暗黒時代を語る時がやってきた⑧

大阪か、東京か。

どちらの学校へと行くか、私は選択を迫られた。高校三年生の頃である。

どちらを選ぶかでそのあとの人生が全く変わってくるのだから非常に重要な選択だったのだけれど、決める時には案外あっさり決めてしまった。悩む材料を持たなかったからである。どちらも住んだ事のなかった私にとっては、どちらも大都会であった。

判断材料は学校の担当者からの電話のみで、それも大阪に誘導しがちな内容だった。それで私は大きな選択を決めたのだった。

「東京と大阪と悩んでるんですけど、どっちが良いですかねえ?」

という質問をした所、担当者の返答はこうだった。

「東京は冷たい人が多いって言いますよー。大阪は人情味があります」

「そうですか。じゃあ大阪にします」

こんな感じで私はターニングポイントをあっさりまたぎ、大阪へ住む選択をした。

もし東京を選んでいたらどんな人生だったのだろうと妄想することはある。色んなターニングポイントはあれども、やはりここが一番大きなポイントだったからだ。仮に人生をやり直せるのだとしたら、私はここから自分の人生をやり直してみたい。

ちなみに東京の人は冷たいってのは、少なくとも私が接している読書好きな方々においてはそんなことないと断言する(という歯切れの悪いフォロー←)

あの時に私が人の言葉を疑える人間だったならば、また違った選択をしていたであろう。

まあやり直せるわけないので、ただの妄想である。