宮沢賢治の作品といえば、自分の中では「注文の多い料理店」でした。
小学生の時だったかな?国語の教科書に載ってました!宮沢賢治だとは意識してませんでしたが、物語が面白かったので内容はずっと覚えてました。何でこんなに記憶に残っているのかな?と自己分析してみた所、もしかするとこれが人生初の「どんでん返し」体験だったからなのではないだろうか?とちょっと思いました。あるいは「志村!うしろうしろ!」初体験だったのかしら?(※現代語訳でお送りしております)
まあ、とにかくインパクトがあったのですごく覚えている作品でした。
大人になった今、改めて読んでみて気になったのは、扉に書かれた文章を紳士二人が好意的に受け取っていること。
「ことに肥ったおかたや若いおかたは、大歓迎いたします」
という文章に対して、
「ぼくらは大歓迎にあたっているのだ」
と受け取ったり、
「注文はずいぶん多いでしょうがどうかいちいちこらえてください」
という文章に対しては、
「きっと注文があまりに多くて支度が手間取るけれどもごめんくださいとこういうことだ」
と受け取ったり。
「クリームをよく塗りましたか、耳にも塗りましたか」
という文章に対しては、
「主人はじつに用意周到だね」
「ああ、細かいとこまでよく気がつくよ」
と受け取ったり。
自分たちにとって都合の良いように解釈し続けた結果、危ない状況に追い込まれるわけですけども、こういう事って実によくあるよなあと思いました。特にワタクシ疑うという事を基本しない性質ですので、紳士二人と同じ状況になったら間違いなく最後の扉も開いております(笑)
言葉一つにしても受け取り方って様々だよなあと思いました。自分は紳士二人の言動が気になりましたが、山猫側の方が気になった人もいるかもしれませんね。用意周到すぎて不審に思われてしまう、という事もよくあるんじゃなかろうか。うっかり具合が好きですけども。
よだかの星もそうでしたが、短い作品なのに感じる所がすごく多いなあと、ここ最近宮沢賢治の作品に触れていて思います。良いですね、宮沢賢治!深い、深すぎて一人じゃ処理しきれない!
課題本読書会でお話出来るのがますます楽しみになりました♪