『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』#わたしの推し本神7⑦

2024年6月30日(日)、7周年を記念しまして推し本披露会SPを開催します。
おすすめしたい本を紹介する形式の読書会で、テーマは「わたしの推し本 神7」です。
あなたの人生を彩った7冊を教えてください!

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《大阪》6/30(日) “「わたしの推し本 神7」推し本披露会SP” 7周年イベント開催のお知らせ

当日私は全体の進行を行うためグループには入りません。自分の推し本神7を紹介する機会がないので、ここで紹介したいと思います。

今回は神7その⑦、上遠野浩平さんの『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』です。

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ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ
上遠野浩平
電撃文庫

君は運命を信じているかい? 自分たちの意志とは関係なく回っていく世界の流れを実感したことはあるかい? これは六人の少年少女たちの物語だ。彼らは未来を視ることができる不思議な力を持っていて、彼らの間でだけその能力をささやかに使っていた。彼らに罪はない。そして責任もない。しかし――「これ――ブギーポップ?」六人の予知にこの僕の幻影が現れた時、運命の車輪は回りだした……。第4回ゲーム小説大賞で〈大賞〉を受賞した上遠野浩平のブギーポップ第三弾。六人の選択は救いか、それとも破滅か……?

私を変えてくれた本(一周年イベントの推し本テーマ)

四作目だとは気づかずに手に取ったブギーポップシリーズのパンドラ。序盤に子どもたちが特殊能力を打ち明けるシーンが今も印象に残っています。

大阪彩ふ文芸部部員のシュシュさんがブギーポップシリーズ最新作のレビューをしていますので紹介します(外部サイトに移動します)
https://note.com/embed/notes/nbd9465bb7fae

レビューを読んでピンとくることがありました。

ブギーポップシリーズは学生のときにハマりました。ただ、このパンドラを読んで、1~3巻を読んで、そこで止まってたんですよね。歪曲王もタイトルからして気になっていたけど結局買わずに終わってしまったレベル。

引っ越しの際に大量に本を売ったことがありました。それまで好きだったキノの旅やら山田風太郎の作品やらも手放した時期がありまして、ブギーポップの1~4巻もそのときに手放してしまいました。再購入することはなく、ブギーポップは「好きだった作品」として私の思い出の中でとどまっていました。

ところがつい最近になって無性に読みたくなり、『ブギーポップは笑わない』から『ブギーポップ・ダウトフル 不可抗力のラビット・ラン』までをまとめ買いしました。

つい最近と書きましたが、その「つい最近」とは、コロナ禍のことです。

私自身の本の選書歴といいますか、どういう基準で読む本を選んでいたかをざーっくりと振り返ってみますと、まず2015年は「1年で365冊読む!」を目標としていた時期でしたので、「1日で読み切れそうな本」が基準となっていました。読後の余韻に浸ることもなく、感想を述べるわけでもなく、ただただ文字を追ってだだだっと読み終わらせて読書メーターに記録をつけてムフフと一人楽しむ一年だったわけです。

2016年は、2015年に目標を達成して自信をつけた勢いで某読書会さんに参加していた時期でした。課題本形式の読書会だったので、とにかく課題本を読み切ることに専念していて、余裕があるときには自分で何か好きな本を選ぶという感じでしたが、たいがい課題本に追われていました。

2017年は読書会の立ち上げ準備~11月には彩ふ読書会を主催するように。ここからは「推し本紹介できるかどうか」というところが本を選ぶ基準としてありました。それか、読書会で紹介された本の中から面白そうだと思った本。あるいは課題本になった本。それが2019年まで続きます。

2020年2月に新型コロナウイルスの影響で読書会を休止。それからしばらくは読書が全然出来ない時期に入りました。自宅で過ごす時間が長くなって読書をするようになった人が増えたというようなニュースもあった気がしますが、私自身は逆に読書が出来なくなってしまってました。

でもやっぱり本が読みたーい!!となったとき、ふと昔読んでハマっていたブギーポップシリーズを思い出したというわけです(前置きが長いですね!)

コロナ禍は、ある意味この2015年から始まった本を選ぶ基準からはがっつり外れて、「自分の好きな本」「気になっていたけど長いから敬遠していた本」「この作家さんの本はもう読んだからと置いていた本」などに手をつけることができた時期だったように思います。ブギーポップシリーズの他にキノの旅も買いましたし、朝井リョウさんの作品をむさぼるように読みましたし、伊藤計劃さんや村田沙耶香さんの本、積読したままになっていた本に手をつけたりしました。SNSでの発信はあまりしてませんでしたが、紙のノートに感想を書いたり日記を書いたりしていました。

シュシュさんのレビューにもある『作品全体に漂うどこか不安定で退廃的な空気感』という文章を読んでハッとなりました。確かにそういった空気感がブギーポップの作品にはある気がします。その空気感と私自身の心境がマッチングして、学生のころにハマり、その空気感を覚えていたから、今回コロナ禍で漂った状況とマッチングして、「ブギーポップがまた読みたーい!!」となったのだと思います。

学生時代には4巻までしか読んでいませんでしたが、このコロナ禍の間に『ブギーポップ・スタッカート ジンクス・ショップへようこそ』まで読みました。『ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス』の途中あたりから読書会も再開し始めたので止まっているのですが、またタイミングがきたら読もうと思っています。……って書いてて思いましたが、私が「ブギーポップを読みたーい」ってなって読むってことは、不安定な空気感がある時期に突入してるってことになっちゃいますよね。むしろ、読む時期が来てはいけない……のか?いや、そんなことはない……のか?

というところで終わります。

神7その⑦、上遠野浩平さんの『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』でした!