『何者』#わたしの推し本神7①

2024年6月30日(日)、7周年を記念しまして推し本披露会SPを開催します。
おすすめしたい本を紹介する形式の読書会で、テーマは「わたしの推し本 神7」です。
あなたの人生を彩った7冊を教えてください!

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《大阪》6/30(日) “「わたしの推し本 神7」推し本披露会SP” 7周年イベント開催のお知らせ

当日私は全体の進行を行うためグループには入りません。自分の推し本神7を紹介する機会がないので、ここで紹介したいと思います。

今回は神7その①、朝井リョウさんの『何者』です。

何者
朝井 リョウ
新潮文庫

想像力が足りない人ほど、他人に想像力を求める。

就活対策のため、拓人は同居人の光太郎や留学帰りの瑞月、理香らと集まるようになるが――。衝撃のラストが襲いかかる戦後最年少の直木賞受賞作。

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

読書会では、推し本披露会で一度紹介したことがあります。2020年1月の東京でも課題本としました

朝井リョウさんの作品は、メジャーどころはほぼ読んでますが、その中でも推したいのが『何者』です。就活生四人を中心とした物語なんですが、就職活動をちゃんとしてこなかった私にも刺さるものがありました。なんかこう、時代というよりかは二十歳前後のときに自分を取り巻く環境を普遍的に的確に捉えているんだろうなと思います。自分自身含め、同世代の誰もがまだ「学生」という共通したところに所属していて、これからそれぞれの仕事や人生を通して何者かになっていく。その境界線にいる人々や心情を的確に描いているのかなと思います。私はその時期を通り過ぎたあとに読んだので「こんな時期もあったなー」なんて振り返りながら読みましたが、今まさにその状況にある人が読んだらどうなのか。若干刺激が強すぎる気もしたりはするところであります。

何より注目していただきたいのは、ただ読んでるだけなのに読者をグワッと胸ぐらつかんで物語の世界に引きずり込んでくる感覚です。と書いてしまうとそれ以外の魅力もあるのにそこにばかり意識がいってしまうかもしれませんが、一番推したい部分なので書いておきます。ネタバレするなよと思ったら薄目で斜め読みを推奨します。

映画化もしてまして、佐藤健さんや有村架純さん、山田孝之さん等が出ています。原作の雰囲気もしっかり出ていて、めちゃくちゃ良かったです。本を読むのは辛いなーという方は映画版を観てもらっても良いかも?

というわけで、神7その①、朝井リョウさんの『何者』でした!