヶ月のずれがありました。
さあ、そしてシーザーさん。今まで太陰暦だったローマ暦を太陽暦に切り替えます。1年365日。暦の革命。
改革実施にあたり3ヶ月のズレを修正する必要があったので、紀元前46年の年は355日+23日+67日で計445日としました。3ヶ月遅れていた暦日を追いつかせるために歴史上最も長い1年が現れました。ローマ史ではこの年を乱年と呼ぶそうです。
こうしてシーザーの改暦によって、ユリウス暦の原型が出来上がり、現在の暦の基本ともなりました。
とまあ、こういった暦に関するお話が書かれてますので、とっても面白いですよ。他にも8月が何故31日なのかとか、2033年には旧暦が行き詰まることなどが書かれています。
オススメです♪
《文:nonono》
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