謎のクィン氏/アガサ・クリスティー

謎のクィン氏
ハヤカワ文庫
アガサ・クリスティー

 

読書会で紹介して頂いた本。

 

連作短編なので非常に読みやすかったです。短編ものは区切りがつけやすいので電車で読むことが多いのですが、次も次もと読みたくなって自宅で読了してしまいました。

 

常に観察者であったサタースウェイトと、謎に包まれたクィン氏。この二人が恋愛がらみの事件の謎を解いていくミステリーです。

 

クィン氏が謎を解くわけではないのですが、彼がさらっと言った一言や、彼に聞き役に徹してもらう事によってサタースウェイト氏は解決の糸口に気づき、事件の謎を解いていきます。

 

好きなのは「クィン氏登場」「クルピエの真情」「ヘレンの顔」という作品でした♪

 

「クィン氏登場」では、クィン氏とサタースウェイトが出会う場面が描かれています。大晦日の夜、友人が自殺した家にサタースウェイト達は集まっていました。そこに車が故障したから少しだけ暖を取らせてほしいとクィン氏が登場。話をしていると話題は自殺した友人のことに移ります。査問会議のようなことをすれば当時以上に真実がつかめるとクィン氏に言われ、当時の状況を話し出す面々。次第に浮かび上がる真実は・・・・・・というお話です。

 

「クルピエの真情」では、サタースウェイトが伯爵夫人とカジノで対決をしています。賭けに買ったはずなのに、クルピエ(ルーレット係)は「ア・マダム(ご婦人に)」と言って、賞金を伯爵夫人に渡してしまいます。伯爵夫人も受け取ってしまい、サタースウェイトはあくまでも紳士的に対応しますが、内心ひどく腹を立てました。クィン氏になだめられ、かき集めパーティに参加しているとその時のクルピエと再会。クルピエがなぜあんなことをしたのか・・・・・・謎が明らかになります。

 

「ヘレンの顔」では、謎に気づいた瞬間からのサタースウェイトがカッコイイです!このお話が一番好きでした!

 

アガサ・クリスティーの作品ってドラマ等でタイトルは知っていたりしますが原作はほとんど読んでいません。良いキッカケになりました♪

 

ここに出てくるサタースウェイトがポアロと出会い、名脇役ぶりを発揮すると解説にも書かれていたので、また今度別の作品も読んでみたいと思います♪