ライブ『椎名林檎 (生)林檎博’18 ―不惑の余裕―』と映画『何者』

その日は思いがけず休みになった。

何も予定がない休日というのはいつぶりだろうかってくらいに、今の私は忙しく動き回っているのだけれど、せっかくなので今日は何も考えずにやりたい事をやろうと思った。といっても結局読書会の事は考えてしまうのだけれども(笑)

まずはちょっと前に購入していたBD『椎名林檎 (生)林檎博’18 ―不惑の余裕―』を鑑賞。

椎名林檎さんは昔から好きなのだが、CDやBDなどを買った事はこれまでなかった。今回初めて購入に至ったのは、エレファントカシマシの宮本浩次さんとの『獣ゆく細道』が最高に好きすぎたからだ。

Youtubeの公式チャンネルにも上がっているので、もし良かったら観て頂きたい。

林檎さんの色気はハンパない。長く短い祭に登場する浮雲さんの自然体さはカッコよすぎる。ああいう大人になりたいものだ。

ライブは名曲だらけで、とにかく感動した。途中何度か泣きそうになった。何故涙が出そうになったのかは分からない。最初から最後まで二回視聴したらさすがに疲れたので今日の所はやめておいた。しかし、購入したのだからいつでもこれが楽しめるというわけである。最高だ!!

お昼になり、ふと読書会の事を考える。

さて、次の読書会では何を推し本紹介しようかな?

いくつかあるにはあるが、最近おふざけがすぎている気もする。そろそろ一回くらいは真面目な本を持っていこうかな、なんて考える。一回くらい真面目な本を持っていけば、十回くらいはふざけてもまあ大丈夫だろう。

本棚を眺めていると、ふと目に留まった作品があった。

朝井リョウの『何者』である。

朝井リョウさんはまだ『何者』と『時をかけるゆとり』しか読めていないのだけれど、とても面白い作家さんだと認識している。ぼちぼちと他の作品にも手をつけていこうかと思ってる所だ。と言い続けて二年くらい経っている所だ←

今気になっているのは何者のアナザーストーリーである『何様』だ。そろそろ文庫化しそうな気もしているので、文庫化したら読もうかなと思っている。

さて、その『何者』だが、何故「今日は何も考えずにやりたい事をやろうと思った」日に限ってこの作品が目に留まってしまったのだろうか。それにはワケがあるのかもしれないし、ないのかもしれない。一つ心当たりがあるとすれば、占い部のグループLINEで少し前にやりとりしていた内容だろう。その内容については割愛するが、非常に心に響くものがあって、私はその方の次に長文メッセージを投下した。『何者』の内容も、ある意味その時の話と似た部分があるかもしれない。

何はともあれ、東京読書会で紹介するのはこの本にしようとこの時に決めた。決めたからにはメッセージカード作りである。カードに紹介文を書こうとする。しかし、思いつかない。ここで気がつく。「面白いのは覚えているが内容までは覚えてない」という事に・・・・・・。

小説を再読するのはまあ新幹線の時にでも出来るし、今日はそういう気分ではない。そういえば映画も出来が良かったな。Huluに映画あるだろうか・・・?と検索してみると、あった。一時間半くらいで観終わるし丁度良い。

というわけで、カードとペンを手に視聴開始。

佐藤健、有村架純、菅田将暉、二階堂ふみ、岡田将生、山田孝之って改めて観るとめちゃくちゃ豪華だ・・・!

観ているとだんだんと内容を思い出していく。

あああああ!心をえぐられる!えぐられまくっちゃってるよ!(カードに書いとこ)

実は私は一般に言われるような就職活動はした事がない。むしろギンジや隆良側の人間なのである。なので夢を追いかけていた側のプライドの高さとか、サラリーマンにはなりたくないと思っている心境がすごくよく分かってしまった。と同時に、結局は諦めて就職しているので、主人公の二宮拓人(佐藤健)の心境もすごく分かった。私にとっては誰かが言葉を発するたびに「あああああ!」とのたうち回りたくなるほどの痛い小説であった。

山田孝之が言う「お前の方がもっと想像力のあるやつだと思っていたよ」という所から徐々に主人公自身を取り巻く空気が変わり始める作品の流れは見事で、「もうやめて!どこかでやめて!ライフはゼロよ!」と言いたくなってくる。しかし、視聴をやめない限り、物語は進んでいく。

ラストにはやはり前回視聴した時と同様、鳥肌が立った。これについては是非ご自身の目で確かめて頂きたい。

そんなこんなで林檎さんと何者を堪能した贅沢な一日だった。残りの時間はBookReviewやIDEA BOX用の記事を書く時間にあてるつもりだ。これも何て贅沢な時間なんだろう。

100%充電させてもらえた。

さて、また頑張ろう!